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DUNHILL / CUMBERLAND / 42012 / 80年


レストア前

今回購入したロット売りの本命その2、ダンヒルのカンバーランドです。
ダンヒルはもう集めなくていい(といいつつ、安いの見つけると買っちゃう)のですが、カンバーランドは一本欲しかった。

↑でも少し触れた、ヤフオクで初めて買った一本である、思い出深きNORDINGもそうだけど、カンバーランドステム好き。
茶っぽい赤と黒のマーブル模様で、木っぽい。
スタンメルとの馴染みが、普通の黒ステムより自然に見えて良き。

でも、ダンヒルのカンバーランドは79年に生まれたラインなので、やっぱり優先順位は下がり、今まで持ってなかった。
今回、他に本命があるロット売りに紛れ込んでたのはラッキー。

ダンヒルのカンバーランドは、70年代にいろいろ新しくなっていくダンヒルが、スムース/ブラストで各色揃えたタイミングで生まれたライン。
新色として出た濃茶。
スムースがCHESTNUTで、サンドブラストがCUMBERLAND。

   スムース    サンドブラスト
薄茶:ROOT    - TANSHELL
濃茶:CHESTNUT  - CUMBERLAND
赤色:BRYUERE   - REDBARK
黒色:DRESS     - SHELL

MADE IN ENGLAND の後ろの数字は20。
1980年生まれ。

5桁シェイプコードのみで、④Sとかの短縮コードは無し。
短縮コードは、76年頃に廃止されています。
んで、5桁コードは、同じ頃に導入され、84年頃まで使われていました。
すごく短い期間。
84年以降は、5桁目の数字は無くなり4桁コードに変わります。

1桁目はサイズ、2桁目はステムの形状、3桁目4桁目はシェイプの番号です。
4201は、グループ4の、サドルステム、アップル、となります。

んで、5桁目の2。
5桁目の数字は、主にダンヒル社内の生産計画用に使用されていた数字らしく、いくら調べても詳細はわかりませんでした。
今まで。
が。
思いついてChatGPTさんに聞いてみたの↓

ダンヒルのパイプにおける5桁シェイプコードの5桁目(最後の数字)は、通常パイプの「ビットスタイル(mouthpiece style)」や「ステムタイプ」を示しています。これにより、同じシェイプであってもビットのスタイルが異なるバリエーションが区別されます。

以下は、ダンヒルの5桁目が示す一般的な意味の例です:0: レギュラー・ビット(通常のフィルターなしのビット)
1: フィッシュテイル・ビット(ダブルカットのビット)
2: サドル・ビット(ビットの部分が平らになっている)
3: その他の特殊なビット
4: 限定モデルや特別デザインのビット


これらは一般的な例であり、具体的な意味はモデルや製造時期によって若干異なる場合があります。そのため、ダンヒルのパイプの特定のモデルについて詳しい情報を得るためには、専門のカタログやガイドを参照することが推奨されます。

ChatGPT

テクノロジーすげえ!
正しいかどうかは分からんけど、ひとまず疑問が解けた。
何でも知ってるなChatGPTさん。

肝心のステムは、シャンクとの接合部分のエッジが少し丸まっているものの、深いティースマークもなく、状態は良い。
でもステム抜いてみると、煙道の穴がセンター取れてない。
こういうところが70年代以降のダンヒルなんかな。

ステムは丸じゃなくて四角。
結構好き。

ボウルはトップがスムース仕上げ。
結構好き。
カーボンは分厚いし、蜘蛛の巣貼ってるけど、状態は悪くない。
掘りは浅い。

全体的に、使用感はあるものの、状態は良し。
カンバーランドステムだし、サイズも4だし、好きなシェイプのアップルだし、ボウルトップのスムース仕上げやスクエアシャンクも好きだし、言うこと無し。
やったね。


ボウルのお掃除

リーマーとナイフでカーボンゴリゴリ。
分厚くて削れきれないのでリューターぶーん。
ドバー。
前回のsavinelliしかり、先代マジでメンテナンスしねえな…

あらかたカーボン取れたら、コットン詰め込んでアルコールメソッド。
エタノールひたひたにして、数時間おきに何度か注ぎ足しながら、一晩放置。

一晩経ったらコットンを外して軽くリーミング。
シャンクはこっから本番。
ストローブラシなどでゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。

中が綺麗になったら外側のお掃除。
ボウルにキッチンペーパーで蓋をして、マーフィーのオイルソープを原液で歯ブラシにつけてゴシゴシ。
ぬるま湯の流水で洗い流します。

乾いたら椿油を塗りたくり、放置せずに拭き取り。
歯ブラシで溝にもゴシゴシ。

ルネサンスワックスを塗って、拭き取り。
カルナバワックスをバフ掛けして、磨き上げ。

溝に残ったカルナバの細かいカスはヒートガンでブーン。
みるみる溶けて気持ちいい。
靴磨き用の豚毛ブラシでゴシゴシ。
ピカピカです。

最後に、エタノールで薄めた蜂蜜をボウル内に塗布。
ボウルの保護とカーボン付きやすくなります。
ひとまずボウルはおしまいです。


ステムのお掃除

まずはその他大勢と一緒にオキシクリン。
経年の変色を取り除きます。

カンバーランドステムは、他のダンヒルと同じように、エボナイト製です。
黒と赤を成形時に混ぜ込んだエボナイト。
もともと「カンバーランド」という名前の素材じゃなかったけど、ダンヒルの成功によって、このマーブル素材を「カンバーランド」と呼ぶのが一般的になりました。
流石のダンヒル。

後年、アクリルのマーブルステムとかも他会社から出てきますが、ダンヒルのカンバーランドはエボナイトなので、普通に変色するし、普通のエボナイト同様の手入れで大丈夫なはず。

オキシクリンが泡出なくなったら、激落くん的メラミンスポンジで表面をこすり、流水で洗い落とします。

洗い終わったら、ホワイトスポットを木工用ボンドでマスク。
ボンドが乾いたら、今度はエタノールにドボン。
その他大勢と一緒に。
ヤニがもわ〜と出てくるので、ストローブラシとかでゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。

あとは2000までヤスリ掛け。
その他大勢と一緒に。
写真撮ってないけど、テノン部にマスキングテープぐるぐる巻きにして、エッジがこれ以上丸まらないように養生はしてます。

ヤスリ終わったら白棒バフとコンパウンドで磨き上げ。

水洗いして乾いたら、変色防止剤を塗り塗り。
一晩放置して吸い込ませます。

ステムルーズだったので、テノンに接着剤をチョン。
乾いたらボウルと合体させてフィット感を調整。
入んなかったりキツすぎたら、ちょっとずつ接着剤をヤスリがけ。
フィットしたら合体して、全体をつやふきんで磨き上げて完成です。


完成

ツヤツヤピカピカです。
分厚かったカーボンもスッキリ。

ステムもピカピカです。

せっかくなので、ブラスト全色比較。
上から、
【薄茶】2002年のタンシェル5215
【濃茶】今回の80年カンバーランド42012
【赤色】73年レッドバーク60のサイズ4
【黒色】50年シェル59のサイズ4
タンシェルだけサイズ5だし大分シェイプが違うけど。
シェル以外は、それぞれ1本づつしか手元に無い。

並べると、まあ確かに色違うか。
でも微妙。
タンシェルが使用経過で色が濃くなってることもあって、薄茶濃茶は微差。
新色ってアピールするほどでもないような。

サイズもシェイプも好みのカンバーランドなので満足。
もうダンヒルはいいかなあ。
と言いつつ多分買う。

今回のロットは、本命2本、予想外のお宝2本、その他大勢にもそこそこ良いの混ざってて大満足。
ただ、20本とか、自分で数を把握できない本数の同時進行は危険。
磨き終わって油もつけて仕上げたピーターソンのステム1本、間違って捨てました….
Oh…
同時進行だと間あくからね…
またロット売りとかでフィットするステムと出会うまで、ボウルだけ待機。
大分ショック。

以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。


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