DUNHILL / SHELL BRIAR / 90 / 74年 / ②S
レストア前
ダンヒルのシェル、2Sのポーカーです。
山売りの中にまぎれてた。
デイコードは2と重なって読みにくいけど、たぶん14。74年。
ポーカーってなんかちょっと良いよね。
ポパイ感。
サイズ小さいから刻印が気持ちはみ出るくらいギリギリ。
ボウルトップはステム側じゃ無い方が、焦げかリーミングのためか結構へこんでる。
カーボンは厚め。
ステムは汚れと変色。
ただ、ティースマークは無いから楽。
インナーチューブはヤニで固着して取れない。
ボウルのお掃除
厚いカーボンを、リーマーとナイフとリューターで削ります。
ボールトップも。
写真手前が結構えぐれてる。
2〜3mmくらい天地が下がって、穴も1mm程度広がってる感じ。
ここだけ。
あらかたカーボンを削り取ったら、アルコールメソッド。
コットンがなくなったので、すごい久しぶりに、塩で。
ソルトアルコールメソッド。
シャンクにはモールをつめこんで、ボウルに粗塩をギチギチに詰め込みます。
はかたの塩。
そこにスポイトで無水エタノールを注いでいきます。
一気に入れると溢れるので注意。
ヒタヒタになるまでエタノールを入れて、数時間おきに何回かエタノールを継ぎ足して、一晩放置。
次の日、塩をかき出して、シャンク内をエタノールつけたストローブラシとかで掃除。
モール刺しても色がつかなくなるまで。
ボウル内も塩が残らないように、リーマーとティッシュとかで拭き取ります。
塩が残ってるとしょっぱくなる気がする。
スッキリ。
ボウルにキッチンペーパー、シャンクにモール詰めてマスキング。
マーフィーのオイルソープで洗います。
原液を歯ブラシにつけてゴシゴシ。
ヤニと汚れをかき出して、温水で洗い流し。
汚れ落としたら、結構えぐれが目立つ。
焦げを削ったんだな多分。
リーミングしたりエッジ削ったり、馴染ませようと色々やったけど、結構えぐれが深くて無理だったので、ボウルトップは削り直すことに。
いったん、紙やすりにボウルトップを擦り付ける感じで、平らになるまで削ります。
えぐれがなくなるあたりまで、2〜3mmくらい。
万が一焦げがあったらそこから広がっちゃうし。焦げ。
えぐれがなくなったら、シェルのブラストに合わせて、ナイフで削って馴染ませます。
荒く、細かく、雑に。
平面がなくなるように。
削り直したボウルトップを塗装します。
下地に赤をモールで。
エタノールで染料を薄めて、薄く何度も塗り重ねていく感じ。
下地の染料が乾いたら、上から黒の染料を。
薄めを何度も重ね塗り。
染料が乾いたら、ボウルトップ含めて全体に椿油を塗りたくり、あまり放置せずに拭き取ります。
うるおいプラス。
しっかり椿油ふきとって乾いたら、ルネサンスワックスを全体に塗り塗り。
歯ブラシでゴシゴシ。
マイクロファイバーの布で拭き取り。
その後、リューターでカルナバワックス。
細かいカスは歯ブラシとカルナバ布で擦りまくって取り除きます。
最後にボウル内の保護のために、エタノールで薄めた蜂蜜を塗って、ひとまずおしまいです。
ステムのお掃除
ステムの変色と大雑把な汚れ取りのために、オキシクリーンに漬け込みます。
他の溜まってたエボナイト製ステムと一緒に。
60度くらいのお湯で溶かして、30分程度放置。
泡が出なくなったらメラミンスポンジでぬるぬるを取り除くと、ある程度黒を取り除きます。
内部もストローブラシとかで綺麗に。
インナーチューブの固着も取れます。
オキシクリーン終わったら、エタノールに漬け込みます。
ダンヒルのインレイは溶けちゃうかもなので、マスクしたり、短時間にしたりで。
ヤニがもわ〜っと出てきます。
ブラシやモールで内部を綺麗に。
モールに色がつかなくなるまで。
中が綺麗になったら、あとは600~2000までやすりがけ。
吸い口周りは汚れてたけど、オキシクリーンとエタノールでほぼ綺麗になって、ティースマークはないので案外すぐにピカピカに。
あとはボウルと合体して、白棒パフして、コンパウンドかけて、つやふきんでふいおしまいです。
完成
ピカピカです。
ボウルトップのえぐれもなくなっても綺麗になりました。
同じような年代のポーカーとの比較。
スムースラインのBRUYERE。
1976年頃、2Sとか2Aとか表記されてた短縮コードが廃止になりました。
シェルの場合はS、BRUYEREはA。
その後、サイズや形状をまとめて、アルファベットや4〜5桁の数字で表記されるようになります。
ちょっとの期間で色々変わってるらしく、この時期の刻印には少し混乱が見られます。
このBRUYEREはちょうど76年作。
2Aの短縮コードなし。
が、76年からスタートする4〜5桁のシェイプコードではなく、アルファベット表記(レターシェイプコード)ぽいコード表記、「31PO」。
でもレターコードの「PO」はブルドックのはず。
31は数字のコードと同じルールで、サイズ3の普通のステムって意味なのかな?
と、結構混乱する謎なコードがついてる。
すっごい調べたら、同じコードと形状のものが当時のカタログに載ってたので、偽物ではなくて安心した思い出。
で、サイズ3だと思ってたんだけど、今回のサイズ2ポーカーと並べたら全く同じサイズ。
口径も。
2だったんけおめえ。
以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。
これで溜まってたパイプは一段落。
ちょっと間開くかも。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?