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DUNHILL / SHELL / 21031 / 78年?
レストア前
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ダンヒルのシェルです。
しばらく間開くと思ってたけど、フリマアプリで安くてつい。
刻印は肉眼だとかなり見にくいけど、シェイプコードは21031。
おそらく。
5桁のシェイプコードは、1977〜1984年に使用されました。
1桁目はサイズ、2桁目はマウスピースの形状、3&4桁目は形状、5桁目はボウルのスタイルを表します。
21031は、最初の4桁から、サイズ2の、テーパードステム、ビリヤード、となります。
5桁目については資料少なくてわかりません。
スタンダードなビリヤードといった佇まい。
デイコードも肉眼ではほとんど見えないですが、アップで撮った写真を見る限り、13ぽい。
ただ、2Sとかの短縮コードが76年頃に廃止されて、その代わりに4桁または5桁のコードに置き換えられたことを考えると、18かなと思います。
78年。
1桁目は2じゃなくて1だと思うし。
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木肌は、古いシェルみたいにぬるっとしてて結構好き。
堀は浅いけど。
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カーボンはそんなに厚くない。
サイズ2はなー。
使うかなー。
こないだのプリンスよりは普通のサイズだけど。
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ステムは結構ぼこぼこ。
噛んでるねー。
変色は、まあ、普通に黄色い。
ボウル内のお掃除
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ロケットリーマー、というものをついに入手。
使い勝手に結構不満があるみたいなのに、そこそこ高価なので二の足を踏んでたんだけど、フリマアプリで安かったので。
ずっしり。
ガジェット感ある。
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一番右端を回すと、ネジ状のニードルが出てくる。
必殺仕事人感。
溝にモールを絡ませて煙道とかを掃除するらしい。
ニードルが入っていたとこの隣を回すと、リーマーの先が縮まったり広がったりする。
ボウルサイズに合わせてサイズを調整して、リーミングします。
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パイプ使用時の傷み方的に、ボウルのシャンク側を上にして、反時計回しでボウルの上の方から下までネジネジ入れていくといいらしいけど、上手くできない。
というか、歯の方向的に時計回しだな。
初心者セットに入ってた可変リーマーに比べて、すごい削れる。
重さがあるからかな。
安定感。
力が入れやすい。
いいなこれ。
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ただ、リーマーの先っちょの形状的に、どうしても削り残しが発生するっぽいので、底の方は牡蠣剥きナイフで削る。
そんなにカーボン厚くないこともあり、今回はリューターしなくても良さそう。
ロケットすごいな。
でも置き場に困る。
デカいし重いけど先っちょ汚れるし。
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カーボンがあらかた取れたら、アルコールメソッド。
モールとコットンをつめて、エタノールを注いでいきます。
数時間おきにエタノールを注ぎ足して、一晩放置。
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一晩経つと、汚れが浮いてきます。
コットンとモールを取り除いて掃除していきます。
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ボウル内は結構すぐ綺麗に。
シャンクは結構頑張る感じ。
ストローブラシにエタノールつけて、色が出なくなるまで磨きます。
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ロケットリーマーのニードルにモール絡めてもやってみる。
これでいいのかな。
ただ、こっちはあんまり良くない感じ。
煙道に対してキツキツになって、煙道傷つけたりシャンク割れそう。
モールだけを捻った方が良さそう。
モール絡めないニードルでヤニを掻き出したりとかには使えそうだけど。
外側のお掃除
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結構くすんでるので、キッチンペーパーとモールでマスキングして、マーフィーのオイルソープで外側を洗います。
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マーフィーのオイルソープを希釈せずに原液のまま歯ブラシでゴシゴシ。
ボウルトップは真鍮の柔らかいワイヤブラシとかで。
真鍮ならブライヤーの方が勝つらしい。
ヤニとかも落ちます。
全体をゴシゴシしたら、温水の流水で洗い流します。
ボウル内は結構マスクで守られるし、多少中が濡れてもすぐに乾くので大丈夫。
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スッキリ。
わかりにくい焦げもわかりやすくなります。
今回は特に焦げはなさそう。
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ボウルが乾いたら、椿油で潤いプラス。
歯ブラシでゴシゴシ。
細かい溝にも行き渡るように。
浸透系の油なので、あんまり放置せずに拭き取ります。
色が復活。
ツヤツヤ。
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このままでも、これはこれで良さそうだけど、黒染料で化粧直し。
下地の赤は塗らなくて良さそう。
柘植の木目出し用の黒染料をエタノールで薄めて、軽く。
凹凸のニュアンスが黒で潰れないように、塗ったらすぐに全体をエタノール染み込ませたキッチンペーパーとかで拭き取ります。
いい感じになるまで何回か繰り返し。
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染料はすぐに乾くけど、一晩置いて色を定着させてから、ワックスがけ。
ルネサンスワックスを塗って、拭いて、カルナバワックスをリューターで塗って、拭き取ります。
カルナバは溝にカスが残らないように高速で歯ブラシかけたりカルナバ布で馴染ませたり。
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最後にボウル内にエタノールで薄めた蜂蜜を塗って、ひとまずおしまいです。
ステムのお掃除
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まずは黄ばみを取るためにオキシクリーンに漬け込みます。
60度くらいのお湯で10gくらいのオキシクリーンを溶かして30分くらい放置。
泡が出なくなったらおしまいです。
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取り出して激落くん的メラミンスポンジで表面のぬるぬるをこすり落とします。
流水で。
これで結構黒が戻ります。
ただ、乾くと茶色がまだらに残ってたりします。だいたい。
中もストローブラシとかで綺麗に掃除します。
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オキシ漬けは、イメージするより汚れ落ちないので、次にエタノールに漬け込みます。
ただ、ダンヒルのホワイトスポットがアクリルなので、エタノールで溶けないように木工用ボンドでマスキング。
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ボンドが乾いたらエタノールにドボン。
内部の洗浄が目的なので、ホワイトスポットが心配なら、エタノールはステム天面が浸らないくらいの量で良いです。
しばらくするとヤニが中からもわ〜っと出てきます。
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エタノールから取り出して、内部をストローブラシとかモールで掃除します。
色がモールにつかなくなるまで。
吸い口とかダボらへんにヤニが溜まってたりします。
ステムの修理
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結構深い噛み跡。
まずはライターで噛み跡を軽く炙ります。
傷をなぞる感じで。
エボナイトの場合、これで結構復活します。
が、限界はあります。
今回はあんまり戻らなかった。
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ある程度傷を盛り上げたら、ダイヤモンドヤスリで成形してしまいます。
天面のボタン(端っこの盛り上がってる部分)も結構崩れてたので、改めて面を出します。
ボタンの端とか紙やすりだけだと磨き残しが出て、最後まで工程終わった後にやり直しとか結構あります。
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あとは400〜2000までヤスリがけ。
ダボ側のエッジが丸まらないように、マスキングテープでぐるぐる巻きにしてヤスリます。
ダイヤモンドヤスリかけてたり、ティースマーク修正するときは、400を丁寧に。
荒いヤスリで綺麗にしておかないと、2000までかけてピカピカになっても傷が残ったりデコボコ残ったりしちゃいます。
ヤスリが終わったらボウルと合体して、白棒パフかけて、コンパウンドで磨き。
最後につやふきんで全体を拭いておしまいです。
完成
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ツヤツヤピカピカです。
写真だとわかりにくいですが、いい感じに下地の色のニュアンスも感じます。
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ステムもピカピカ。
ピアノブラックを取り戻し、ティースマークも無くなりました。
結構手強い噛み跡だった。
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以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。
(検)
パイプタバコ パイプスモーキング パイプ