Sasieni / TWO DOT / 88
レストア前
ロット売りに混ざっていた、sasieniのTwoDotです。
好きなシェイプで、やたら安かったので購入。
本数多いので送料高かったけど…
↑で書いた通り、TwoDotは、2代目サシエニさんの時に作られた、FourDot未満セカンド以上のライン。
FourDotに一歩届かなかったけど、セカンドと違ってFourDotと同じ製造過程を経たラインです。
なので、喫味はFourDotと変わらないけど値段は安く、しかも製造期間が2代目サシエニさん時代(1960〜79年)だけなので、絶対に家族時代。
逆に安心なシリーズです。
刻印は消えかけ。
水色のTwoDot。
シェイプは88。
FourDotだとAshfordというのタウンネームの、Author(オーサー=著者)というシェイプ。
厚めの壁と広めの火口を持ちながら、小さめでコロンとかわいい、アップルから派生したシェイプです。
シャンクも太くて好き。
Savinelliの320とかが有名です。
もちろんサシエニでも人気シェイプ。
かわいい。
ステムは結構ボコボコ。
穴は空いてないけど、食いしばりなティースマーク。
リップも大分ガタガタ。
カーボンはないものの、ボウル内は少し荒れてる。
だいぶ使い込まれた感。
そしてボウルトップ正面付近が削れてる。
焦げてるのか、乱暴に叩いたのか、TwoDotの所以なのか。
まあ、これくらいなら多分ヘーキ。
全体的に状態は悪め。
でも穴とか空いてないし、骨格は健康って感じ。
ボウルのお掃除
まずはカーボンを、リーマーとナイフでゴリゴリ。
なんでか、ほとんどカーボンついてないのですぐ終わる。
コットンとモール詰め込んで、アルコールメソッド。
エタノールをヒタヒタに注いで、数時間おきに数回継ぎ足しながら、一晩放置。
一晩経ったら、コットン取り除いて軽くリーミング。
ボウル内はこれでOK。
が。
シャンクが強敵だった。
ストローブラシゴシゴシ。
全然ヤニが無くならんなーと思ったら、ダボ穴のフチにヤニの塊。
竹串でコリコリ掻き出し。
太シャンクでピンセットの先端入ったので、エタノール染み込ませたコットンつまんでグリグリ。
やっとモールに色がつかなくなりました。
内側が綺麗になったら外側のお掃除。
ボウルにキッチンペーパーとモールで蓋をして、マーフィーのオイルソープの原液を歯ブラシでゴシゴシ。
ぬるま湯の流水で洗い落とします。
洗い落とす流水でボウル内が濡れても大丈夫です。
すぐ乾くからヘーキヘーキ。
キッチンペーパーとかは、オイルソープ原液が内部に入り込んで、中に匂いが染みつかないように蓋してるだけ。
まあ、気休めです。
洗い終わって乾燥すると、見えなかったとこも見えやすく。
うーん、ボロボロ。
焦げてるわけではなさそうだけど、叩いたにしてはザリザリだし、何でこうなった。
地面に落としたのかな。
シェイプが崩れないように気をつけつつ、240、400の荒いヤスリで滑らかに。
成形できたら、全体を2000までヤスリ掛け。
ヤスってたら埋めを発見。
ブラストの時は見つかんなかったけど、スムースだとしゃーないね。
でも、ほぼわからん。
ヤスリ掛けが終わったら、白棒バフ。
ピカピカ。
その後、椿油を塗りたくり。
あんまり長く放っとくと、使用時に少量の油が滲み出てきます。
最初の2〜3回くらい。
そのうち出なくなるけど。
なので基本的に放置せずに拭き取るんですが、今回はちょっとだけ放置してから拭き取り。
5分くらい。
グレインが濃く出て、コントラストがはっきりします。
あとはカルナバワックスで仕上げ。
リューターでバフ掛けして、ファイバークロスで磨き上げます。
ボウル内が少し荒れているので、葉巻の灰をほんの少量の蜂蜜と練り合わせ、ボウル内に塗り塗り。
ヒビとかをパテ埋めです。
ひとまずボウルはおしまい。
ステムのお掃除
まずはオキシクリンにドボン。
泡が出なくなったら取り出して、激落くん的メラミンスポンジで表面のぬめりを洗い流します。
ストローブラシで中もゴシゴシ。
乾いたら、木工用ボンドでドットをマスク。
ドットは多分アクリルのインレイなので、このままエタノールに入れると溶けちゃう可能性があります。
ボンドが乾いたら、エタノールにドボン。
ヤニがもわ〜っと出てきます。
しばらく放置してから、取り出してストローブラシでゴシゴシ。
シャンクと同じく手強い。
いつまで経ってもモールに汚れつくなあと思ったら、吸い口の両サイドにヤニの塊。
竹串の先っちょを平らに削ってコリコリ掻き出し。
やっとモールが白くなる。
内部が綺麗になったら、外側の修理。
ボコボコ。
凹んだ箇所を、軽くライターでなぞる。
エボナイトだとこれでちょっと凹みが盛り上がったりします。
まあ、あんま効果なかった。
気休め。
ダイヤモンドヤスリと240、400の紙ヤスリで、凹みなくなるまでヤスリ掛け。
リップ上部が大分低くなったので、ここだけプラリペアで盛り上げます。
もりっとプラリペア。
エボナイトにプラリペアすると、よ〜く見ると色味の違いが出ちゃいます。
ただ、今回はリップだけなので多分大丈夫。
すぐに固まるので、ダイヤモンドブラシと240、400の紙ヤスリで再度成形。
復活。
あとは、全体を2000までヤスリ掛け。
シャンク側のエッジが丸まらないように養生しといたほうが良いです。
マスキングテープぐるぐる巻き。
白棒バフとコンパウンドで仕上げ。
終わったら一度洗浄します。
最後に変色防止液という名の流動パラフィンを塗り塗り。
一晩放置してステムに染み込ませたあと、余分な油を拭き取ります。
ボウルと合体したら少しきつめだったので、ダボのところに鉛筆塗り塗り。
合体がスムーズに。
あとは全体をつやふきんで磨いておしまいです。
完成
ツヤツヤ、ピカピカです。
ボロボロに削れてた箇所も無くなりました。
ステムもピカピカ。
リップも綺麗です。
コロンとしてて良き。
若返った。
以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。
(検)
パイプタバコ パイプスモーキング パイプ