DUNHILL / SHELL BRIAR / RL F/T / 67年 / ④S

レストア前

結局また買っちゃった。
ダンヒルのシェルのポットです。
状態良くて67年で珍しいポットなのに安かったので…

ポットってのは、口径が広くてボウルが浅めのシェイプ。
自分が常喫しているラタキアって種類のタバコは、口径が狭いより広いほうが美味しいってのが通説です。
そういう意味ではポットは自分に合ってそう。
と思って、過去に一本買った（チャラタン下の時のベンウェイド）んだけど、それはちょっとイマイチな感じだった。
上手に吸うこともできなかった。
今回は果たして。

ダンヒルのポットって初めて見た。
ボウルが浅い印象はあまりなくて、ビリヤードのボウルがそのまま広がった感じ。
壁も厚くて、なんかイタリアっぽい。

RLがシェイプコード。
Rがポットのコード。
Lが付いてるのはロングステムのポットらしい。

MADE IN ENGLAND の後ろのデイコードは7。
67年製です。
一個前のダンヒルの投稿と同じく、いわゆる「THE LAST GASP（最後のあえぎ）」です。
オイルキュアリングの出来が良いとされている年代。
ぶっちゃけ喫味の違いは分からんのだけどね。

ボウル内はすごく綺麗。
綺麗にリーミングされてて黒光り。
匂いもしないしアルコールメソッドいらないかな。
ボウルトップも綺麗だけど、手前側すこしカーボンが乗ってる。

ステムも綺麗だけど、少し吸い口凹んでボコボコしてる。
大きなティースマークは無いけど。
ビッツつけてたんかな。

全体的にとても状態がいい。
刻印もはっきりしてるし、ボウル外側もピカピカにワックスかけられてる。
長年使った、てより、レストアものを買ってそんなに時間経ってないって感じ。

ボウルのお掃除

ボウル内は綺麗だけど、ちょっと上の方のカーボンがボコボコしてたので、ロケットリーマーとナイフでリーミング。
リューターもアルコールメソッドも要らなそう。

が。
シャンク内がひどかった。
ダボと煙道の段差のところがボコボコしてる。
最初木肌かと思って、ダンヒルにしては仕事汚いなあと思ったんだけど、竹串とかでほじくるとボロッとヤニの固まり落ちてきた。

ボウル内もそうだけど、穴の中の掃除は、机の端っこにスマホ置いて、ライトで照らしながら作業したほうが良いです。
煙道は掃除されてるけどダボ付近汚いの時々ある。

ボウルトップはカーボンが乗ってる上からワックスかけられてる感じで、凹凸が無くなっていたので、ナイフで軽くカーボン削って、エタノールつけた歯ブラシと真鍮ブラシでゴシゴシ。
塗料の剥がれはそんなに気にしないで大丈夫。

ボウルトップに椿油塗って、そんなに放置せずに拭き取り。
ツヤと色味が戻ります。
ついでに、周りより一段明るくなってるエッジを、アルコール塗料の黒ペンで軽く塗って、拭いて、馴染ませ。

最後にルネサンスワックスとカルナバワックスで仕上げ。
ついでだからボウルトップだけじゃなくて全体にも重ね塗り。
豚毛の靴掃除用ブラシで擦り上げるとピカピカになります。
ボウルはひとまずおしまいです。
ボウル内が綺麗だったから楽。
乾燥待たなくていいからすぐ吸える。

ステムのお掃除

まずはホワイトスポットに木工用ボンド。
マスクです。
磨き上げる時にポロッと取れるから心配しなくて大丈夫。

ボンド乾いたら無水エタノールにドボン。
しばらく放置するとヤニがモア〜っと出てきます。
この時、マスクしてないとホワイトスポットが溶けることがあります。
アクリルなので。

ストローブラシとモールで、色がつかなくなるまで掃除。
ダボと吸い口の端っこに汚れが溜まってることあるのでモールをいろんな角度からグリグリ。

あんまり変色してないと思ってオキシ漬けやらなかったけど、洗面所の照明の下で見たら結構全体的に変色してた。
改めてオキシ漬けするか迷ったけど、そのまま激落くん的メラミンスポンジでゴシゴシ。
これだけでも結構変色は取れます。
オキシ漬けより少し頑張って擦る必要があるけど。

掃除が終わったら、ボコボコしてる吸い口付近をライターで軽く炙ります。
凹みをなぞるように。
エボナイトの場合、こうすると少し凹みが盛り上がります。
アクリルの場合は多分普通に溶けるのでNG。

その後、ダイヤモンドヤスリで軽く成形。
ボタンのところのエッジの変色が、紙ヤスリだけだと残ったりするので、ここもヤスってしまいます。

あとは、全体を400〜2000までヤスリがけ。
エッジをヤスって丸めないように、ダボのところをマスキングテープでぐるぐる巻きに。
ステムより少し高くなるように。

ヤスリがけが終わったら、白棒パフとコンパウンドかけて、エボナイトの変色防止液を塗っておしまいです。

ダボきつめだったので鉛筆塗り塗り。
スムーズに入るようになりました。
ボウルと合体して、全体をつやふきんで拭いて完成です。

完成

ツヤツヤピカピカです。
もとから状態は良かったけど。

ボウルトップの凹凸も復活。
ボウル内部も綺麗です。

ステムもピカピカのピアノブラックに。
凸凹もなくなりました。

上から、69年127、68年142、今回の67年RL。
全部サイズ4。

木肌的には同じ感じの浅いブラスト。
ロングステムというだけあって、3つの中ではRLが一番長い。
ポットてよりデカいビリヤードみたいな印象。
いいね。

以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。