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If i never knew you

2000年12月23日、スクウェアはPS2ソフトである『バウンサー』を発売した。


これは22万本くらい売れたソフトで、開発は『トバル№1』などのドリームファクトリーである。
PS2時代の幕開け的なソフトで、『FINAL FANTASYⅩ』の発売の約半年前のことである。

映像は当時で言えば映画のよう。内容は、バウンサー(用心棒)である主人公たち3人が、彼等が働くバーの看板娘が突如暴漢に拉致られて、それを助けに行くという、まぁ、オタサーの姫を救いに行く話である。
このゲームは3人の主人公の視点それぞれで同じ物語を別の視点から楽しめるのだが、一人当たり2時間でクリアできるため、6時間あれば全て終了する。
まぁ、映像に力を入れているソフトで、ある種、ゲーム部分はおまけですらある。

まぁ、FFみたいなものである。

さて、このゲームの主題歌、であるが、これは英語版と日本語版が用意されていて、英語版は『LOVE IS THE GIFT』という、なんとも安直なタイトルな曲だが、歌い手はシャニースである。
海外の歌手を引っ張ってくる。『Eyes On Me』のフェイ・ウォンのようだが、この頃はこういうプロモーションがまだ功を奏していたのだ。


さて、本題に入るとすると、このシャニースの歌う名曲に、『If I Never Knew You』という、ディズニーアニメの『ポカホンタス』の曲がある。


名曲、『Colors of the Wind』の影に隠れてしまっているが、この曲は最高である。
(この頃のプロモのアニメを背景に映し出す演出が意外と好きだ)。

私はディズニーの90年代アニメの曲が大好きで、『美女と野獣』の『Beauty and the Beast』、『アラジン』の『A Whole New World』、『ムーラン』の『Reflection』、『ノートルダムの鐘』の『Someday』は死ぬほど聞いたものだ。いや、今も聞き続けている。
『ヘラクレス』のゴスペルタッチもいいし、最近だと『プリンセスと魔法のキス』のNe-Yoの『Never Knew I Needed』も素晴らしい。
何が言いたいのかと言うと、ディズニー映画の主題歌は素晴らしいということだが、私が真に言いたいのは、明らかに、『If I Never Knew You』の存在感が他と比べて低くね!?というところである。

『ポカホンタス』という映画自体も若干人気が低いような気もするが、そういえば、テレンス・マリック版『ポカホンタス』の『ニューワールド』は最高に美しい画面やったなぁ。

コリン・ファレルも最近再評価がすごいね。一時期やばかったね。

シャニースとジョン・セカダの歌うこの曲は、まさに、『もし君に出会わなかったら』というタイトルのようなことを歌っているが、まさに、人生とはそういうものなのである。
もし、あなたに出会わなかったら。君を識らなかったら。
きっと、私の人生はつまらないものだっただろう。いや、それにすら気づくことはなかっただろう。
それは、人だけではない。文学、映画、漫画、ゲーム、スポーツ、音楽、演劇、食事、様々なものを、もし識らなかったら。
きっと、世界というのは大きく大きく色を変えていただろう。いや、今ここに挙げた全てのものには、きっと人が関わっている。
誰しもが、貴方に、貴女に会えてよかったというものを心に持つはずだ。
この曲を聞くと、歌詞はよくわからないが、そのような思いが横溢するのである。

そうして、実は今の私もまた、実はまだその『貴方』に出会えていない状態なのかもしれない。そうであるのならば、いつか出会えるその『貴女』や『貴方』のことを、楽しみに待っていたいと思う。

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