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400年の受難劇、300年のおもちゃたち。

未だ嘗て、ヨーロッパに言ったことがない。

まずは遠いのと、それから高い、その2つが理由である。
ヨーロッパには行きたい国や街がたくさんあるけれども、なかなか行く機会に恵まれない。

ドイツにももちろん行きたいが、ドイツ、の中で、一番気になるのは、オーバーアマガウ、と、いう街で行われる、キリスト受難劇である。

まぁ、私のにわか仕込のしょうもない解説よりも、この記事や公式ホームページを読んでいただいた方が遥かにいいだろうから引用させて頂く。

この受難劇は17世紀から続いていて、しかも、10年に一度しか公演されないのだという。

舞台に参加するのは、オーバーアマガウの住人たちで、この街に生まれ育たなければ、参加することは出来ないそうだ。

私は、エルサレムに行きたかったのだが、然し、今の世界情勢ではそれは叶うことはない、つーか、金、ないし。

ではドイツはどうだろうか。前回、2020年に公演される予定だったオーバーアマガウは、コロナ禍の影響で順延されて、結果、2022年に公演されたのだという。
この、10年に一度の舞台劇は、感想を漁っても中々出てこない。次はいつ上演されるのだろうか、2030年?2032年?つまりは、貯金できる期間があるということだ(今調べたら次回は2030年だった)。

いや、今後の恐ろしい世界情勢の激変で、貯金したところで意味ないよー的な考えも過るが、そういう、マッド・マックス的世界を想像して備えていたとして、大抵はそのようにならず、ただ無駄に6年〜8年経過している、という展開が容易に想像できる。
そもそも、6年、だとしても、一月10,000円で積み立てていけば、72ヶ月なので、72万円も貯まる。30,000円ならば、200万円を超えるのである。それならば、普通に行けるだろう。

然し、それもしょうもないものを購入して露と消えるのがいつもの私。

この劇をメインとしたツアーも存在しているわけで、然し、ドイツ語がわからない……。加えて、前半2時間半、後半2時間半、計5時間の長丁場は確かにこたえるものがありそうだが、然し、本当に幻視してしまいそうな心境になりそうではある。

然し、私は『サタンタンゴ』も攻略したし、デンマークドラマ『キングダム』だって映画館で一気見できたじゃないか。そう思えば、きっといけるだろう。

いや、映画と舞台は比べ物にならないだろう。映画は配信だと一時停止できるし……。
然し、このように、村全体で、4世紀も文化が続いている、というのは、恐るべきことである。

と、いうか、なんか舞台の感じが、『ボーは恐れている』の中盤の劇の雰囲気と似ているんだよね。ああいう感じの、『ヘレディタリー』とかにも出てきたドールハウス的な美術大好き。軽井沢のエルツおもちゃ博物館にもあったような気がする。

映画は拷問だったな。
魔王誕生の美しいシーン、『ヘレディタリー』。やっぱりドイツ、といえば、ゲーテですから、『魔王』なんですね。その詩から聯想される父子相克が、オーストリアのシューベルトの『魔王』なんですな。

このエルツおもちゃ博物館は最高に愛らしいおもちゃがたくさん飾られているだけではなく、人も少なくて快適だった。私は、人混みが嫌いだし、映画館でも隣に座られると虫酸が走るほど嫌なので、本当に良かった。
そう、ここも、ドイツ、なのである。エルツはドイツの地方で、なんと、ここにあるおもちゃたちは、300年以上の歴史があるのだという。つまりは、オーバーアマガウの受難劇と、とてもとても近しいのではないか?

ドイツの森の幻想を、私は愛している。いや、ドイツ行ったことないから、どんな森かも識らんけど。


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