中莖あかりさんの作品について
2/1(水)より、新宿高島屋美術画廊にて、中莖あかりさんの個展が開催される。
中莖あかりさんは現代アーティストで、私が大変に尊敬する作家さんである。
私は、中莖さんの作品を初めて観たときに、完全に心を射抜かれて、そして、無礼を承知でコンタクトを取り、自分用の作品を制作頂いた。
中莖さんは東京藝術大学大学院の美術研究科彫刻専攻修了されており、私のような完全に絵心のない人間には天上の人である。
私は、両性具有を生涯のテーマにしていると、何度もこちらでも書いてきたのだが、中莖さんの創られる作品もまた、両性的である、いや、超性的である。そして、創られた少年的な少女、或いは、少女的な少年だろうか、それとも、別の何かの視線は、どこまでも遠くを見るようで、或いは、人間である自分たち、性に囚われる自分たちを冷笑するかのような眼差しである。
具象、というのは、圧倒的な存在感と、説得力を持って目の前に顕現される。例えば、私が両性具有に関しての妄想を千の言葉を書き連ねたところとて、それは具象に勝てないのである。
そして、中莖さんの作品は具象であると同時に抽象的である。抽象を具象化している、珍しい形である。
その肌色は、人間のそれとは異なっている。これは、ある種の天使の一つであるから、だからこその両性具有なのではないか。
髪色も、桃色や青色、それらは時には蝶々を髪飾りのように同化させながら、灰色の空間を自由に飛び交っている。
この2月には東京、5月には京都の高島屋でも個展を開催されるとのことで、是非興味がある方は実際の作品を観ていただきたい。
彫刻などは、実物の持つ説得力に本当に驚かされる。
そして、一番驚くのは、その静謐さであって、この彫像が部屋に置かれると、それだけで部屋が静まるのである。耳を澄まして、何かを聞いているようである。
そして、その目の覚めるような瞳の色は、月のように思えて、夜空が眼にあるように見えるのだ。