『スタジオジブリ物語』を読む
『スタジオジブリ物語』を読む。ドキュメンタリー本だ。
集英社新書から出ている。なかなかにボリューミーな本であり、540ページくらいある。
1週間かけてチマチマと読んだ。
私はジブリの書籍は好きなので、相当数読んでいるが、今作はジブリに成り立ちから各作品ごとの制作の歴史を淡々と書いている、いわば入門書のようなものである。なので、既知の情報が多く、新規情報はそんなになかったが、然し、逆にジブリ本をあまり読んでいない人には基礎知識としては非常に役立つ本である。
まぁ、これも最新作『君たちはどう生きるか』の販促の一環であろう。
1,760円もするが、まぁ、値段相応の知識を与えてくれる本である。
この本は基本スタジオジブリ責任編集のため、あまりジブリの問題点や制作上のトラブルなどは書かれていない。本当に、淡々と、事実を描いているのだろうが、然し、例えば『ハウルの動く城』の細田守降板に関しての話は、細田守側の言い分は結構棘があったと記憶している。この企画に賭けて、然し降板による失敗で方方から信頼を失ったと。
他にも、『ゲド戦記』などの顛末というか、あれも当時のインビテーションの鈴木敏夫インタビューを見ると、監督は宮崎吾朗だが、プロデューサーとしての鈴木敏夫が前に出過ぎで、鈴木敏夫の作品では?と思えたものだ。
他にも、傑作『ホーホケキョ!となりの山田くん』の配給会社に関しての騒動にも触れておらず、まぁ、この作品は1999年7月に公開されて、『スター・ウォーズ:エピソード1/ファントム・メナス』と闘い、完膚なきまでに敗けたわけだが、それも配給会社に変更に伴う色々があったのだ。
また、『猫の恩返し』が興行収入64億で2002年No.1ヒットと書いてあるが、同年は『ロード・オブ・ザ・リング』が92億円、『モンスターズ・インク』が94億円、『スター・ウォーズ/エピソード2』が95億円と、1位ではない。正確には邦画作品で№1ヒットと書くべきであり、そうでなければ間違った知識を人に与えてしまうので、特にお金を取っているのならば尚更である。
然し、非常に勉強になる本であり、ものすごく楽しめる本である。
ジブリファンにはマストな1冊だ。
私も、宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』がウルトラに楽しみで、今年のエンターテインメントの中では最上級に楽しみな1本。アイマックスで観る予定である。
現代日本最後の藝術家である宮崎駿の新作をまっさらな状態で観られる至福!いよいよ来週。超楽しみである。
ちなみに宮崎駿の本で枕辺において書き写したい本は以下の三冊である。
私は、宮崎駿が寝る間も惜しんで、いつか作りたい作品、『となりのトトロ』のイメージボードを描いていた話が本当に大好きである。