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フロロー判事とモズグス神父

最近、BOOK OFFにおもむき、なーんか車で聞くのにええCDはないかねと物色していると、ディズニーでは私が一番好きなアニメである、『ノートルダムの鐘』の日本語版サウンドトラックが330円で売っていたので購入。
最近は車に乗るときなどは、流しながら、
「お前を怪物だと〜♪(怪物ぅ〜♪)、憎みあざけり笑うぅ〜♪(怪物ぅ〜♪)」などと、一人上機嫌で運転しているのだが、まぁ、やはり、『ノートルダムの鐘』は傑作である。

原作は言わずとしれたヴィクトル・ユーゴーの『ノートルダム・ド・パリ』であり、今作はディズニファイされたことにより、相当マイルドにされつつも、やはりディズニー作品の中では相当に重厚感がある作品だ。

ディズニールネッサンスの後期に作られた作品で、『美女と野獣』や『アラジン』、『ムーラン』などの傑作群に並ぶに相応しい作品であり、まぁ、『ヘラクレス』も私はとても好きなのだが(あの、ゴスペルの楽曲がすごいいいよねー。あのヒロインのメガラなんて、工藤静香が声優で吹き替えていたが、なんであんな雰囲気が似ているのか、すごい話である。

で、『ノートルダムの鐘』は、やはり、アラン・メンケンの楽曲群が素晴らしくてテーマ曲は何度リフレインしても飽きない。
そしてそれを支えるのが日本語吹き替え版では劇団四季の俳優さんたちであり、石丸幹二である。まぁ、とても上手いので、聞いているだけ天上に連れて行かれるようで、幸福な思い。
そして、まぁ、ヴィランで人気投票したらまずは七武海の一角には食い込むであろうフロロー判事が今作のキーパーソンであり、主人公である。カジモド?ああ、美声だね。だから何だってんだい!

ちなみに、ヴィラン七武海は、ジャファー、アースラ、マレフィセント、ハデス、フロロー判事、白雪姫の魔女、そして個人的にはやっぱり『ムーラン』のシャン・ユーである。え!ガストンじゃないの、という声もあるだろが、ガストンはもはや四皇なみなので……。
私は、昔映画館で『ムーラン』を見たときに(今はなき、京極東宝の地下の映画館で観たのである)、あの雪崩のシーンの演出は最高だし、ムーシューってジーニーっと被ってね?とか思いながら、楽しませてもらったものである。

フロロー判事は司祭様であり、偉い方なのだが、いかんせん、全てが悪と罪に見える男、という、完全に常軌を逸した正義感にフルスロットルで突き進む、そのくせ美人には弱くツンデレかつ独占欲も強い、完全なるイカレ帽子屋なのであるが、このおっさんがいなければ、そもそも物語が成立しないため、やはり主役である。

やはり、神様へ愛を、忠誠を捧げた男と言うのは、危険極まりないものである。私は、こういう変態司教、変態神父を見ていると、やはり、モズグス様を思い出してならない。モズグス様は性欲方面は描かれなかったが、然し、あの礼拝は間違いなくマゾヒスティックな快楽を得ていたことは想像に難くないし、拷問も大好きなので、サディストの気もある。

誰よりも神のために戦う心の戦士。

やはり、『罪の炎』が今作の白眉であり、最高のシーンだと思われるが、どなたかも言及されていたが、この歌は1曲の中に天上への思い(カジモド)と地獄の恋慕(フロロー)という、恋愛の矛盾を歌いきった傑作であり、私もたまに歌っている。エスメラルダという一人のジプシーへの思いが、人間の恋愛感情の分裂が、この曲に込められている。
エスメラルダはディズニーのヒロインの中でも最高峰の美人に入ると思うのだが、彼女の歌う『GOD HELP』などもメロディーに、歌詞に、泣かせる曲であり、然し、完全に翻訳されると字余り、みたいになってしまい、プロが歌ってようやく違和感が消滅、いやそれでも違和感が残るという、とんでもないことになっていたが、まぁ、難しいものなのだ。

美人。フィーバスはモブ顔すぎていつも顔を思い出せない。

さて、私は劇団四季の『ノートルダムの鐘』も観劇したことがあるのだが、舞台版も良かったが、やはりアニメーション版が最高だ。
この映画に関しては、音楽、映像、そして人間ドラマと、100分くらいでよくこんだけの力作を仕上げたものである。
無論、甘い、ご都合主義、など、様々な批判はあれど、エスメラルダが美しいのは疑いようがない事実であり、なんせ、フロロー判事、カジモド、フィーバスと、男ども全員狂わせるわけで、恐ろしい人である。


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