『百木田家の古書暮らし』の新刊を読む
『百木田家の古書暮らし』の5巻を読む。
最早、別に古書店はほぼ関係なく、まぁ、三姉妹の恋愛模様が描かれるのみだ。古書に関しての言及は1割に満たないだろう。
そして、付属のペーパーに、三姉妹の恋愛模様もいよいよ終盤、みたいに書いてあったので、これは、恐らく、6巻乃至は7巻くらいで終了だろうか。
映像化しやすそうな長さ、そして3人の女優を上手いこと配置して売りに出しやすく、かつ、なんとなく古書&美女三姉妹、ということで、画面も映えるだろう。私はドラマ化に1000ガバス賭けよう。
そして、帯には既刊重版!と書かれている。私は1巻から購入しているが、そのときは、1冊しか棚にささっていなかった。
そう、漫画の1巻は大抵そんなものである。『鬼滅の刃』も1巻を買いに行ったら2冊くらいしかなかった。
それが続巻が出ていき、重版がかかると、いよいよ売れてきたのだな…!と嬉しくなり、それがアニメとか映像化されると、けっ!売れて天狗になりやがった!と興ざめして買わなくなる、私はそんな天邪鬼。
まぁ、作風、と、いうものがあるものだし、古書古書している漫画など、愛書家以外は読まないだろう。結句、恋愛は古書を圧倒するのだ。
ちなみに、私はあまり古書店に行かない。専らネットでばかり購入しているので、そこまで眼が肥えていないが、と、いうのも、あの、静かな、緊張感を強いる古書店の空気などがあまり好きではなく、できれば、クラシック音楽でもかけて欲しい、と思うのだが、静かな店舗が多い。
京都に、アスタルテ書房という古書店があるが、私はそこで何冊か本を購ったのだが、ここは、めちゃくちゃにセンスが良い本がズラリと並んでいて、まぁ、サロンのようである。
三島由紀夫、金子國義、澁澤龍彦、生田耕作、マンディアルグ……。
美しい装丁の幻想文学が並んでいて、幻想の屋敷そのものであるが、静かすぎて、私は常に緊張してしまう。
まず、そもそも、看板がないため、アスタルテ書房という古書店の存在を識らない限り、辿り着く可能性は皆無だろう。なにせ、マンションの2Fの一室であるから。
今年は、5月にみやこメッセで春の古書大即売会が開催されて、ちらっと覗きに行った。お客さんが多くて、皆真剣に本をさらっている。こういう場所で、私は、なかなかお目当ての本を探し出す能力に欠けており、会場をぐるぐる回って、まぁ、『HUNTER×HUNTER』のプーハットの言うところの、様子を伺っているだけの何がしたいのかわからない連中に属するのだろう……。
多くの人々は店からさっさと本を抜いている。私は、そこで気になる本があったが、結句買わなかったものがあって、それは少し後悔している。
やはり、本、というものは一期一会、なのである。なのであるが、最近はネットで調べるとすぐに出てくるので、稀覯本でない限りは大抵は買える。
8月にはまた下鴨納涼古本まつりが開催される。
この酷暑に外での古書展なので正気の沙汰ではないが、然し、ちょっと覗こうかな〜と思っている。
古書の世界は識れば識るほどに奥が深く、まぁ、海みたいなもので、まだ私は浅瀬で遊んでいるだけだ。
『百木田家の古書暮らし』は浅瀬どころか波打ち際なので、まぁ、多くの方におすすめできる。