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最近読んだ漫画の備忘録

6巻までで止めていた『健康で文化的な最低限度の生活』の7巻〜12巻を電子で読む。あー、ソファに寝転びながら漫画読める文明の利器はすごいなぁ。
然し、内容が内容である。1冊1冊中々濃ゆいが、すぐに読めてしまった。
7巻と8巻はシングルマザーの話だったが、この話は主人公が変わる。私は脇キャラクターが主役に変わる展開が好きなので、楽しく読ませてもらった。然し、内容が内容である……。
然し、ここまでコロナ禍にフィーチャーした漫画はなかなかないのではないか?まぁ題材が題材だけに避けられない展開だが……。
こういう、取材をベースに緻密にストーリーラインを組み立てて描いていく漫画というのは、ドライブ感のある漫画はそれはそれで好きだけど、やはり読んでいてその巧みさに唸らされるのである。

で、それから『ブルージャイアント・モメンタム』の2巻を読む。
もはや同じことを繰り返す作品と化していて、既に読むのが義務となっている。しかも、最後に今更なんかライバル感あるやつ出てきたぞ、と、まさかの既刊32巻目で妙竹林なトランペッターが現れる。しかも、次のページのボーナストラックで採用されるあたり、この男が本気で凄いのかギャグなのかわからん……。

それから『SANDA』の14巻である。
この漫画、初期の5巻くらいまではなかなか面白い設定で、テーマも好みだったのだが、そこから本当に行き当たりばったりの破綻展開で、それでも読ませてしまうのは作者の力量なのだろうが、然し、『健康で文化的な最低限度の生活』と比べると真逆のように思える。

下ネタも妙に生々しくて、やはり、14歳という少年と大人のあわいを描くにはサンタクロースというモティーフは無理がある気がする。14歳でサンタクロースを信じるのはなかなか難しいだろう。
なんか終わりそうだなー、と思っていたら、なんと明後日のチャンピオンで最終回らしい。全15巻かー。

『あかね噺』の12巻も読む。然し、こう、主人公が持ち上げられすぎるのもあまりおもしろくないなー、というか、ジャンプというフォーマットに落とし込まれた漫画は演出や設定がやはり画一的にならざるを得ないのだな……と思う。
かなり絵に救われている漫画に思えるなー。
その点、『ヒカルの碁』はジャンプというフォーマットに落とし込んで尚且つ強靭な物語運びをしているため、すごい漫画だなーと、再認識。共に変則的なものをテーマにしているが、ジャンプ的な類型である番付として、落語の階級はまぁわかりやすいよなと思う。やはり、落語漫画は圧倒的に『どうらく息子』が面白い(最後は夢六受難の繰り返しだが)。

他には『ヴィンランド・サガ』の28巻を読む。
徹底的な非暴力と、暴力を望むものとの衝突は人類永遠のテーマだが、まぁ、やはり、先住民でもそういう好戦的な人種はいるものだろう。
然し、この漫画ももう20年近く続いているが、いつまで続くのだろうか。『ヴィンランド・サガ』は、7巻とか14巻とか、偶に神巻と言ってもいい巻が現れるが、今までの積み重ねが大事なタイプの漫画である。丁寧に丁寧に積み上げていく。この巻はまだ積み上げている途中。2030年くらいまでには終わるかな。でもそれまでに出ても35巻とか36巻くらいか。

また、私が今、一番推している漫画の『劇光仮面』の5巻。無論、既に読んでいる。
まぁ、傑作だ。とにかく読んで欲しい。今回の引きもいい。ベーアサーダ、阿部定かー。

で、『ヒストリエ』の12巻。

この漫画も同じく20年くらいやっている。3年〜5年に1冊しか刊行されない。すごい漫画だが、まぁ、今作は、もう、フィリッポスがパウサニアスに暗殺されて、そこからアレキサンダーがパウサニアスを一刀両断にする、このシーンの演出、これは神憑っている。『寄生獣』の8巻が演出のピークに思えるが、これもそれに相当するほど、凄いシーンだ。それからラストも泣けるね。私もね、旅に出たいな。旅へ…。


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