アクションプランの解像度を高める裏技
解像度の低いアクションプランを改善するには?
組織に所属するかぎり目標管理(MBO)は避けては通れないもの。
そこで作成される目標設定は解像度の低いアクションプランがよくあります。上司は部下に対してもっと具体的に書けと指摘し修正させることになります。 アクションプランの解像度を自然に高められる裏技をご紹介します。
マネージャーの方はぜひ参考になさってください。
アクションプランの解像度をあげ、行動につながる3つのルール
【手段】と【目的】を分けて書く
手段(xxxして)の箇所には【禁句ワード】を入れさせない
自分が手段を実施している姿がイメージできるか確認させる。
以下3つのルールの詳細を説明します。
ルール1 手段と目的を分けて書く。EMSフレームワーク
目標設定では、手段と目的を分けて書くために以下のEMS(手段目的構造化)フレームワークを活用します。EMSフレームワークとは、元ナムコの中村隆之さんがゲーム開発のアイディア出しのフレームとして開発したものです。
敵を倒して、レベルを上げる ゲーム
パズルを解いて、スコアを稼ぐ ゲーム
このフレームワークを目標設定、アクションプランの設定に活用します。目的と手段をセットで定義することで、目的達成のために、柔軟な手段やアイディアを自ら定義できるようになります。
営業部門を想定した目標設定、アクションプランをEMSで作成した例を示します。
顧客データベースを毎月更新して(手段)、顧客のニーズに合わせたパーソナライズされた提案を増やす(目的)。
新しいCRMソフトウェアを導入して(手段)、営業チームのリード管理効率を30%向上させる(目的)。
週一で営業スキルトレーニングを実施して(手段)、営業成約件数を月間で20%増加させる(目的)。
営業プロセスを効率化して(手段)、残業時間を20%削減させる(目的)
ルール2 禁句ワードを指定して抽象ワードを手段から排除する。
アクションプランの解像度をあげるために、禁句ワードを指定して、その単語をEMSフレームワークの手段の項目での利用を禁止とします。
禁句ワードがあった場合の対処方法
例 「営業プロセスを効率化をして、残業時間を20%削減する」
手段の欄に「効率化」は禁句ワードになります。この「効率化」を使わない文書に変換します。
「セールスチームにタブレットを配布して、訪問先での即時データ入力を可能にし(手段)、残業時間を20%削減する(目的)。
アクションプランや目標設定の時点でこの具体的なアクションが思い浮かばない人は、作業の段取りのイメージができてないので、成果は出せません。
何も考えが浮かばない方はchatGPTをはじめとした生成型AIから具体的な施策を列挙して、自分が実現できそうなアクションアイテムを入れることも可能です。
ルール3 手段を実施している姿がイメージできるか確認
EMSフレームワーク、禁句ワードの適用されたアクションプランを見て、最終的に作業イメージが持てるかどうかを評価します。イメージできるならそれで完了です。もし具体的なイメージを持てないなら、禁句ワードが含まれてなくてもそこの解像度を高めるために表現を変えるべきでしょう。
EMSフレームワークで表記し、禁句ワードを修正したアクションアイテムを以下の通りとします。
「セールスチームにタブレットを配布して、訪問先での即時データ入力を可能にし、残業時間を20%削減する。」
ここでは「残業時間を20%削減する」のイメージが持てなかったので、残業削減につながるサブタスクに分解して小さな目標に設定しなおします。
修正後
残業時間を20%削減する
修正後
営業報告書の作成時間を半減させる。
以上のように、このシンプルな3つのルールを社員の目標設定に取り入れることで、社員の段取り力があがり、解像度が高いプランが作られて、目標の達成度が高まります。
目標管理をする上司やリーダーの方は参考にしてください。
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