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やさしいキャッチボール

恋人のことを困らせた。

「一人に戻った方がいいかもしれない」
冗談でもパートナーから聞きたくない、そんな言葉をこれまで数回言葉にしてしまった。

「苦しいんだ」

私がそう言ったとき、

「俺がいるから?」

こう返ってきたとき、涙が出た。
最近は泣いてなかったのに。

また気持ちも言葉も大切に出来ていないと気付く。

心の調子を崩したあの夏、
その毎日は薄暗くて低気圧の雨の日のようだった。

そんな毎日を側でどれだけ支えてくれたか、
元気になった私は少し忘れてしまっていたのかもしれない。大反省。

「ごめんね、強くなるから」

ぼろぼろの気持ちで伝えたとき、

「強くなんてならなくていいよ、そのままでいいんだよ」

と目を見ながら、
なんの戸惑いも、嘘もない声と表情で伝えてくれた。

読む人にしたら何てことない
ただの文字の羅列かもしれないけれど、
そのとき私は大粒の涙が溢れたのを覚えてる。
苦しいという感情以外の涙が流れたのが久しぶりだったなぁ。

心が弱ってしまったことを申し訳なく思って、
一緒にいることに引け目を感じてしまっていた。

だから私は離れる勇気も携えていたし、
それを伝えていた。
彼にも選択肢を持っておいてほしかったから。

時は流れ、その夏からもうすぐ一年。

私たちは一緒にいる。

砂利道で転んだり擦りむいたりしたけど、
上手な歩き方をマスターしたような、

砂利道の脇にも
可愛い草花が咲いていることに気づいたような、

そんな気分です。
例えがうまくないですね。(笑)

今日も帰れば彼がお家に居ること、
「おかえり~!」って玄関まで来てくれること。

目を閉じて、ゆっくり考えてみる。
そうすると、いろんな場面が思い浮かんでくるんです。

言葉とか行動って
なかなか(物理的に)とっておけないから、
上書き保存のようになってしまう。
大事に覚えておきたかったあの言葉やあの言葉も、
忘れてしまうことだってある。

きっと私たちは日常の中で知らずのうちに
やさしいボールをもらっている。

だから自分も目の前にいる相手に、
普段は遠くにいるその人に、
やさしいボールを渡せるように。

そして、自分にもやさしいボールを
ちゃんと分けてあげられるようにね。

やさしさのキャッチボール

今日もおつかれさまです。
頑張った自分を抱きしめる木曜日にしましょう。
愛を込めてやさしいハグを!


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