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「言葉にする」と「言語化する」の違い
翻訳者として仕事をしてきた中で、適切な「言葉」を選ぶ経験を人よりたくさん積んできたと思う。その経験は、翻訳の仕事をする時だけでなく、こうやって文章を書くときでも、コーチングやマヤ暦セッションのサービスを提供するときでも、そして日常においても役立つ場面が多い。
いろんな人と話をしていると、「言葉にするのが苦手」「言語化が苦手」という声をよく聞く。私の中では、「言葉にする」と「言語化する」は違うものだと捉えていたのだが、どうなのだろうか?
同じなのか?
「言葉にする」と「言語化する」を、できない時(と思う時)で考えてみると、分かりやすくなる。
言葉にできない
嬉しすぎて、驚きすぎて、言葉では表現できない、表現する言葉が見つからない。気持ちができなくしている。この場合に、能力がないという意味は含まれておらず、どんなに言語化に自信がある人でも、ただただ圧倒されて言葉にならないこともある。
言語化ができない
スキルが足りない(と思っている)場合が多い。言葉の引き出しが少ない。インプットがSNSやネット情報だけになっていると、なりやすい。読書や新聞など多種多様な文章に触れることが大事。
「言葉にする」と「言語化する」の繋がり
こうやって、できない時(と思う時)で考えてみると、違うことがよくわかる。違いを知って分けることができたら、今度はその2つの繋がりを見ていく。その繋がりを無視していると、言語化はなかなかできるようにならない。
自分の思いを言葉にしてから
日記を書くことで、日々の自分の感情や思いに気づき、言葉にする練習ができる。家族や仲良しの友達と会話することで、気兼ねなく、自分の思いを言葉にしていく。頭の中で考えているだけではなく、言葉にして出してみることで初めて気づくことも多い。
この練習をあまりやっていないのに、いきなり「言語化ができるようになりたい」と言う人がいるが、それは難しいと思う。
相手に伝わる言葉にする
「自分の思いを言葉にする」という土台があって、その上に、相手に伝わりやすい言葉選びや、テクニックのようなものがあるといい。その技術を磨くには、いろんな人と会話をすることがお勧めだ。家族や仲良しの人とばかり話をしていると、「なんとなく」伝わってしまう。日々の会話の場合は、それでいいのだけど、いざ、仕事や何かで多くの人に伝わる言葉にしたい時、「伝わる言葉にできない」つまり、「言語化できない」という問題に直面する。
日頃から意識して、いろんな人と会話をする。いろんな話題やテーマでアウトプットすることで、伝わる言葉にする技術は磨かれていく。
本を読んでアウトプット
例えば、私は本を読むのが好きなので、読んだら必ずアウトプットするようにしている。いろんなジャンルの本を読んで、本のあらすじや、感想、新しく得た知識などを文章にする。スタンドFMで話すのも、とてもいいアウトプットになっている。
「相手」が誰なのかを知る
「言語化する」には、テクニックが必要であるというのは、相手が関係してくるからでもある。日記を書くなど「言葉にする」場合は、読む人が誰かを考えずに書くことができるから、練習としてとてもいい。
人に伝わりやすいように「言語化する」場合には、「相手」が誰なのかを知ることも大事。誰に伝えたいのかが決まっていなければ、結局、誰にも伝わらないものになってしまう。ともすれば、自己満足にもなってしまいかねない。
発信した内容に対して、適切なフィードバックがあれば、なおよい。しかし、SNSなどの発信を例にとると、「いいね」の数だけでは伝わっているかどうかは判断しにくい。コメントがあれば、分かりやすいかもしれないが、何かを感じたとしてもコメントしない人もいる。
まとめ
「言語化できるようになりたい」と思う人は、5分でもいいから、日記を書くとかノートにメモするなど、言葉にする練習をしてほしい。発信ばかりに気を取られていると、大事なステップを飛び越しているから、必ず壁にぶつかる。これを読んでも、一人ではなかなか難しそうだと感じるなら、言語化コーチングやマヤ暦セッションのサービスもあるので、気軽にメッセージをください。