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デザインチームをつくるということ  最終回:クリエイティブチームとしてのデザイン

こんにちは!CreativeDirectorの森下晶代(Akiyo Morishita)です。
先日無事出航と申し上げましたが、ここからはそこまでの準備を数回にわけてお伝えしていこうかなと思います。クリエイティブチーム始動と宣言したのに、デザインチームって書いてある?と思った方もいるかもしれないですね。そうなのです、クリエイティブチームを動かしていくにあたって、最初にはじめたのがデザインチームをつくることだったのです。これがなかなか興味深かったので、何が起きていたか記録に残していこうと思います。

第一回:デザインのケイパビリティってなんだろう? 
第二回:できることは?やるべきことは?そして、やりたいことは?
第三回:チームで活動するということ ←今日はココ
最終回:クリエイティブチームとしてのデザイン←今日はココ

第一回:https://note.com/build_service/n/n1a019409c855
第二回:https://note.com/build_service/n/ne75c76b0713d
第三回:https://note.com/build_service/n/n3eb5ee4ad413
はこちら。


あっという間に最終回。といってもスタート地点にたつまでの記録(笑)色々なプロジェクトを日々実践していますが、この構想のフェーズ、とても大事だと思っています。一般的なプロジェクトだったら、3か月とか半年とか期間もボリュームも見えていることが多いですが、組織となると期間もボリュームもそれこそ自分たちが定義していかないといけない。そうなったときに、チームの意義とか価値とかそういうものがやはり大事になってくると思っています。なので、これからどうしていくのか?という今だからこそ、立ち返ることのできるものとして記録をしてみました。最終回は3回分の組織への偏愛記録の総集編。私たちが手を動かすことの意味を考えてみます。

・クリエイティブチームのなかのデザインの意味

Buildサービスチームという組織はいわゆるデザイン部門ではなく、事業部門。少しカッコつけて言うと、クリエイティブな仕事をする事業部門で、新規事業の創出をデザインやアジャイル開発などで伴走したり、組織そのものの変革をおこなったりする事業をしています。つまり、私たちのゴールはデザインに限らずにクリエイティブに何かを作っていくことで社会をアップデートすること。その中で、デザインをアウトプットするときに、やはりチームで活動するということがたくさんの効力を発揮してくれるので、デザインチームを大切に育てています。そんな組織にいる私たちの考えるデザイナーそしてデザインの価値についてもう少しお伝えしていこうと思います。

まず絶対言えること。デザインは社会をアップデートしていくのに不可欠なものです。デザイナー絶対必要!と自ら言い切ります(笑)デザインという学問がそうなのだと思いますが、こんなにも試行錯誤をするということが明確に必要とされている活動は他にないと思います。正しい答えを最短で出すのではなく、答えにたどり着く道を探し、答えも作り出すということをやる分野、そんなに多くないはずです。インベンションとイノベーションの間くらいというのが私の感覚で、ゼロないし、新しい組み合わせのどちらも使って、未来をつくっていくのがデザインであると思っています。よくわからないに対峙し、新しいものを定義し、それを使ってみたいと思わせるところまでがデザインの活動なのでいわば探索係です。

そしてもう一つ、デザインが果たす大事な役割が、組織やプロジェクトの状態を可視化し、つなげていく触媒としての存在となれることです。これは、ユーザーのことを考えてアウトプットをしていくのがデザインの行為そのものだからということが大きいのかなと思います。社会に提供するものを継続的に提供するためにビジネスを考えるビジネス部門や、滞りなく使えるように品質を保証しつくりあげるエンジニアリング部門に対し、デザインはユーザーのことを考え続け価値を提供する(むしろ考え続けないといけない)というミッション。ユーザーのこと、社会のことを考え続けないといけない性質があるからこそ、企業としてのビジネスや実現可能性のバランスをとる必要に気づくことができる。結果、各部門のバランスをとる触媒的な存在になれるのだと思っています。

探索と触媒。一見すると矛盾した価値をデザインは持ち合わせていると思います。勝手に突き進んだかとおもえば、メンバーの意見を聞きまくるなんて行動を日常的にしているのかもしれません。何考えているかわからないといわれることがあるのも、このあたりなのかもしれない(笑)と今更思いながら、これこそクリエイティブチームでのデザインの価値であり、存在する意味だと思います。



・クリエイティブとデザインの未来

デジタルビジネスにおけるデザインって何なのだろう、そしてそのチームってどんなものだろうとずっと考えてきました。私たちのチームのクリエイティブを新しい未来を創造すること、そしてその創造によって社会をアップデートすることと定義したときに、デザインはクリエイティブの中の部分であり全体であると言えると思います。探索活動や、ディティールを作りこんでいく部分としての役割と、各活動をつなぎ合わせる触媒的な全体としての役割どちらも担っているからです。
では、そんな部分と全体どちらも担う私たちはどうあったらよいのかと考えたとき、ひとつは変化し続けることなんだろうと思います。テクノロジーの加速によってものすごいスピードで社会は変化しているのと反するように、人という視点でみると人それ自体はあまり変わっていない気がしています。なので、この差をどう埋めて、より幸せな未来をつくっていくのか?という問いがこれからの私たちへの問いであったときに、この問いに答えるためには私たち自身が「変化し続けていく」ことが必要だと思っています。私自身もちろん働く環境を変えたので変化したのは言うまでもないのですが、4月に来たときと今とで今私がいる環境も4月には想像できないくらいに変わっています。慣れるという言葉がないくらいに変わることを良いとしているという感じです。何が起こるかわからないけど、ならば自分たちで変えてしまおうくらいの気持ちで変化しつづけていく私たちでありたいなと思います。
もうひとつは、人は言うほど変わってないというところを突き詰めていきたいということです。どれだけテクノロジーが進化しても、人の能力自体がものすごく変わっているわけではないので、どうしたらテクノロジーの恩恵を受けながら、心地よく生活していけるのかに目を向けていきたいと思います。よくわからないものがなくてはならない(テクノロジーの説明はできないが必要不可欠である)社会というのは、裏を返せばとてもストレスのたまる社会でもあると思っていて、そのストレスを減らしていくのもデザインの力なのかなと。テクノロジーと人の間に入り込んで良い関係を築く第一人者でありたいと思います。


まさか自分がこの場所でこの記事を書くとは思っていなかった1年前くらいに、このチームに出会ってから今日までを振り返ると、本当にたくさんの人と関わって、色々な議論を重ね、無事チームとして動き出し、そして今があります。ひとつ動くと、課題は10個くらい見つかってさぁどうしようというのも現実。そんな中ですが、変化することを楽しみ、自分たちも社会と一緒に成長できたらいいなというのが正直な気持ちです。答えはチームメンバーと自分が持っているはずなので、これからの活動をまずは楽しんでいこうと思います。
世の中可能性しかない。
デザインを志してからずっと大事にしている言葉です。ほんとその通り!を体感した4月からこれまで。これからもどうぞよろしくお願いします。