ここは本当は外国人お笑い芸人養成所?
私が住む大阪は、言わずと知れた日本屈指のお笑いの街です。
一般人でも笑いに対する評価は厳しい気がします。
私も来たばかりのころは同級生から「はい、今の話、おもんない(面白くない)!やり直し」と言われたり、ツッコミのタイミングを間違うと袋叩きに遭いました。笑
今では普通に話を聞いているだけでも「オチ」がないと落ち着かなくなっています(侵されすぎ)。自身の面白さはまだまだなんですけどね。
そんな大阪にある我が日本語学校。
他府県から来ている先生が多い(常勤は一人を除き全員大阪府外)ですが、そもそも皆さん話をするのが仕事というのもあって、面白いです。これはこの春から勤務されている関東からやって来た先生も仰っていました(先生のご出身自体は広島だそう)。
そんな人たちの集まりだからか、
学生が自分で作る例文が面白くないと却下されるという謎の風習が最近できつつあります。
もちろんレベルによってできることは違いますし、基本的な使い方ができてからの話ですが、
私も含め、他の先生も
「うーーーーん、この文章はとてもきれいでいいんですが、もっと面白くならない?」
この一言を言ってしまう。笑
そして、クラスの裏の目標が「面白い奴を量産する」になりつつあるクラスがいくつか存在します。
おかげで学生は必死です。正しい文章で先生を笑わせなければならない。ちゃんと日本人が感覚としてわかる笑いを届けなければならない。
想像力と説明力が必要です。
もちろん、同じクラスにいてもレベルには多少のばらつきがあるし、持って生まれたセンスや性格もあるので、全員に「面白くして」とは言いません。でも勝手に面白くなっていく人が多い。
母語でもそのようなタイプもいれば、何かをつかんで面白い発言をするようになる学生もいます。来日直後は普通だったのに、爆発する子もいます。
例えば、今日一番笑いをかっさらった話。
「~ようともしない」という文型の、
「夫は家にいても寝てばかりで、__________ともしない」
という練習問題に対して、
「夫は家にいても寝てばかりで、家事を手伝おうともしない」
「ご飯を食べようともしない(←眠り姫並みに寝てる!?)」
「子供の世話をしようともしない」
うん、あるある。
「夫は家にいても寝てばかりで、子どもを作ろうともしない」
温度差!(笑)夫婦間の事情が赤裸々すぎるけど、なんか日本語教育で触れてもいいラインのギリギリをついている気もするけど、、、みんな爆笑。奥さん頑張れー!
他にも誤文だけど笑わせてくれた例文
「妻は出産しようともしないで、遊んでばかりしている(なんか陣痛を我慢しながら遊んでいる図が浮かんでしまって笑った。)」
しかし、まだみんな若いはずなのに、なぜ子作り、妊娠・出産がテーマなの!?笑
日本人が言っても面白くないけど、日本語を勉強しているという立場だから生きるこの発言。
職員室でも他の先生の爆笑をかっさらいました。(うちの職場は担当クラスで今日誰が面白い発言をしたか報告会のようになることがよくあります)
昨日の記事ともちょっとかぶってしまいましたが、
もし、留学先によって性格というかその人の個性が変わるのだったら、うちの学校は、たぶん日本語学校と名乗るのをやめて外国人芸人養成所と言った方が近いのではと最近本気で思う。