「先生、一緒に逃げよう?」
こんばんは。日本語教師knkです。
タイトルが何か先生と生徒の禁断の恋みたいになっていますが(笑)、至って健全ですのでご安心ください。笑
学校で働くと言うことは、親御さんから大事なご子息ご令嬢をお預かりしているという意識が常に私にはあります。
特に日本語学校にいるのは遠く離れた外国からやってきた子たちです。ご両親の心配は如何程のことか。特に今のこの国では。
そんな中、去年のベトナム人の卒業生が連絡をくれました。
マジメで、人当たりが良くて、自分の意見をきちんと言える学生でした。
彼は大学が春休みなのもあり、来週避難のために国に帰るそう。
うん、それがいい。
と言ったら、
「先生、日本の政府の対応は遅すぎる。これから2週間後多分大変なことになる。」
うん、うん。それが日本としか言えないこっちが辛い。私も納得してないことが多いよ。
「そして今から対応してももう遅いよ」
うん、うん。彼の意見が突き刺さる。正論すぎて何も言えない。
そして、
「先生、危ないからいっしょにベトナムに逃げよう?」
彼らしい一言。
ベトナムは旧正月の休みの延長としてかなり前から学校は休校しており、その間、両親が共働きの家は近所のおばあちゃんが子供たちを見たりして封じ込めを行なっている、と在校生が教えてくれて知っていました。
何よりも守るべきものは命、経済は命あってこそ、それが染み付いている。
でも、
「ありがとう。逃げられるなら逃げたい。でも、今日本人をすぐに受け入れてくれる国はどこだろう?そして、私にも家族がいるから。家族を置いてはいけない。」
「もし私1人がどこかへ逃げて、その時家族の誰かが感染しても、日本に帰ることができなかったら、多分私は後悔する」
「自分で自分の身を守りながら私はここにいるしかない」
と伝えました。学生たちのご両親が心配するように、私も私の家族は心配です。未婚の子なしですが、祖父母も両親もまだ元気です。10ヶ月の甥っ子可愛いです。
「そうか。たしかに」と言って彼とのやりとりは終わりましたが、
やっぱり学生といえど大人、自分の身と家族を守るための決断は日本の政府より鋭くて早いなと思いました。
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