果物は太る?血糖値の上がり方や適量を管理栄養士が解説
こんにちは、BuddyNuts管理栄養士の広瀬です。
「野菜を食べよう」というのはダイエットや生活習慣病予防の定石ですが、「では果物は?」と問われるとイメージはそれぞれかと思います。
ちなみに厚生労働省や農林水産省では果物の摂取目標量を1日あたり200gとしていますが、令和4年国民健康・栄養調査によると、40代男性では34.9g、40代女性では49.4gしか果実類を食べていません。最も摂取量が多い80代以上女性でも、155.8gでした。
しかし、「果物は本当に食べた方がいいの?」と疑問にも思いますよね。
そこで今回のメルマガでは、果物にまつわる疑問についてお話ししたいと思います。
果物を食べると血糖値は上がるの?上がらないの?
果物に含まれる糖質の中で、「果糖」はほとんど血糖値を上げません。
しかし、同じく果物に含まれるブドウ糖は血糖値を上げます(血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を指すため)。
つまり、「果物を食べると血糖値は上がるけれど、適量であれば、上がり方はそこまで大きくない。」というのがアンサーです。
では、果物はどの程度血糖値を上げるかをみていきましょう。
ブドウ糖の血糖値の上がり方(GI値)を100とした時に、各食品の血糖値の上がり方を調べた研究があります*。一例を挙げます。
糖質を多く含む食品は、そうでない食品よりも血糖値は上がりやすくなります。
果物類は、おおむね50前後という血糖値の上がりのようです。
よって、果物類はご飯やパンよりは血糖値が上がりにくいけれど、それなりには上がります。
ただ、GI値で比べると果物は麺類と同等ですが、1回あたりに食べる量で考えると、果物の糖質は麺類よりもずっと少ないため、血糖値の上がりは小さいです。
(たとえば、りんご半分あたりの糖質が約17gなのに対し、うどんひと玉の糖質は約50gもあります)
また、果糖は血糖値は上げませんが、とりすぎると中性脂肪を上げるます。
このように、もろもろを勘案して、「果物を食べるときには適量を」ということですね。
果物をとるメリットは?
果物の摂取により、動脈硬化性疾患や生活習慣病、認知機能低下の予防に有効であることが多くの研究で報告されています。果物は種類によって差があるものの、抗酸化作用をもつビタミンCや、カリウムなどのミネラル、鮮やかな色素にはポリフェノールを含むためです。
また、加工せずとも甘いため、食事のデザートがわりにはもちろん、砂糖を含むお菓子やジュースとの置き換えで食べるのがおすすめです。ブルーベリーやいちごなど、丸ごと食べられる果物は、手軽な上に色素を多く摂取できますよ。
果物はどのくらい食べたらいい?
栄養相談の中で「果物の食べすぎに気をつけましょうね」と話す場面は、実はそこまで多くありません。
冒頭でお伝えしたように私たちの平均の果物摂取量は、目標とされる量に全然届いていません。
果物の1日摂取目安量は、片手〜両手のひらにのるくらいのサイズです。
生の果物が難しい場合には、砂糖を添加していないドライフルーツもおすすめです。
ただ、果物の「適量」が難しい理由のひとつに、「早く食べないと腐ってしまう」というところがあります。
実は私も妊娠中、ダンボールで桃をいただいき、腐らないようにせっせと食べた結果、体重が増えすぎたことがあります(笑)。
産地にお住まいだとなかなか難しいこともありますが、「箱や大袋で買わずに、数日以内に食べ切れる分だけ買う」、「たくさんもらった際は、思い切って誰かにお裾分けをする」などができるといいですね。
これから秋に向けて、美味しい果物が出回ります。ぜひ、これまで果物を食べていなかった方も、食べやすいものを少しずつでも始めてみてはいかがでしょうか。