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ソ教連の災害支援 #1-DWAS-JAPAN 能登半島コミュニティサポートワークキャンプってなんだ?~第1~3期活動紹介を添えて~
こんにちは、あるいはこんばんは。なかです。
前回災害についてnoteを投稿してから早1か月ほど、時がたつのは早いものでもう11月です。
前回はこんな記事を書かせて頂いてました。
今回は『DWAS-JAPAN 能登半島コミュニティサポートワークキャンプ』についてご紹介です!
DWAS-JAPAN 能登半島コミュニティサポートワークキャンプ って何?
本企画の堅めな説明はこちら↓
日本ソーシャルワーク教育学校連盟が主催・コーディネーターとして開催している、被災地での学生ボランティア活動です。
本連盟災害対応部会(部会長 山本 克彦氏(ソ教連会長補佐・日本福祉大学))が中心となり、被災地域のソ教連会員校や災害支援経験を有するソ教連会員校教員と密な連携を図り、現地での活動や滞在環境のコーディネートを行ったのち、ソ教連およびソ教連会員校のボランティア募集の呼びかけに応じ参加した学生が、学校の垣根を越えて合同で現地での支援活動を展開するしくみです。
特定の地域や活動にこだわることなく、被災地域のソ教連会員校、地域住民の方々のニーズに丁寧に寄り添い、被災地のニーズを最優先に活動内容を決定し、柔軟な活動を実施しています。
簡単にまとめますと、
「被災地のために何かしたい!」という学生のみなさん
「被災地の力になるぞ!」と頑張る被災地域のソ教連会員校
「被災地で活動する学生を応援したい!」という企業や団体、個人の方
「力を貸してほしい!」という地域住民の皆様
これらの方々をつなげ、実際に被災地での活動を行っていくお手伝いをソ教連がそっとさせていただく、という企画です。
企画や現地での活動等に関する細かな調整はソ教連の災害対応部会が、事務や資機材などの準備等をソ教連事務局が行っています。
蛇足ですが、なかは本年度の災害支援関係の担当として、現地に入り学生の皆さんの活動のアシストを行ったりしてきました。
その前にそもそも、DWASってなんだ
そもそもDWASとは?という方はぜひこちらをどうぞ
※ちなみにDWAS(ディーワス)はDisaster Welfare Assistance Studentの略、災害時の福祉支援に取り組む学生たちという意味です。
くどいけど再掲です。知っとるわ!という方はお読み流しください。
第1~3期活動ってこんな感じ
ではさっそく実際の活動についてご紹介していきたいと思います。
実績についてはこんな感じです。
以下は3~5月実施分です。追って10月、11月の活動もnoteにUPします!
◆第1期
活動日:2024年3月21日(木)~29日(金) (9日間)
活動人数:21名(期間中合計) (内訳:DWAS-JAPAN 7名/立命館大学 8名/DWAS-SAITAMA(立正大学・埼玉県立大学・聖学院大学)6名)
活動場所:輪島市町野町(マチノマチ)地区
活動内容:被災家屋からの家財の取り出し、破損した家財や家電の運搬
◆第2期
活動日:2024年4月26日(金)~29日(月)(3日間)
活動人数:22名(期間中合計)(内訳:DWAS-JAPAN 3名/佐久大学 8名/北九州市立大学 4名/北陸学院大学 2名/武蔵野大学 5名)
活動場所:輪島市町野町(マチノマチ)地区
活動内容:被災家屋からの家財の取り出し、破損した家財や家電の運搬
◆第3期
活動日:2024年4月30日(火)~5月6日(月)(7日間)
活動人数:33名(期間中合計)(内訳:北陸学院大学 9名/DWAS-JAPAN 3名/高崎健康福祉大学 7名/立正大学 8名/DWAS-SAITAMA(立正大学・埼玉県立大学・聖学院大学)6名)
活動場所:能登町社会福祉協議会 他
活動内容:ニーズ聞き取り、被災家屋からの家財の取り出し、破損した家財や家電の運搬
と、文字で見るとフーンって感じですよね。イメージが湧きにくいかと思いますのでちょっと写真を交えてご紹介。
活動の流れってこんな感じ
前日夜または当日早朝に集合して現地へ
その時々の期や出発地点によりさまざまですが、参加者の皆様に前日に宿泊場所提供のご協力をいただいている北陸学院大学(ソ教連会員校、被災地に一番近い会員校です!)に集合いただき、次の日の早朝に最寄りの新幹線駅でさらに参加者をピックアップし活動拠点に向けて出発する、というパターンが多かったです。活動は前日から始まっている…!
被災地支援や災害ボランティアは、行く人だけではなく「行く人たちを支える人」もすごく大切な存在。北陸学院大学の宿泊拠点のご紹介も追って記事にできたらと思っています。
災害ボランティアの朝は早い!
ボランティア活動をする場所に9時ごろを目途に到着し活動開始することが多いため、起床は6時台。朝食を食べ身支度をすませ、荷物をサッとまとめて、活動開始前のミーティングを行います。
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ミーティングではその日の予定や活動内容、注意点を共有します。
こちらの写真の活動時期は4月末、地震の被害に遭われた住宅の片づけのお手伝いであることと、気温が高めの時期だったため比較的軽装です。
実際にはこの服装に+して、ヘルメットやマスク、手袋や長靴といった装備をつけて活動に入ります。
休憩をこまめに取りながら活動!
ミーティング後、活動にお邪魔するお宅やエリアに到着しましたら、家主さんにご挨拶をして活動開始です。
家主さんのご意見やご意向、お話をお伺いしながら、家財一つ一つを丁寧に運び出したり、お掃除をお手伝いしていきます。
ただ物を片付けるだけではないのが災害ボランティア。被災された家主さんや住民の皆様がお話下さる、これまでの生活のことや被災体験、困っておられること等をお伺いするのも大切な役割です。
気負って聞き出す!とかではなく、お話しくださった際には手を止め、お話をお聞きする、というイメージですね。
さっき会ったばかりの家主さんや住民の皆様とお話しされている様子をそこかしこで見かけました。
こうした交流が生まれるのも、学生に声をかけてくださる家主さんや住民の皆様のお心遣いあってのこと。学生の皆さんからは「活動中に声かけていただいてとてもうれしかった」との声が聞かれていました。
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当時はこのような道路状況でした
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破損した家財の運搬をお手伝いしているところです
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鮮やかな色にしているのは、薄暗い家屋や夕暮れ時でも目立つように。安全対策の一環です。
白いところに学校名を書いていただき、
別途シールに名前を書いてもらって衣服に貼って活動します。
ニュース映像①【公式】テレビ金沢「【地震から4か月】全国から集う学生ボランティア 心に寄り添う活動で…」(2024年5月10日放送)
ニュース映像②【公式】テレビ金沢【専門家が見る被災地の課題】「在宅避難者に一層の目配りを」(2024年5月10日放送)
・前半はニュース映像①と同じ日の活動の紹介です。
・4分頃から仮設避難所の様子や支援の課題について紹介されています。より詳しく避難生活のことや支援の課題について知りたい方はこちらの動画の後半をチェック!
活動の様子を取材頂いておりました!
更に活動のリアルなところが分かりやすいです。ぜひどうぞ。
活動後はお風呂&歓談タイム
学生の皆さんは体力ばっちりなので長く活動ができますが、家主や地域の皆さんはご高齢の方も多く、仮設住宅から通いながら片づけをされている方もいらっしゃる(=帰宅に時間がかかる)ため、15時頃を目途に活動を終了することが多かったです。
終了後は近隣の仮設のお風呂(他の支援団体や自衛隊の皆様が提供されています)を利用させて頂き、適宜コンビニ等に立ち寄って食料を購入した後、宿泊拠点に戻ります。
こちらは陸上自衛隊第10師団の皆様が提供くださっていたお風呂を利用させて頂いた際の映像です。インタビュー頂きました!
参加した学生にとっては、普段の生活のありがたさを感じるとともに、住民の皆さんのご苦労や支援くださる方の様々な細やかな気配りを体験する機会になっていたようです。参加後のアンケートでも「お風呂の利用を経験できてよかった」との声が聞かれていました。
(なお、DWASにて利用させて頂いた仮設のお風呂は、住民の方が優先的に利用されつつ、その地域にボランティアに訪れた人にも開放されているところでした。場所や状況によっては住民の方のみ利用可能とされている場合もあります)
お風呂が終わり宿泊場所に戻って自由時間。
すぐに皆さん仲良くなって話が無茶苦茶弾み夜の時間はあっという間に過ぎていきます。楽しい時間を過ごしたいところはやまやま…なのですが、慣れない活動で思いのほか疲れている&寝不足はけがの元&次の日も朝早い、ということで大体22~23時には消灯となります。
最終日は午前中活動、午後帰路、というスケジュールでした。
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活動後の歓談はとっても賑やかて楽しそう~
昨日までは初対面だったのが信じられないくらい毎回大盛り上がりです
現地での活動の調整や学生への案内はソ教連会員校の教職員が行っていますが、案内するだけじゃなく教職員の皆様もがっちりしっかり現場に入って活動しています。全然「大学の先生」っぽくないし遠くから見たらマジで誰が学生か教職員かソ教連スタッフも見分けがつかない
住民の皆様から見ると、おじちゃんやおばちゃんが学生のみなさんと一緒に汗をかいて、一緒に活動してる感じに見えているよう。
学校の別なく、立場や年齢や性別の別なく、声を掛け合いながら明るく元気に朗らかに活動、がDWAS-JAPANスタイル。どの期の皆さんも、あっという間に仲良くなられてました。
参加された方の声もご紹介!
最後に参加された方の声を一部ご紹介します。
最初は、同じ学校の人もいないし1週間も他人と過ごすのは長いな…、大変そうだなと思いましたが、終わったみると本当にあっという間の4泊5日でした。ボランティアでは、もっとお手伝いしたいのになともどかしい気持ちや被災地の現状に不条理さを感じたりもしましたが、お手伝い先の被災者の方々の笑顔やありがとうを聞くと報われた気がしました。また、普段関わることのない学部の人や同じ系統の学部の先輩の話を聞けたり、みんなで星空を見たり、夜は集まって語ったりと高校時代の修学旅行を思い出しました。
祝日も学校があって、夏休みは実習があるのでいつ次に行くのかと断言はできませんが、どんな支援の形であれ、この企画はずっと続けて欲しいと思いました。
発信することの難しさやソーシャルワーカーとして災害に関わることと一般の人として関わることの違いがありまた、そこには何かしらの葛藤も生まれてしまうと感じた。
他にも、一度、関わった人間としてこのまま家に帰るのはどうなのかという考えが生まれました。
また、2日目から道路を通るたびに見る倒壊した家屋に対してそれが当たり前であると感じている自分もいた。慣れることと当たり前の水準を下げることは違うのでただの光景として処理するのではなく異常なことであり1日でも早く回復しなければならないという気持ちで見ることが大切であると感じた。
私たちが活動した地域は町野町地区といい、能登半島の中で特に復旧が遅れている場所でした。ほとんどの家屋が倒壊したまま放置されており、まるで地震発生時から時が止まっているかのような光景に言葉を失いました。また、活動初日に被災地の地区長の方やボランティアのリーダーの方が涙を流しながら思いを伝えてくださり、その時に初めて、被災地の方たちが抱く喪失感や厳しい状況のなかでも見いだそうとしている希望などに直接触れることができ、ボランティアとして一層心が引き締まりました。活動内容としては、5軒程の家にお邪魔し、災害ごみの回収と掃除を行うとともに、新たにボランティアに来る人たちのための拠点作りとして体育館にテント村を設営しました。ボランティアから帰って来た後ではありますが、これからも今回の活動内容と町野町地区の現状を他の人に伝えたり、近い時期にまた町野町へ訪問したりするなどして、自分にできることをまだまだ探し実行していきたいです。同時に、全国から学年や専攻を問わずさまざまな学生と交流できたのも私にとっては非常に刺激的で貴重な経験でした。誰もが積極的かつ協力的で、バランスのとれた良いメンバーだったと思います。被災地の方、自衛隊や他のボランティアグループの方、そして年齢の近い同志たちといった、人のもつ力やあたたかさに気付けたことも、このワークキャンプで得た財産です。
ニュースで見ていた情報と異なる部分が多くあったことや、今もなお水道が通っていなかったこと、実際に家が崩れ落ちていたなど衝撃的な事実が沢山あり驚いた。しかし、地域の人は皆さん優しかったり、自衛隊の方々がお風呂を作ってくれたりと非日常な生活でも感動することが様々な場面であった。正直、ボランティアに参加するかどうか迷ったが勇気を出して実際に現地に行って普段出来ない体験ができ沢山の学びがあった。
そして9月が訪れた
ここまでお読みいただいた方の中にはお気づきの方もおられるかもしれませんが、実は上記3期は『大雨の前の活動』です。
本年9月下旬、能登半島にて豪雨災害が発生しました。この大雨により、奥能登地域を中心に河川の氾濫、土砂災害が多発し、15人が亡くなられました。
ソ教連では9月末に今後の活動の継続のため、また被災地域の会員校である北陸学院大学の災害支援に携わる教職員の方よりお声がけをいただき、活動の準備のための先遣調査に向かいました。その後、10月、11月と活動を実施しています。
この一連の活動についても、今後noteにてご紹介していきます。ひきつづきどうぞお立ち寄りください。
活動を支援してくださっている企業・団体様のご紹介
DWAS-JAPANの活動は、以下の企業・団体様からの協賛やご支援をいただき実施しています。(敬称略・順不同)
本連盟の災害支援用の軽トラックにお名前を貼らせて頂いております!
STARLINK
KDDI
田園調布学園大学
日本介護福祉士会
日本医療ソーシャルワーカー協会
株式会社光邦
ボラサポ
胃酒家「集」
KEEN
SAKATA MOTORS
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企業・団体様もありますが、現在能登を走っている軽トラには
ばっちり載せさせていただいてます!