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仕事が好きです、と迷いなく言えますか?
「自分の仕事が好きです」
と、きっぱり迷いなく言えますか?
私は今なら胸を張って言えます。
仕事ができると思っているわけではありません。他の人と比べて能力も決して高くありません。自分のやっている仕事が好きか、ただシンプルにそれだけのことです。
そう言えるようになったのは、長い時間をかけて好きになるように努めてきたから。10年前に同じ質問をされていたら、自信を持って「仕事が好き」と言えなかったことは確かです。正直、当時はもっと楽(らく)したかったです。
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ストレスで胃が痛かった時期
朝会社に行くのが苦痛な時も多かったし、責任は重くストレスでよく胃が痛くなっていました。必死になってあくせく働いていても、生活ができないくらいのお給料の時期が続きました。もっとのんびり毎日を過ごせたらいいなあと思っていました。そんな私がいつから自分の人生に仕事はなくてはならないものになったのかしら、と不思議に思ったりしています。
最近では仕事というのは、はじめから好きなれるものではないのかもしれない、と思うようになりました。多くの場合、仕事をはじめる時点では、本当に何がやりたいことなのか、何が向いているのか自分でも分かっていないことが多いし、期待していた環境や待遇と違ったり、業務内容にも満足できなかったりする。仕事の目的は生活の為のライスワークとなります。
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私も建築の仕事をはじめた当時は知識も能力も自信もなし、失敗や分からないことばかりで、とてもじゃないけど向いている仕事だと思えませんでした。労働条件や待遇にも不満があったし、誰かに愚痴りたかった(その頃は友人のいない地に移住した後で、愚痴る相手がいなかった!)。
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真価が問われるのは
でも必死になって続けていると永遠に続くと思われた闇が明けるときが来ます。大きな節目となるのが、仕事で困難が訪れた時に逃げたか、それとも立ち向かったか。
問題や困難がない仕事なんてない。
仕事をしている以上、必ず何かが起こる。
その時にこそ真価が問われる。
困難にどう向き合ったか。
何が起こったとしても、どんな職業を選んだとしても、困難にどう向き合ったかでその後の人生が大きく変わることになる。本当の充実や感動というのは挑戦や困難があってこそ得られるものです。
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仕事は大変なことも大きいけれど、喜びと幸せもたくさん得られる。そして何より人として成長させてくれる。今になって振り返ってみると、仕事はただ経験やスキルを伸ばすだけでなく人間として成長させてくれていたんですね。
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わざわざ厳しい道を選ぶ理由は?
共に仕事をしている大工さんたち。今の時代に逆行した木組みの手刻みの建築を選んだ彼らの仕事は、楽な仕事とは対極のところにあります。
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でも休みの日なのに工場に集まって、目を輝かせながら道具の話をしている彼らといると、「ああ、本当に仕事が好きなんだなあ」とこちらまで幸せな気持ちになる。
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何よりも「今はこういうのが儲かるから、仕事が取りやすいから」ではなく、大変だとしても「自分に正直に生きる道」を選んだわけだから、仕事が彼らの人生そのものになっている。これって誰が何と言おうと幸せですよね。それは「こんなに儲かって悠々自適の生活を手に入れ夢がかないましたー!」というメンタリティーとまったく違うところにある。
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私も幸せなことに生活のための仕事、ライスワークから抜け出だしライフワークに変えることができました。でもまだまだ未熟すぎて天職と呼べるには程遠い。天職というのは見つけるものではなく、長い時間をかけて努力の末に手に入れるものなのかもしれない。
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キラキラした表面的な言葉があふれているからこそ
「楽に簡単に」というのを多くの人は求めている気がします。こうやったら簡単に手に入るよ!というマニュアルのような道筋を知りたがる人が多い。
でも本当に価値のあるものは、しっかりと時間がかかる。しかもこうやったらうまくいく、なんていう道筋はまったく見えなくて、霧のような中を手探り状態で自分でかき分けていかなくてはなりません。
今の時代、「時間をかける」とか「がんばる」とか「努力」というのは、昭和的で泥臭くて嫌われがちだけど、でも本当に価値のあるものを手に入れたかったら、人生のどこかの時点でがむしゃらに頑張る時期というのは必要です。
キラキラした表面的な言葉であふれているからこそ、かっこいいパッケージングではなく、時間をかけて失敗と悩みもがく時期に向き合ってきた手応えのあるものに魅かれます。
なんか、昭和的で泥臭くてすみませーん。
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