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BTS V アルバム 『Layover』、自ら不可能なものを再解釈して可能にさせろ

2023年8月8日に公開された、Vくんのアルバムの短いプロモーション動画は、結構ガツンとくる…なんと言うの?き、奇妙さ…?気持ち悪さ…?いい意味で?もちろん…!

虚空から箱がぽとんと落ちるリズムも、間も、「パン」と破裂するみたいに溢れる量も、玄関が画面の手前にもある構成も、何もかもすごい…!完成度むちゃくちゃハイクオリティのCGじゃな…!ラフな包装は、外国で見つけたちょっとした気取らないプレゼントの小包みたいで、それが彼の自然体の作品、ARMYへのギフトのようであることを連想させる。一軒一軒、玄関先に、埋もれる程。思いがいっぱいなのは、アーティストか、ファンか。アルバムタイトルの「Layover」の綴りの中に、V字のチェックが入って、それは彼の名前でもあり、Vくんからの手書きのサインでもあり…という、ストーリーとデザインの完璧さ!卒がなさすぎる…!怖いわ……!!!

そして9月8日。アルバムのフルリリース。

アルバムは全部で6曲、うち1曲はバージョン違いなので、実質5曲になる。その5曲全部にMVがついて、MVが公開された順番と、アルバムに収められてる曲順が、異なっている。ちなみにアルバムは曲間のギャップ(無音の時間)が無いように作られてるので、まるでひと続きの、長いストーリーに聴こえるような構成になっています。こういう場合、まあ、ほぼ100%、アーティストの意図は「続けて聴いてね」ってことだ。

わたしは、MVを公開された順に見て明らかになっていった「Vくん」についての理解と、アルバムを曲順に聴いて感じた「Vくん」についての理解が、全く別の、別ジャンルの事柄だったんですよ…!これ、どっちのタイムラインで書いていこうか、迷うくらいにして…!

と言うわけで、2種類のタイムラインで書きたいと思います。どうぞ、ご覧になりたい方からご覧くださいまし!


『Layover』とMV

一番最初に公開されたのが【Love Me Again】のMVだった。そして翌日公開されたのが【Rainy Days】。随分テイストの違うMVだが、わたしは、1つ共通点を見つけた。

さあ、ここで問題です!

第一問:
「カラオケ」と聞いて、
最も「遠い」もの何でしょう?

第二問:
美形の彫刻、
最も嫌〜な組み合わせは?

「カラオケ」というコンテンツに、最も遠いのは「鍾乳洞」で間違いないでしょう。好きな人を模した「美形の彫刻」に最悪なのは、「トライポフォビア(穴恐怖症)」だ!間違いないよ!天才か!!(※トライポフォビアで画像検索しないように)

そう、これは、Vくんの大喜利だ…。

ゴージャスなステージ衣装と、いかにもチープなカラオケの歌詞画面。

バゲットは、絵を描く道具ではない、勿論。

大喜利、つまりこれは「異化効果」である。映像の世界は、ほわほわとした、現実とシュールの丁度境目にあって、手の届きそうなリアリティと同居させながら、「異化」をぶっ込んでくる。

「異化」は、位相をずらす。

夢の世界から、「今ここ・現実」に意識を戻させる。

そこから、約1ヶ月後。【Slow Dancing】MV公開。

気の置けない仲間と、仲間たちだけが知るビーチで、夢のように美しい最高のバカンス。それと、最高に最悪な組み合わせは、「それ、全部、部屋で作った妄想でした」。

よく見ると【Slow Dancing】の冒頭のVくんは、ほんの一瞬逆再生しているし、直後の女性はCGモデリングのマーカーを模したライトが光っているのが見える。

親切なのよね。「この映像はバーチャルです」っていう設定を、実は冒頭の一番初めから見せてくれてる。「…あれ?これはどういう映像?」という疑問と「うわあ…超きれい…ハピネス…」が混在して、ちょいちょい挟まる違和感に見ないフリをしてしまう。が、写ったポラロイドの人物が全部「Vくん」になっているところで、「これは、Vくんひとりをモデリングして作った、架空の友達…」という怖い想像をして、でも、あまりの多幸感に満ちたVくんの表情に、それもまた、見なかったことにしてしまう。

バーチャルだから、お空の雲もヨンタン

夢のようなバカンスは、「ただの夢」、空想であるという演出は次第に露骨になっていくのだが、かといって対比するかのように差し込まれる現実っぽい部屋の一室も、「果たして現実なのか?」と言えば曖昧で。

現実が、現実っぽくない演出

ここまでの3つのMVで、Vくんについて、わたしにすごく深く感じさせてくれたことがある。彼の、「遠いもの同士を関連付ける能力」と、「深層心理に広がっている世界と、現実世界との相互関係」だ。

大喜利で分かるように(大喜利言ってすいません)、遠くのものを関連付ける彼の能力は、とても高くて、自由だ。それはイコール、彼の内面に持ってる世界の広さ、自由さ、フレキシビリティだと思う。彼にかかれば、きっと、全てのものが無関係なままではない。

一方、「深層心理に広がっている世界と、現実世界との相互関係」とは。

例えば、自分の深層心理を理解しようとして、自分の中に潜っていくと、ある景色が見えることがある。それは、【Abyss】でジンくんは海だった。BTSの【Black Swan】では、深海や森だった。

その景色を、もっともっと広大に広げていくと、ひとつの世界のようになる。ある景色とある景色は地続きかもしれないし、つながらずに別々に存在しているかもしれない。友よ。これが「Map of the soul」だよ…!(※いや、ユングさんの言う「心(魂)の地図」とは別ね…。)

わたしは先日ジブリの『君たちはどう生きるか』を観たのですが、あの映画で主人公が行く世界が、まさに、自分自身の深層の世界だと思った。あの映画で出てくる景色は、わたしが深層に潜るときに見る景色と似ていると思ったし、懐かしい気さえした。

「Map of the soul」=深層の世界は、生まれる前に魂がいた場所。ひとつの魂が持っているオリジナルの宇宙。魂は原則不滅なので、深層の世界もずっと存在し続ける。肉体が終われば、地上に居場所のない魂は深層の世界の住まいに戻る。逆に肉体が持っている「意識」が認識する世界は、肉体の生命活動が終わると同時に消える。約80年前後、限られた条件で一時存在するのが、個々の意識ということだ。

すると、あれ?ということは、我々の本体って、深層の世界の方では?

例えば、「お昼にハンバーグ食べたいな」と思ったすると、脳科学的には、そのわずかに直前に「ハンバーグ」を脳内で再現する「ハンバーグ運動」とも呼べる活動が先に起きている。しかし、この脳内の「ハンバーグ運動」を、誰が「出せ」と指示しているかと言ったら、いないのよ。これ、魂なんじゃないの!?魂が脳に指示を出して、そして脳が活動し、活動の結果「意識」になるから、わたしたちは「認識」が出来る。は?魂が脳に指令出してるなんて、魂なんて臓器どこにも観測できませんけど?そう。西洋医学だけが観測出来てない。でも他ジャンルのいくつかは、かなり厳密に観測してるんじゃないの?

お気付きの通り、これはパクチーの独自の理解です。

何が言いたいかと言うと、ここからが本題だよ!

深層の世界の方が、自分の本体だとしたら、現実の起きている時の自分の意識の方が、「バーチャル」ということになる。深層の自分の心のありようが、時差を伴って展開しているのが、現実の世界だ。深層の世界で起きていることは、現実に、遅れて反映される。であるなら、深層の世界が、美しい世界を描けば描くほど、現実にその「美しさ」が反映される。楽しく、ハピネスに満ち溢れていれば、好奇心と、豊かな生命体に満ち溢れていれば、それに準じた豊かさを、現実は、反映せざるを得ない。

実際にスペインのビーチに、お金を払って、国際色豊かな友達を伴ってバカンスに行けることが豊かなのではなくて、まず、心の内面に、最高の時間を過ごしている自分のいる世界が、存在していることが豊かなのですよ。

つまり、この青年

マンションの一室で謎の機器を扱う青年は、自分にとって最高の世界を描けている上、殆ど体験しているくらいにそれにリアリティを持っている。一見妄想のようだが、それは虚しいか?それが自分にとって最高の世界で、自分は幸せに過ごせることを知っているなら、彼は、自分の豊かさを知っていて、実際に幸せなんだよ。

だって、その最高の世界の元ネタはどこからきたのか。

それが「Map of the soul」、深層の世界だ。深層の世界の中に、最高の世界のオリジナルが存在していて、それが、現実の彼の脳に反映している。

そして、深層の世界の方が彼の本体なのだったら、「最高の世界」のイメージを受け取っている、機器を扱う、この青年こそが…、

実はバーチャルであるという…。

理想の、妄想のバカンスの方が、彼の深層の世界に近いのだ。だから、深層の世界に近い、「妄想のバカンス」の方が、実は、現実の彼を誘導していて、彼の実際の行動に影響を与え…

だから!どっちも!現実感が曖昧に作られている…!

…よく出来てるんすよ…!!!!!!!

さらに言えば、現実の「キム・テヒョン」は、この「理想のバカンス」のビジョンを、現実の世界でバーチャル(MV)にして具現化しているという3重構造…。複雑、複雑すぎて、ちゃんとわたくし理解可能なように説明出来てますでしょうか…。

でも、このMVの構造は、実は、今noteを読んでいるみなさんの、現実の構造と、本当に、同じなんです。わたしたちの本体は深層の世界の方にあって、現実を幸福にしたかったら、深層の世界に幸福な空間が描かれている必要があるんです。鏡を見て、「うわ、こんなところにニキビ、潰そう」と、鏡を一生懸命ごしごししても、ダメなんです、消えないんです。いらないものは、深層の世界から取り除かないと、現実から消えることがないんです。深層の世界で、自分が心地よく安心して、幸せで楽しい、豊かな空間を作って、それを楽しんで味わいつくすことを、深層の自分が許可しているから、少し遅れて、現実にその空間が生まれる。そして実際の体験になる。

…だから、これで、どれほどVくんの内面が、ハッピーで、奇怪で、豊かで、美しさで満ち満ちているか。生き生きとして、彼は世界を感受して楽しんでいるか。それが伝わって流れ込んでくるので、わたしは「彼はなんて幸せな人だ」「幸せを生きる人だ」と感じた。あまりに美しくて、ジョイフルで、ハピネスに満ちて、

それは必ず現実の彼の人生に、反映せざるを得ないので。

そして、【Blue】。

ただただVくんがイケ散らかしてるところに全て意識が持ってかれて還って来れないんですが、

なけなしの理性を引っ張り出して何か語るなら、

超ミニマルな要素で、よくぞ、こんなにも「不安」を表現しましたね…!!

現実にこんな感じの人がいたら、きっと付き合っちゃいけないタイプでしょうな!絵に書いたような、見事な、甲斐性の無さそうな男性だ。でも悔いはない!果てしなくモテそう。そんな人物が、何を探してるのか、最後にヨンタン役のワンコくんがフォーカスされて、首についてるのは…でも鍵じゃねんだよなあ…。

ヨンタン役Rockyくん

じゃあ、もうあれかな。ヨンタンをいつものペットシッターさんに預けてたのに、何故か連絡取れなくて、心配で、今すぐ会いたくて、探し回ってるうちに、雨に打たれてたらばシッターさん帰宅、という。そ…う…なの?

…い、いいよ………!!!!

あえて言うなら、これは、コンセプトに沿って演技をするVくんを、今回唯一魅せてくれるMVだということだ。Vくんの自然体や、Vくんのステージパフォーマーとしてのあり方など、ファンが普段感じることのできる以外のキャラクターを、短くも存分に魅せてくれている。

最後に【For Us】。

一見オフショットの再利用みたいだけど、いいや、それだけじゃない。

【Slow Dance】のところでパクチーが熱く語ったことは、実は、ここで、いわば再構築して語られている。

Vくんたちはチームで「虚構=作りものの世界観」を作り上げるわけだけど、それを作る側の人たちには作る側のリアルな横顔があって、そのオフレコみたいな、作為のない瞬間に、作った虚構を混ぜて、ごっちゃにして、魅せる。虚構を作っている人を虚構に見せる。

今や、「見せる仕事」を作る人の裏側も「見せるコンテンツ」だからね。

じゃあ、でも、そもそもこのプロジェクトにたくさんの人が集まって、それはどうして集まっているのか。何でなの。何してるの。と言えば、それは、一人の脳内に生まれたきらめきを、具現化しているわけですよ。

あのたくさんのスタッフの人の動きも、膨大な時間も、長大な移動も、用意されたたくさんの小物や衣装も、みんなの為の食事も、Vくんの深層の世界にあったものが、Vくんを通して、それがたくさんのスタッフを動かし、それがたくさんの小物になり、それがたくさんの食事になり、

彼の内面が具現化して現実に反映されていく。

深層の世界が、時間差で現実に反映される。

反映されてく過程、わたしたちはそのひとつの例を見てる。

I would give it all up
全て差し出す
For us
僕と君に

【For Us】

終盤、壁にポスターを一枚ずつ貼るVくんは、後になって公開された超ミニマルゲリラライブのVくんを連想させる。これまで見せてきたもの、見せて来なかったもの、彼の深層の世界にあるものを全て、全力で差し出す。それが【For Us】のMVでわたしたちが見せられてるものだ。全て差し出す。その覚悟をしている表情を、わたしたちは何度もここに読み取れる。

読み取れる…

…泣く…

…超良い男だよ…


アルバム『Layover』、音のストーリー

深くヘッドホンをセットして、視界の刺激を減らして、一曲目から初めて聴く気持ちでプレイボタンを押す。聴こえてくる音の広がりが、丁度…マンションの広い部屋くらいで。

【Rainy Day】は、「雨の日」、思い出に閉じ込められているVくんを、自分が透明人間になって、側で見ている感じ。ひとりで部屋にいる時間。それは満ち足りているし、誰も自分を傷つけない。苦しんではいない…。

でも、ひとり部屋にいる時こそ、気がつけばループしている、外れない思考。

こんな雨が降る日は、
何て言うか…
君をあるべき姿に戻すために
どうしたらいいのか考えてる

I’m thinkin’ ‘bout you,
What to say
Wish I knew how to
Find the way
Right back to you
on rainy days like

【Rainy Day】

アルバム『Layover』は、救済の物語なのか。曲が途切れずに次々つながって展開することで、わたしの中に最も強く感じられた印象はそれだった。救済。Vくんが、過去に閉じ込められたVくんをサルベージする物語。そうやって聴いて、そう、わたしは実は今日の時点まで、全く歌詞を見てなかった。

かなり繰り返しこのアルバムを通しで聴いてるのに、なんと、わたしが歌詞をちゃんと調べたのは、さっきだよ!!いや〜〜〜〜全然。楽曲が。良過ぎて。良曲過ぎて!心地良く耳触り良く、完全に充足して、わたしは全然「歌詞を見なくちゃ」という気にならなかったんだよ…。わたしはBTSの新曲を聴くと、最初は楽曲だけ、2回目は歌詞を見ながら聴く。すぐに歌詞が気になる。しかし『Layover』は、そう…たくさん音が動くのが楽しくて、「器楽曲」として完成度が高くて…編曲がすげ〜〜いいバランスで、Vくんの声も…すごく違うね!新しく透明感が生まれて、表現にグラデーションがあって、もう、それだけで充分満ち足りて、満足で…………。

と、言うわけで、わたしの解釈はまず、アルバムの、音だけの印象で出来上がったものが土台になってるので、だけど…これ…わたしはそれでこそ良かった気がする…。だからちょっと特殊だと思います。本当に個人的な感想です。ま、いつも…です。このnoteは。

そう。そして、「雨の日」は【Blue】に続く。「雨の日」の彼が特に意識する存在。もう一人の自分。僕は、何を着せられても、1日分の星を集めたような照明の中にいても、どうしたって、今だに、君のせいで、「blueだって言われる/But baby you’re still blue, blue」。

その「blue」の、正面に立つ。膝を突き合わせて、目を見据えて、

僕に寄りかかってみて
世界は息づいてるだろう?
もうここから去ろう


So swing my way, baby
And let me close you
And feel the world move
Fly away, fly away

【Blue】

【Love Me Again】で曲調が大分明るくなる。

わたしは…これが…「I love me again」というメッセージに聞こえる。歌詞は、【Blue】側の存在の、正直な叫びなのかもしれない。

Vくんで「blue」と言えば、BTSの名曲【Blue & Grey】で、『Layover』【Blue】は、例えば、今の彼の「青」なんだと考えることもできる。

先日VくんがSUGAくんプレゼンツの「シュチタ」に出演したが(Ep.18)、それを見て余計に、わたしはこの「青」が、【Blue】が、2018年のVくんだと思われてならない…。で、それは、勿論そうやってきれいにまとめられるような単純なものではないはずだと、分かっちゃいるが、そうやってイメージを具体的にすることで、曲の構造からクリアになって見えるものがある。

”あの時の自分を愛せる。それは可能だ”

と、そういう歌だと聞こえるのだ…。

【Slow Dancing】では、その先へ展開してる。Vくんは、自分のマイペースを「slow dancing」と感じているらしい。「slow dance」、これが、彼が発見した、「blue」を内包したままで生きる方法だ。ゆっくり、ダンスをするように。闇雲にがむしゃらになるのじゃなく、休むために自傷をしようと思うくらい追い詰めるのじゃなく、ゆっくり、ダンスをしているつもりで今を生きることができたなら、自分の一部を凍らせたり、閉じ込めたり、置き去りしたりせずに、全部を愛したままで生きることが、出来る、と。

多分僕たちは
ゆっくり踊るようにだったら、生きられる
朝になるまで
まるでロマンスしているみたいに生きれば
やっと夜が明けるね


Maybe we
Could be
Slow dancing
Until the morning
We could be romancing
The night away

【Slow Dancing】

「blue」はさ、一生側にいるんだよ。そして共に生きるんだと思う。無くなったり消えたり、昇華したりしない。そこにいる。

初めて「blue」を正面から受け止めて、受け入れて、愛して、一緒に生きる方法を見つけて、今、「もっと一緒にいたい」という願いが【For Us】であるように聞こえた。統合した状態で、もっと「V」という時間が過ごせたらいいのに。「V」を生きられたらよかったのに。

「もっと一緒にいたかった/I wish I could stay with you」。【For Us】は、兵役の期間を過ごす「キム・テヒョン」から、「アイドルのV」へ、かもしれない。あるいは、「BTSのメンバーといる時の自分が最高だと思う」と言うVくんが、未来のメンバーたちに対して語りかけてるのかもしれない。

僕の家を後にしたあなた達
あの話が聞けて良かった
胸が張り裂けそうだけど
僕たちは間違いなく最善を尽くしたんだ
僕はもうカリフォルニアにいるよ
あなた達を心待ちにしてる
意思は固いだろうね?
僕の全部をかけるに決まってる
僕たちのために

You went from my home to
It was nice to know you
And it breaks my heart
That we gave it our best shot
Now I’m in California
I’m still waitin’ for ya
Will you change your mind?
I would give it all up
For us

【For Us】

アルバムは一曲目「室内」から始まって、曲が進むごとにオケの楽想が広がり、「他者」が入り、【For Us】に至っては、賛歌のようである。「出来たらいいのに」。それが余韻を残して、力で分断されるみたいにして途切れて、曲は終わる。だから、【Slow Dancing】のバージョン違いを入れていてくれて良かったよ…!寂し過ぎて、アルバム終わってグラウンディング出来ないもん!だから、【Slow Dancing】というお守りを、抱えて、元気に生きるんだよテヒョン、それがどこであっても。

と、Vくんが思ってるんだ、と思い込んでアルバムを聴き終えることが出来る…。

RMくんが絵画からごくごく命の水を飲んでるみたいに、ライブを見ると、Vくんはミュージシャンの生の音楽から、ごくごく命の水を飲んでるみたいだった。わたしは自分のnoteでVくんの音感の優れまくってることに触れたことがあるけど、他人の音に彼自身が、存分に癒されて、喜びを感じで、かつ彼自身をその空間に自分を活かしていることに、本当に胸がいっぱいになった。こういう時間が、きっとこの先、アーティストとしての彼を守り、活かし続けるだろうな、と、そんな予感さえする。

「blue」を統合した…どうだろう、分からないけど受容…受け入れた?受け入れて生きる方法を見つけたVくん。「blue」を受け入れたのは、彼の「女性性」だ。彼の「女性性」がしたことは…ただ、じっと辛抱したのだった。ただ忍耐強く、待った。

それを、ありのままの感じで、「歌い上げる」「聴かせる」んじゃなく、そのままの声で、メロディーを伴って録音されている。

正直に。誠実に。素直に。

きっと、歌詞を最初に見てたら、「わぁ〜ラブソングだぁ♡」と、普通に信じて疑わなかったんじゃないかな。そして、そう思って聞いても、彼の詩を、シンプルにストレートだと感じたんじゃないかと思う。だからこれ…すっげえ不思議なんだよね…!だから詩って、解釈が無限だから面白いのかも知れないけど、本当に、心底彼がアートの人なんだと思うわ。あの超ミニマルゲリラライブ、あれ完全にくくりとしては前衛アートだと思うんですけど、RMくんの好みそうな…いますよ、RMくん!ここに前衛が!身近に!


おわりに

と、他にも曲から、映像から、歌詞から付随して、いくらでも展開できそうだったんですけど、あと歌詞知ってからのMVも死ぬほど考察出来そうだったし、そうするとどこまでも終わりの来ない感じだったので、やめます!終わりです!ヨンタンくんが、本当に救い、というか、ヨンタンくんがVくんの自己愛を保ったんだなあ…。愛。代役じゃなかったらまた、Vくんにとって意味が違ったものになったろう。

でも、それにすら意味がある!

そう信頼するのが、最近のわたしの「女性性」です。Vくんの美しい「女性性」と「男性性」については、またいずれ書きたいです。


それでは、また!




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