BTS Jin『HAPPY』、Happy、Happy…!
思ってなかったんですが、前回のnoteで見事に、タイトル曲についてしか書けなかった。そこで、やむなく、アルバム全体に対しての感想を改めてこちらのnoteに書することにしました…。このぉ、ジンくんめぇ…、魅力が多すぎるわぁ…。
しかし、他の曲全てに関して、【Running Wild】で受けた感情は変わらない。彼が、彼の今世の最善を理解して、一挙手一投足、最適からブレずにいて、彼が、彼の「HAPPY」から逸れていないことに細心しているからこそ、ずーーーっと、全曲清々しいまま聴ける。一直線で。渾身で。どこにも余分なものを入れず広がった彼を聴ける…。
あっ、と、遅ればせながら、このnoteは、2024年11月に公開された、BTS ジンくんによる、初のアルバム『HAPPY』に関してであります。
【Running Wild】
前回のnoteで、【Running Wild】について8千字以上書いといて、これ以上書くことあるかって言ったら、ある。音。
ズチャチャって陽気な感じで始まる。
始まっておきながら想定外の声にのけぞる。
この彼の声、ポップス、アイドルにしては、かなり稀有じゃないですか?
そしてサビの高音が、透明な美しさに、パンチをくらったみたいに…。
なんだこれ…。
こんな響き聴いたことないよぉ……!!!
誰もいない未到のエリアにおいでになられなんじゃ…ジンくん…。
楽曲的には先行曲の【I'll Be There】と同じく、決して複雑でない。シンプルな構成。エレクトロポップ?ロック?彼自身のポリシーでもあるみたいに、特にトリッキーな楽曲にはなってない。トリッキーなのは君の声だよ。
高音から、地声に急にトーンが切り替わるところで、「う、ぐゎ…」となる。瀕死。
歌詞の内容は前回のnoteで思いの丈をぶちまけました。パクチーの個人的解釈では、このLiveクリップのジンくんは、引き篭もっていた城から出て、しがらみを吹っ切った、最強で無敵の王子です。そんな王子味を、画面から無茶苦茶感じますね!…パクチーだけ…?がビシビシ感じてるのでしょうか…?
特筆すべきは、このバンドメンバーが、Agust Dさんのサポートメンバーだってところですね。この吹っ切れ王子とSUGAくんは、ものすごく世界観が違うと思うんだけど、バンドマンさんたちは、ふたりの違いをどう感じているのかしら…気になる…。
気になる…と思って、以前のAgust Dさんのライブクリップを見てました。あ、ふつーにやりやすそうだわ。ジンくんの曲。SUGAくんの曲はもともとバンド編成の曲じゃないから、音の作りがバンドのオーソドックスじゃないんだよね。
でも、この二人、一線越えると切れ方がややパンク、ってところで、似てるのかな…?似てると思われてるのでは…という気がした。
【I'll Be There】
この曲についても、既にnoteに書いてありました。
この曲のパクチー的最高潮は、中間部の「1,2,3!」でしょうか。
全体的に、硬質な発音で、その声色にもはっとするんですけど、ところどころにガツっと入れられたがなりとか、合いの手とか、一瞬きれいに裏返る箇所とか「う、ぐゎ」となって、瀕死。再び。びっくりするわ!まじ!
キャラ変わっとるやんけ!
…と、つい突っ込みたくなるくらい、これまでの音楽性と別の要素が、まるで彼が初めからそういう人だったみたいな安定感で入ってるんですが。
多分、おそらく、彼はこういう人だったんだろう。出す機会、必要となるチャンス、タイミングが無かっただけで、こちらの方が、きっと彼の本質には近いのかもという気がした。それでもかなりユニークだと思う。
…と、ここまでで、このアルバムの声のデザインは、【The Astronaut】の夢が叶った苦労と、【슈퍼 참치/スーパーチャムチ】のトロット風味を経てこその、作品だ、としみじみ思いました。つうか逆にたったこれだけの過程で、よくぞここまでの振り切れ方でアウトプット出来るな。本当に安心感あるもん。
彼の声の世界観が、異世界並みに広すぎる。
【Another Level】
最初に聴いた時は、「おお…厨二っぽいの来たぞー!」と思ったけど、それほど当たらずとも遠からず、と言っていいか?コンセプトはゲームの気持ちで作られたそう。
ジンくんの成分の、50%はゲーマーで出来ていると言っても、過言ではないですからね!分からんけど!でも、冒頭でも書いた通り、彼が彼の「HAPPY」から逸れてないから、全然、清々しいよ。こういう、自分だけの「好き」に全振りして作る世界って、自分にとって救いになるし、気持ちの解放にもなるし、自分の振れ幅を大きく新しい方向に開拓するのに、無茶苦茶有効だし、自然で効率的なんだよね。
後発の後輩たちにとっては、結構、ジン先輩がゲーム好きをテーマに曲を書いたのを憧れに思う、そんな楽曲になったりするんじゃないでしょうか…?こいつは、この楽曲はAnother Levelの成果だと…。
【Falling】
もしかしたら、音的には、一番アイドルっぽい楽曲かもしれん。初期のBTSの、【Like】とか、そのあたりの…。
歌詞は、ジンくんが初期、人見知りっぽくでシャイだったことがテーマであるそうです。
だから、今これを歌えるということは、かつて篭って、彼が後にした城は、そこからの防御だったのでしょう…!
と、書くと簡単だが、実際にはその心理って、ものすごく複雑で繊細だ。彼が10年アイドルの仕事をしながら、彼の城を、雑な壊し方をしないで自分を守り続けたことは、むしろ貴重なことかもしれん。時間をかけて守り続けたからこそ、魑魅魍魎の住まうショービズの世界で彼を生かし、彼を守る、知性と感性との両方を、強固に育てることが出来たのかもしれない。
【Heart on the Window】
ジンくんが、女声とデュエットしてるってのを聴くだけで、「ぐ…のぉ…」と憎しみと嫉妬で声が低くなりそうだけど、女声かと聞き惚れるジンくんのハイトーンが、女声と混ざるとやっぱり女声ではなくて、色々な重なり方が美しすぎるハーモニーに、悔しさすら音に色を添えて、感動に一躍買ってるんじゃねぇのって、そんなのって、ねえ。意図しているのか。狙ってか。狙われたのか。急に低くなるの、ずりぃわ。ぬ…。
上下に動き回るメロディーが楽しい曲だね。WENDYさんの声はめちゃめちゃきれい。クセなく透明感ある声質は、すごくジンくんの声とも相性良く、この世と思われんくらい響き合ってると思う。終盤、ジンくんの声が喋る声みたいに低くなってから、どんどん声部が増えていくところで、アタマがふわ〜〜〜っとなって、やられる。やめて。アタマふわ〜〜〜っとなるわ。くっそ…。
終盤の複雑なハモリは、これ、かなり高度だと思いますけどね…。上下が入れ替わったり、突然完全一度のユニゾンになったり、強い響きを生む関係の音程と、柔らかい音程とを散りばめて、この勇気あるメロディーラインを書いた作曲者に、パクチーは「天才賞」を差し上げたいと思います。
【I will come to you】
冒頭始まってしばらくして鳴る、ピアノの「ぴーん」って音が、大きすぎてびっくりする。時々ガツーンと鳴るこのピアノ音源のベロシティ(音量設定)は、もうちょっと、なんとかして下さっても良かった思う…。が、ジンくんが手ずから書いた歌詞だと言うから、これ以上言うまい。歌に集中しよう。
ジンくんもとからの独壇場、バラード。で、彼と言えば、息の漏らし方のコントロールの素晴らしさですね…。そんで、多分わざとだと思うんだけど、息継ぎの息を吸う音が、ものすごく入るマイクの設定になってるんですよ…ぐ、ぐぬぬ…!ぐぬぬ案件ですよ!これは…!全く………!!!
一生懸命聴こうとすると、ジンくんと同じところで、息を、吸いたくなるでしょう…???となると、気づくことがあるでしょう?
これ…もしかして1発録りですか……………?
レコーディングのビハインドなんかを見ると、短いフレーズ、時には一音、だけを切り取って、良いところだけを継ぎはぎして、そうやって音源は作られるというのが、お分かりになると思う。これ、この曲、もしかしたら、1発じゃないかもしれないけど、それでも継ぎ目は2か、3…?ライブ感のある、隠し事のない、歌詞と共に、彼の誠心誠意がこめられた、と、いうのがここでも分かる。
ブレスの入り方からして、ビブラートの感じとか…もしやこれ…ほとんど声にもフィルターかけてない…?は?裸の声…?裸に近いのか…?!むしろ、はだ、ひゃ…あ、ありえん…。
ありえんよぅ……泣
彼の差し出し方が、泣けすぎる…。
ということで。
前回のnoteがなかなか重かったので、気楽に読んでいただければと、今回は軽いトーンになりました。
それでも…彼の最後の曲は、ファンとがっつり正対していますね。正対してるな、目を合わせてきてるな…と思ったので、色々迷った挙句、正対している写真をヘッダにしました。
楽しみましょう!!
それでは、また!!!