j-hopeくんのドキュメンタリー『HOPE ON THE STREET』その2
…何と言うか…非常に考えさせられるドキュメンタリーだ…。
客観的に自分を見て、目的を叶えるために、必要とされることをアウトプットする自分。それが出来ていなければ食いっぱぐれる。だから生死に関わる。…と、無意識に自分に課している、「これをクリアしていなければ」というセルフイメージ。
j-hopeくんが、自分を、外側から見て、コントロールしているもの。つまり、良い意味なんだけど、自意識。
これが、自分の心の内側に持っているものを、瞬間的にでも120%感じて、生かして、何か行動しようとする時、制限をかける。その自意識を、外したい、少しずつ、懸命に、
それは少しずつ剥がれていって、
でもそれは、自分が自分を生き残らせるための囁きだったんだけど、
今の自分には、合わなくなってきているのかもしれない。
…そんなようなことが丁度、わたしが今感じているテーマでもあり。だからj-hopeくんがこのドキュメンタリーでしているチャレンジが、刺激されるし、考えさせられます…。
ソウルからパリにかけて、明らかに、一皮、何か吹っ切れ、パリでは旅のテンションのせいもあるのか、路上で即興で踊るj-hopeくんのダンスの質が、変わっている。
セルフイメージを打ち破って、本来の形にまですっと手が届いた時、ぱちっと何かスパークして、ハクナム兄さんは「来た!」という顔をする。
ロッキングもハウスも詳しく無いけど、それぞれのマスターがしてくれる「このジャンルはこう」という説明が、素晴らしく素敵だった。ロッキングは思っていたよりずっとハッピーだったし、ハウスって思ってたよりずっと、エレガントな印象のダンスだった。
パリでハウスのマスターにj-hopeくんが質問をして、その答えが良かった…泣く…。日本も韓国もほぼほぼ単一民族だから、「ルーツ」と言った時、「ルーツ」の内容とスケールと重みが、全然、違うな…。ヨーロッパの人々が当たり前に感じている重みは、わたしには想像が出来ない。
j-hopeくんが、踊っている瞬間に自分の内側を、「獲得しつつある…!」という体感を得られそうな段階まで進んだからこそ、核心の近くまで話を打ち明けられたのだろうな。ハクナム兄さんを通して、全世界に打ち明けられる、彼の悩み、彼の不安、未来を不安に思うその根底、
それは、
「心から音楽を聴いて、楽しんで踊りたい」。
…嘘をつきたくない…。
それが出来なくて、それが出来るためにどうしたらいいのかと思って、このドキュメンタリーを撮っている。
子供の時簡単だったことが、どうしてこんなに難しくなってしまうんだろう。いや、だけど実際は、子供の頃にやっていたことだって相当難しいことだったし、実際には、楽しいことばかりではなかった。
今、新しく、今の新しい自分の目で、プレーンに楽しみ直す。出合い直す。自分のルーツは自信をくれる。力になっている。無駄になっていない。パワーに変える。
今、初めて自分がフォーカスした自分を、今、ここから育て始める。
かつてあったものが、失われたんじゃない。
つづく。