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RM+Pharrell Williams: Rolling Stone誌対談「甘く痺れる」
こんにちは。パクチーです。
このRMくん、かわいいなあ…。フィルム?
11月に、BTSのRMくんと、アメリカのミュージシャン、ファレル・ウィリアムスさんのローリングストーン誌の対談が公開されました。動画、英文の文字起こし、音源が公開されて、どれも見てみたところ、音源の方が他の形式よりも内容が多そうだったんですよ。Twitterにて日本語訳されている方を見つけたので、対談で2人が語っていた事について、全体についてはリンク先をお読み頂くとして、今回はその翻訳を元に、わたしが気になったところをピックアップしていきたいと思います。
RMxPHARRELLのインタビュー
— yumnamjoon (ヤムナム) (@yumnamjoon) November 3, 2022
ポッドキャスト版訳しました
YouTube版と違うところをハイライトしてます。
ポッドキャスト版違うって聞いて聞いてみたらだいぶ違った😂
今回も聞いて速攻で作業したのでダブルチェックなしなので細かいところはお許しを🙏
是非聴きながら読んでみてください〜 pic.twitter.com/JWHPHM3Rmk
Pharrell(以下P):(略)コンベンションをベースにはしないんだ。自分のフィーリングをラップにするんだ。自分よりうまい人にディレクションするつもりで創っていく。(略)創っていく中で足りないものを追加して入れていくんだけど、自分がそのパートで参加するという事は忘れて創っていく。自分が参加するって思うと良いものができなかったり自信を持てなかったりする。(略)その頃から自分のエゴや感情を巻き込まないで純粋に音楽が必要なものを入れる為の判断をしていくように考え始め始めたんだ。最終的に曲に参加するのが自分になったりしても、そうでなくても。空っぽなところに違うフィーリングを入れたりするんだ、たまに自分がとってもシャープな感じで気持ちよく歌っていたりもする。
今回の対談で一番叡智があると思ったのはここですな…。RMくんから、他のアーティストに曲を作る時のスタイルの選び方についての返答。
このセクションではファレルさんから「チャネリング」という単語が何回か出てきています。YouTube版のみに入れられている、ここに絡む話が少々ありました。ファレルさんは、彼のクリエイター人生で獲得した叡智を惜しみなくシェアして下さっている…。
コンベンション。定形、という意味でいいかなと思います。「自分」よりもっと大きなフィーリングにチャネリングして、足りないピースを埋めていく。そうすると結果的に、自分よりスケールの大きなものを、自分が創っている。最初にそのフィーリングをダウンロードしたバージョンの自分には、セルフイメージ以上のことが可能な自分になっている。
自分より「大きなもの」に自分を使役させると、自分のスケールは努力の苦労なくレベルアップする。そこにアクセス出来るのは、自分の自意識(エゴや感情)を除けた「フィーリング」だよ、と。
既知のものやセオリーから思考を外した時に、直感的に「これ、やってみたらいいだろうな!」というアイデアや閃きが、日常誰にでもあると思う。それがやったことのないことなら、いざ実行するのに100のやらない言い訳が出てくるかもしれない。でも思いついた時点で、そのチャレンジを可能にする能力は自動的にダウンロードされるのよ、って話だとわたしは理解しました。
すごく、面白いよね。本当にその通りだと思う。そして全く音楽に限らない。チャンスがあったらどんどんこの方法を使えば、波に乗るように未知の能力が身につくだろう。
P:それで、中には窓から思いっきり飛び出してチャレンジをするアーティストがいる。僕にとってチャレンジすると言うのは全てなんだよ。正しくなくてもいい、元々とても素晴らしいキャリアの人達が冒険するのには勇気がいる。違う声だったり、違うパーソナリティだったり、これまでのキャリアとはまるで違っていたり。だけどチャレンジする人には新しい経験が待っているんだよ。最終的には合ってなかったってなる時もあるけど、その時はその時で、それでも別の一面を見る事ができる。それが僕がプロデュースをする中で一番好きなところだ。
RMくんに、「自分の為に楽曲を創作するのと、他の人に創作するのと、どう違うか?」と訊かれての返答です。
この対談がなされたのは9月だそうですが…ジンくんのことかよ〜!(感涙)
このセンテンスで最初に思い浮かぶのはジンくんだなあ…。ジンくんは【The Astronaut】で使う声を見つけるまでに道のりが長かったようなことを言っていましたが、活動を一旦区切るつもりの作品で、やったことないチャレンジするって、相当怖い事でもあると思うのよ…。
それを可能にしたのは、ひとつはColdplayの楽曲への愛でしょう。そしてARMYでしょう。ARMYを思えば、彼は自分のまだ開けてない扉を開くチャレンジに価値があると、既定路線よりも、リスクがあるかもしれなくても、未知を選べたのだ。
ARMYが彼を違うステージに連れ出したとも言える。別の新しい自分を見れる。世界を広げられる。作ったことのないものをクリエイト出来る。それについて彼が感謝を表しているのは、とても伝わったよ…。
そしてファレルさんに話を戻すなら、誰かの壁を破るチャレンジに触れるのは、楽しみ、喜びを与える、自分の時間を豊かにしてくれるものなんだろう。
RM(以下R):自分にとっては、他の人の為に作詞をしたりメロディーを書いたりするのは、あなた程多くはないですが、心地いい事でもあります。ただ自分にもう一人のキャラクターを与えてくれるので。ただ、自分の場合、複雑で自分の気持ちを吐露する事になるので痛みも伴いますが。自分にはとても重要な作業だと思っています。多分。2005年は自分はまだ小学生で、ラップが何かを知ってラッパーになりたいって思い始めていた頃なんだけど、時が過ぎて自分が成長するにあたり色んな景色が見えるようになって。なので他のアーティストに曲を書くのは実はホッともするし感謝もしています。
P:分かる気がするよ。その痛みの部分は僕にとってはFunな部分かもしれない。アーティストとしてビビッドな色を塗っているような感じだからね。力強い詩、例えば、その痛みは充分なのか?充分に気持ちは良いのか?って、だから君が痛みをしっかりと詩に入れるのは、充分強いって認識するのに必要なんだと思う。
「その痛みは充分なのか?充分に気持ちは良いのか?って、だから君が痛みをしっかりと詩に入れるのは、充分強いって認識するのに必要なんだと思う」。以前、RMくんのフューチャリング作品ばかりに触れるnoteを書きました。RMくんが取っているアティチュードに、こういう風に寄せてきて理解してくれるクリエイションの共感者って、本当に安心するというか、涙が出る程嬉しい事のような気がする。
R:(略)だからあなたからアドバイスが欲しいです。あなたはKポップではないですがグループ、NERDやネプチューンなどの経験もありソロもされているので。どう思われますか?
P:NERDやネプチューンにいながらソロを出す事はとっても自分にとって力になったよ。ひとつの事をやって少し休憩をして、もう一つの事をして少し休憩をして、
R:交互にできますからね
P:そう、違う帽子やマスクを被ってできるイメージ。だから君の考えている事も分かるし、きっと今回の新しい経験はリフレッシュにもなると思うし。君にとってすごくいいと思う、グループに戻った時すごくフレッシュないいアイデアもいっぱい出ると思うから。誰が君のプロデュースをしているの?
「だから君の考えている事も分かるし」の部分も…そうですね!本当に嬉しいと思う…。つまりメリットに対する期待、デメリットに対する不安についてかなあ、「君の考えてる事」とは、とわたしは思いましたが。
そして「誰が君のプロデュースをしているの?」の質問が、これはファレルさんのRMくんに対する親愛の親心っちゅうか…。過酷でもあり孤独でもあるソロの道のりを、消費されんなよ、ちゃんとトータルの長期的な視野でマーティングしている人がいるの?というのが質問の意図なのかなあという気がした。
P:少しずつ削ったりしてその上にレイヤーを重ねている、自分が正しいって思えるところまで。それで誰かのヘルプが必要だって思った時は誰かに助けを求めるけど、若い頃は自分のエゴが邪魔をしていたんだけれど。今は自分のエゴはそんなに重要ではなくて、曲に対して忠実なんだ。エゴではなく。どうやったらベストな曲を創れるかという事に忠実なんだ。それがあって今ここにいる。「あぁ、これいいね。ちょうどいいよ」って言うような作業はしたくないんだ。壁を壊して殻を破って一帯(1ブロック)を燃やすような。一つの家ではなくて、一帯だよ、Block on Fire 一帯を燃やしてその夜のニュースに載るような。
ううう!このぶっ壊し系クリエイターの心根!予定調和?クソ食らえ系…まだ見ぬエリアに進出したいんだ、イノベイター、パイオニア、それがアーティストの仕事だよ、そしてその勇気のある者には、とてもシンパシーと信頼をを持つのですよね。だって、住みなれた家ぶっ壊したいんですから。家だけじゃなくブロック一帯分の、既成概念、すでに成した事を壊して、リビルド、リクリエイト、焼けた一帯の上に立ち上がるニューフロンティアが見たい。
P:僕が聞いたり、知っている限り、今君たちは、自分達が何をやっているんだろう?自分は誰なんだろう?自分達が思っていた人になれているのか、(と)思っているところだろう。自分が何者かを考えたり、自分の意味を考えたり、つまりどういった人になりたいかという事でもあると思うんだけれど、キャリアの中でそういう気持ちになる時期があるのは分かるんだ。どんな理由にしろ、君たちはよくやっているけれど、今はどんな感じ?今そのプロセスの中で君たちはどこにいるの?どういう気持ちでいる?今ソロレコードを創っているんでしょ?
今そのプロセスの中で君たちはどこにいるの?という質問が、何とも言えない。ファレルさん、彼にとってはこの道は見知った道で、愛情ゆえにRMくんに対して今ガイド役を買って出ているのが分かって、じーんとする。
ファレルさんから、「自分は何者か?何がしたい人間か?」という疑問を持つことと、K-POPの中心的なポジションにいることと、ソロ活動の開始と、その3点の間でRMくんが、答えを求めてゆらぎの中にいることを察して、それが具体的にどういう進捗か?という問いかけです。
それなー!我々も気になってますよ!要するに「会食」のRMくんの、涙の理由であり、彼が見失ってて、見つけようとしているものについて。
それに対しての返答、RMくんは「ラッパーで作詞家」でキャリアスタートした。であるがK-POPは「グループであることが全て」、つまり音楽、ビジュアル、ダンス、SNSに、グループ全員が激しく注力して時間を注ぐことを優先するシステムで、それを10年続けてきた。10年の成果で結果、まるでソーシャルフィギュアに、まるで外交官のようになり、さらに張り詰めた強い緊張感の中でリーダーの役割を担い続けた。
その状況は「ラッパーで作詞家」の自分の首を絞める寸前だったのだろう。
「ラッパーで作詞家」と他の要素を、一度、分けよう。
そして彼は、それを実行した。
P:人々は皆君たちがリハーサルを頑張っているのは知っているけれどどれだけ「勉強」をしているかを知らない。アメリカで例えばグループを立ち上げる時にNSYNCとか
R:ONE DIRECTIONとか
P:そう、沢山いたけれど、ここではただのアイドルグループでしょって嘲笑される事もあった。でも結果を見てみたら、測定基準がある訳ではないけれど、結果を毎回同じように出してきたんだと思うんだ。アーティストのクオリティもだし、コンシューマーの理解度のクオリティや、彼ら本人がジャンルを本当に理解して長続きできるよう、皆きちんと課題を理解していたんだ。
「勉強」…。わたくしこそ、リハーサルを頑張っているのは知っているけれどどれだけ「勉強」をしているかを知らない者の代表として、NSYNC、ONE DIRECTION、知らない…。
ちゃらっと見てみた…なるほど……。
すごい既視感。
つまりここでファレルさんがおっしゃっているのは、いくつかのアイドル・グループ・バンドについて、「一見人々はそうとは見なかったかもしれないが、総合芸術として、全ての要素が一定以上のクオリティで完成されていた」という感じでしょうか。コンシューマーの理解度のクオリティ…はい、ええ、成程…BTSに置き換えて意訳すれば、ARMYとの一体感の作り方って感じでしょうか。コミュニケーションの取り方、ファンにアピールする商品・コンテンツ群など。いくつかのアイドルグループは、誠実によく勉強する事で大きな成果を出している総合コンテンツだ、というリスペクトだと思います。
R:(略)でも、この業界全体のProsとConsを、光と影を話のはとてもリスクはあるのだけど。ひとついいところがあれば、悪いところもあるでしょう。Kポップのシステムは、自分はラッパーとしてキャリアを始めて、突然、多分きっと偶然的にもしくは運命なのか、そのシステムの中心的な場所に今はいて、色々乗り越えてきましたが。
この頭脳派ラッパーが中心的な場所に、今いらっしゃるということは、必ずや、人々に偉大な英知をもたらすであろう………!
ProsとCons=長所と短所、を、お話頂くのは「リスキー」らしい。具体的になっちゃうからでしょうか。
彼の特異な点は、今は無理かもしれないけど、時期が、良き時になったら、彼はそこで起きている現状を「説明出来る」というところなんじゃないかな。第三者的な視点で、当事者じゃない人が理解できる言葉で。それは、今後彼のいる業界がよりヘルシーになっていく過程では、大きなキー、必要不可欠な要素でしょう。
業界に染まって、「こんなもんだろ」「あるある」で思考停止してしまう人の方が圧倒的に多いと思うんですよ、そこに問題があるというところまでは気付けても。
R:自分の場合、自分のレーベルとパン氏、我々のCEOですが、彼の場合は少し他と違ったと思います。彼自身もプロデューサーだったので、音楽のことを本当に理解されているのでプロデューサーやエンジニアのリスペクトが第一にあり彼のアーティスト時代のマインドもありますので。なのでシステムのいいところを取り入れようと常にしていました。あなたが言ったようにクオリティや、スタッフ、テクニック全てに心を込めてミックスしようと。そして常に自分達は人間であるという事を。僕らは音楽を創って他の人たちの前で披露をするただの人間だと。コンサートを見ている人達はきっとただ違う仕事を持っている別の人間なんだと。まだ地に足をきちんと着けようとしているところですが、この業界の練習生達に伝えたくて、あなた達は皆この業界を仕事にしているただの一人の人間なので、常に自分であってください、と。自分達の行いで人々に影響を与える事ができるという事も、お互い充電しあえたり、愛を贈りあえたり、そういう事実がすごく自分には重要なんだと。
RMくんの発言で、今回、この部分が一際パワフルで情熱的だった気がします。
ここらへんの会話が、いくつかのやりとりを挟んでとても大きな話がなされているのの帰結です。彼は要素が激しく詰まったK-POP界の中心的な場所にいて、色々乗り越えてきた今、「自分達は人間である」を、若い人に伝えようとしている。
「自分達は人間である」の対義語はなんでしょうか。
商品。消耗品。マリオネット。モノ。機械。あるいは。
「自分達は人間である」。アイコンが、サイボーグでAIだったらショウビズ会社は楽でしょうな(パクチーさんの社会派ジョークですよ…)。肌トラブルもなく、疲れず、夜は良く寝て病気もせず、家族にトラブルも不幸も起きず。疑問も持たず、1から10まで売れるセオリー通りに言うこと聞いてくれるなら。しかし人間は、「自分は誰なんだ」などの疑問でクライシスを起こして今日のステージに立てなくなることもある。さりげなく手の届く所に薬物を置いて、強制的にハイにさせて、悩んでいる自己をうやむやにして、今夜のステージに立たせる。酒と女を手当てして、何も問題なんか起きてないと思考する力をぐちゃぐちゃに奪う…。…許されないよね…?それ程昔のことという訳じゃ無い。あるいは完全に昔のことというわけでも…。才能ある若い人の未来は、莫大な金を生む消耗品かな?だって次の商品は、若者は次々生まれてくるから?
彼らはプロセスに全部、心を込めて作品を作ってきた。「心」は商品じゃないんだよ。だから「心」が、「自己」が無い方が成績が良かった場合にも、「成功=正義」じゃないよ。
RMくんがが語らない(語れない)業界の影の一部。髪型もビジュアルも、場合によっては持って生まれた顔も、行動も、言動も、外出も、何を食べるかも、会社が決定するという時に、「自分達は人間だ」。何も思い通りにならなかったとしても、「でも本当は自分はこう思っている」の主体のところは、最後まで手放しちゃだめだよ、と言いたいんじゃないだろうか。
これが実際には難しい。特にティーンエイジャー、若い人にはさらに難しいんだろう。「自分を商品だと思っていませんか」。普通に一般の社会人にだって、当てはまる内容ですし、これ。
ファンとアイドルの関係は、心を代償にして、ファンに望まれるビジュアルに自分を押し込めて、それに対して大金が支払われているのじゃない。あくまで、生活している一人の人間と、別の仕事をしている一人の人間が、対等に、持てる良きものをやりとりしているのだ。
そこからはぐれちゃだめだよ。と、そういう、10年経って、健康で、精神の健全さを保って生き続けるための、彼の若い人へのアドバイスなのかもしれないな。心を手元に掴んでいれば、ちゃんと心は偉大なものを受け取れるし、だからこそ仕事に価値を見出して続けていける。ここは彼が重要だと実感する部分だと。
P:(略)君たちは人々に「皆、謙虚になれるんだよ」っていう事を見せたと思う、そういう謙虚なバイブスを与えたと思うんだ。すごくいいエネルギーでそれがもっとこのアーティストコミュニティには必要なんだよ。
「アーティストのコミュニティ」。アーティスト達が日頃対峙しているもの。
適度にリラックスしていいパフォーマンスが出来るという目的でライブの前にアルコールを摂るミュージシャンがいる。そうじゃないパターン、プレッシャーと緊張に一人きりで対峙するのが辛すぎて、アルコールでそれを感じる心を鈍くする為に飲む人もいる。それに効果があると分かると、頼らずにはおれなくて、一人で耐える力がみるみる減じ、酒量が増えて、震える手が楽器を持ってるのを見るのは、そうじゃなかった時を知ってると余計に辛いものがあったよね…。かと言って何かをどうすることも出来ないんだが…。
j-hopeくんのLollapaloozaのEPISODEが公開されたのを見ました。本番開始前の蒼白の(メイクのせいか?)吐きそうなくらいの緊張、それが本人にしか負えないのをジミンくんは良く分かっていましたが、誰も肩代わり出来ない重さが部屋の空気を占めているのが、よく映されていたと思います。
鈍くなったら、受け取れないんだ。この後のRMくんの発言にも通じていますが、認識できないくらいの大人数の想いをライブで受け取ってなお自分が良くあろうという健全さを保てるのは、鈍くしないでいる心が受け取れる良きものには、限度が存在しないから、なんじゃないだろうか。それがRMくんが考えるこの仕事の善き部分だと、そういう話なんじゃないかと思いました。
…へへっ。ステージ脇から見てさ、対談読んでさ、口で言うのは簡単だよね、パクチーさんよ。ええ、はい…。
実感として、自分より大きなものに対峙するのに、心を固めて、息を止めて今を凌ぐやり方よりも、毎回固く握った手の親指を開いて、副交感神経を緩めて、瞑想でもしてから寝ようぜって話しをしたいです。緊張したまま寝ないで、持ち越して朝を迎えないで、毎夜リセットしような、って、話がしたいです。そんなことをわたしはここの会話で思いました。
緩みが出来たら、感謝が入ってこられるから。
あまりに肉体が味わうものが過酷で、あまりに与えられるものが桁違いだったら、悲しんでいいのか、嬉しんでいいのか、分からないよね。緩みがなかったら恒常性を保てない。肉体が過酷でしょうがない時、与えられたものが莫大過ぎて実感がない時、減っていくのが不安でしょうがない時、「感謝」は健全さを保つ。感謝が入ってこれたら、地に足のついてる感じが持てるエリアを広げていける。
そして、持ちきれない分の感覚を、忘れられる。
…へへっ。口で言うのは簡単だよね、パクチーさんよ。ええ、はい…。
R:(略)「自分はそんなきちんとした人なのか?コミュニティを代表する責任はあるのか?」って問いただしますし。あなたもコミュニティや人々の為に色々されていますが、そのような感情をどのように対処されていますか?常にそのような責任感と良識をもってモラルもないといけないと思います。
P:そういう不安な考えとかが自分に対してや価値観に対して浮かんだ時は、とにかく外に出てあれこれと仕事をする。そういしていると答えが出る時がある。(略)よく眠れるなって。
これ!なんでここカットされてんのか分かんないけど!パクチーが生涯されることはないであろう質問!そして、あまりにも超具体的な返答!
とにかく外に出て、あれこれ手を動かして、人の為になったかな、と思ったら自信も戻るし、よく寝れる。
最高です。「とにかく」と「あれこれ」が大事なんだろうなと思いました。
P:向き合ってるのが本物のエネルギーだからだよ。そしてその場にいる君の個々のファン達もそれを理解する事できないんだ。(略)その裏側については理解できないんだ。
R:それは当然だよね。
我々が知り得ないことについて、お話になっておられます…。音と一緒に、本物のエネルギーが滝のように打ち付けてくるのですね。ファンたちの人生に自分が影響することの、「重すぎる」「責任」を感じるエネルギーが、MASS(かたまり)で。
ここについて、この後のRMくんの会話の言葉から理解しようとするなら、ひとりの人間が、「与えたい」と思う愛の状態でいる時、それは本当の愛に近い。純粋にそれだけを持っている精神状態=別の人格であれば、向き合える自分の容量には境界線がない、という体感なのかな、と思いました。すごいね。彼の口から「本当の愛に近い」という言葉が…!「彼らの愛を知っていて愛しているから向き合うんです」。泣いた。分かってたけど、本当に愛を体現している青年たちの集団だね。
そして、この会話は、その前にRMくんが発言している「自分のそういったこんがらがった考えやバカバカしい想いが自分の人生のプラスになればいいと願います。ファンの為にいい人になれるように」に対して、ファレルさんからのフォローの機能もしているように思いました。君には僕が泣きそうになる重さの数のファンが確実にいて、彼らの人生に影響していることが自覚できて、彼らが君に送るエネルギーははっきりと本物だ。それは答えじゃない?君が自分で「バカバカしい」と言う想いが、君にもファンにもプラスに働いていることの。
P:自分がまだ28歳だった頃を覚えているよ。
R:どういう感じでしたか?
P:まだフラフラと自分のエゴのフィルターを通っていたかな。
「僕が今そうだ(笑)」とRMくんが相槌を打っています。
この前の部分で、ファレルさんがいくつもの役割を掛け持ちする自分を「Public Servant(公務員・公僕)」と説明しています。宇宙の全て=神の意思で公の為に働く(←ここの説明は音源には無く、動画の方にはあります…)。
前半で大きなものに「チャンネル」して「フィーリング」で創造する話がありました。彼がチャネリングしているのは、ファレルさんの感じている宇宙=神かもしれません。ダウンロードして、音楽という手法で自分を行使する。
ライターの友人が、超売れっ子ライターとの会話で、「20代30代ってのは結局、ホルモンに振り回されているだけだからねー!」という言葉があったらしい。深く納得…。自分の過去を振り返ってそんな要素しか見当たらない。頑張る動機も、やらない理由も、他人に対する悪感情も、好意も、ホルモン、ホルモン、ホルモン×3乗…わたしも…きっと周りも…。
40代に入って、大分、楽です。落ち着いてるわあ…。振り回される時とそうでない時の落差がはっきりあるので、若い時の「ずっと針が振れっぱなし」みたいな状態よりも、自分で自分の状態を自覚しやすい。
自分の欲望の声が大きすぎると、大きなものにアクセスしても返答が聞こえないですからね。若さ=エゴ=ホルモン。それはそれで良さもあるが。一理あるんじゃないかなあと思うのだけど。
P:現代美術から自分が得るものは、異なる芸術分野のアーティスト達への感謝かな。我々が持っている全ての感覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚、皆それぞれ違う言語があってそれぞれ違う表現を自分にしてくる。食事も一緒だ。甘いものの酸っぱいものもある。それが聴覚だととても甘い言葉や音で心地がよいものもあれば、鳥肌がたつような酸っぱい音もある。だからそれぞれの芸術分野のアーティストと仕事をするのがとても楽しいんだ。あー、それが君の甘い音なんだね、とかね。
わたしにとってこの対談は「甘く痺れる」だなあ…。トータルで甘く、舌の付け根が苦味でちょっぴり痺れる。と、ファレルさんの発言を聞いて感じました。甘さは、洋梨をリキュールと砂糖で煮た濃い甘さ。奥にレッドペッパーとライムのピールのかけらで、ガリッと苦味。
料理の世界も深いじゃないですか。でも味覚って、五味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)程度しか無いというじゃないですか。だけどこの組み合わせと、食感と、温度と、で、無限に組み合わせが出来て、場合によってはファンタジーの世界まで連れて行ってくれる。味覚は毎日使ってるから、味で表現するのは馴染みも深いし、分かりやすいなあ。
R:とてもいい音楽に出会って聞いた時にすごく衝撃を受けると同時に実は時々嫉妬もして痛みも感じます。
この会話の前で、「ときどき、もし自分が音楽をもう好きでなかったらどうしようと思います。直感的にふとそんな考えが浮かび怖くなります。」とRMくんが言って、「それは一時的なものだよ」とファレルさんに言われてほっとしているが、
音楽聴いて悔しい間は、大丈夫なような気がするけど!
R:(略)なので絵画や彫刻を見ると愛したいだけ愛せる事にほっとします。ちょっと変ですけれどね。
…いえ。何でもないです。
「愛したいだけ愛せる事にほっと」すると言うRMくんに、甘く痺れてるだけです。
…というわけで!対談の引用はここで終わります!
長いねー!!元が長いからな〜。ずっと気になっている内容だったので、読み込めて良かったです。わたしだってこんなに長くなるって想像してなかったよ!ここのところ、せっかく短くまとめられるようにトレーニングしてたのに!
それは置いておいて、先ほど【Run BTS】のダンスプラクティス動画を改めて見たんです。
それを見て感じた圧倒的な感じ。この磨かれ方、彼らの10年、熾烈に詰め込まれたものに耐えた10年。
獲得した今持っている全てのものが、これから彼らが得たいと思うものを得ることを、楽に、やすやすとさせてくれたらいいなあ(泣)、
そうでなきゃ、そうに決まってる。
と思いました。
彼らの甘さ、そしてこの苦さは、「また食べたい…」「もう一口食べたい…」と感じさせる苦さなんだよ。ね。
それではまた!