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BTS JIN【Running Wild】…孤城の王子は城外にお出ましになられた

わたしはどうしても以前から、ジンくんは「孤高の城の塔のてっぺんにひとりで住んでいる王子」というイメージがあって、その城には誰も入れないと思っていた。

そのジンくんが

城の外にお出ましになられ、

「俺が連れて行く」

と、

宣われた…!


【Running Wild】、これを観て聴いて感じた胸の熱さを語り始めたら、1万文字のnoteが3つくらい書けそうなんだが。…その厚さはみなさんに暑苦さ以外のなにものも、もたらさないであろうため、自粛。このMV、この歌詞、の中に、これまでの歴史、わたしがnoteを始めた最初のnoteからの来歴、勝手に築き上げてきたジンくんへの個人的な感情の累積、今個人的に研究中の神話、日本人のルーツ、人間の目的、次の時代への課題、それを代弁する同時代性、スターの役割…さまざまな思いが盛り上がって…土石流を起こしそうだぜ…!

わたしは【Running Wild】の歌詞は、BTSのメンバーに宛てている、と、直感ではそう思った。声が、予想を裏切られたとか、映像の内容が、予想を裏切られたとか、

それは勿論どーんと山のようにでっかくあるんだけど、

「ジンくんがそれを言うか…!」のところで、歌詞を見て、ばーんと食らってしまった。おい。泣くぜ?おいら泣くぜ?

方法はある
僕らが再び飛ぶ方法
僕らはいつもどうやって情熱を取り戻してた?
誰も終わりのことなんて考えてなかったね
今夜はこのまま過ごそう
太陽が見えるまで、幾晩だっていいよ
僕らがもともとどうだったか覚えてる?
終電を逃したっていいんだし


There's a way
There's a way that we can fly again
Remember how we used to love back then
Livin' like we had no end
Let's stay out all night
Out all night until we see the sun
Remember how we used to long ago
We can miss the last train home

ジンくんはリーダーではない。だけど、「解散しようかと思った」ことを、「ここで言っても大丈夫かな」と思って、実際にステージ上で言葉にして言った唯一が、ジンくんなのだ。そのファクトの前には、ものすごく長大なストーリーと、会話と感情の積み重ねが、重く、逃れがたく、ずっとメンバーたちの間に、上に、のしかかっていたはずだ。そのことについて、一番俯瞰して、一番責任を感じて(当然全くジンくんの責任じゃ無い)、メンバーの抱えている精神状態について、一番把握しようと努めていたのは、ジンくんじゃないかという気がした。彼らには、「それはよくあったこと」として、「how we used to love back(どうやって愛を取り戻すか)」があり、と同時に、いつか来る終わりなんて微塵も考えずに、目の前のことに邁進して、無我夢中になって努力した、若い頃があった。

でも、今、その中間の地点で、「我武者羅に邁進する」のも、「情熱を取り戻せなくて苦しむ」ことからも離れて、「ただ何者でもなく、今を過ごしたっていいんじゃない?」。つまり、そういう次元から、解放されてもいいんじゃ無い?終わりのあるショービジネス、アイドルというレースを、走らされ続けることから、今、気持ちの上で降りてもいいんじゃない?終電を気にする必要もない。いつでもどこまでだって車を出してもらえるなんて、あの頃想像出来た?

素の時間を、一緒に過ごそうよ。幾晩でも付き合うよ。

だけど、どう過ごしたとしても、僕たちの抱え続けてきたものだけは、決して手放しては駄目なんだ。

彼らのコア。

僕らが持っていた愛を、仕舞い込んでしまわないで
まだ立ち上がれるなら
情熱の灯るところまで
僕が連れて行く


Don't you let our love go cold
When we're standing still
We can light it up once more
I'll take you there

SUGAくんのことだって思い出すし、って、勝手にパクチーが感情を乗せて感極まってるだけなんですけど、SUGAくんに限らず、メンバーそれぞれ気持ちの浮き沈みがあるなかで、「俺が連れて行く!」すなわち「ついて来い!」とジンくんが言ったの、は、は、は、初めてじゃないですか!??!!?

──Follow me!!!!

ですよ!ジャンヌ・ダルクですよ。旗を掲げて、戦地で、先頭に飛び出して、あの、いつでも孤城から出てこなかった王子が!出ても外の外壁から一歩分くらいしか出てこなかった王子が!

ついに!完全無欠の完全防備で、荒野の戦地に、全てに勝つ準備を整えて、雄叫びを上げたんスよ!

直感のままに走ればいい
太陽が去る瞬間まで愛を全うして
何もかもをかけて走れ
最後に息をつくまで
直感に従って走るんだ
愛が、僕らに捧げられたものなら
最後のひとかけらがなくなるまで走れ
最後に息をつく瞬間まで
直感のままに走ればいい

We'll be running wild
Lovin' 'til the sun is out
Running 'til there's nothin' left
'Til our last breath
We'll be running wild
Lovin' like it's made for us
Running 'til there’s nothin' left
'Til our last breath
We’ll be running wild

この英語の歌詞が持っている熱さを、日本語訳しようとすると、とても難しいんだが…まず、冒頭の「There's a way」を思い出して欲しい。方法は、「a way」で、ひとつあると彼は言った。「There's a way that we can fly again」で、彼らが再び以前のように飛ぶための…、

その答えは、むしろ、ひとつしかない。

We'll be running wild
(直感に従って走る)

と、言っているのだとわたしは思った。

We'll be running wild」のニュアンスは、人によってさまざまに感じるだろう。「wild」を何と訳すか。これは本当に、その人が、「何を大切だと思っているか」で、訳は千差万別に変わると思った。わたしの直訳は、「再び輝いている未来の僕らは、直感に従って走っているだろう」。

つまり、彼らが以前のように、再び飛ぶには、「直感に従って走る」以外に選択肢がない。そう言いたいのだと思った。

忘れないでいて
僕たちが分かち合った時間を忘れないで
僕たちを受け入れてくれた馴染みのある場所のことを
まるで世界の中心だったみたいに過ごしたことを

Don't forget
Don't forget about the times we shared
All the places that we used to go
Livin' like we've ruled the world

ruled the world」と言われれば、やはり【If I Ruled The World】を思い出す。「If」は実現した。彼らが、世界に対して万能感を抱いていた期間、その時彼らは、とはいえ、やはり直感に従っていたと思う。

でも、ここから先は、さらに削ぎ落とした「直感」。

僕らが持っていた愛を、どうか遠ざけないで
まだ立ち上がれるなら
情熱の灯るところまで
僕が連れて行く


Don't you let our love go cold
When we're standing still
We can light it up once more
I'll take you there

light it up」でもう一度点灯させる比喩の対象は、「cold」になりそうだった「love」かなと思った。わたしは、冷めさせてはいけない何かに対する「love」は、「BTSを生きる意味」のようなことだと感じました。

「BTSを生きる意味」を見失いそうになったら、生身のお前が立ち上がれる限り、僕は連れて行くよ。

意味に気付く場所へ。

何故それがジンくんに可能か。

ジンくんが、人生何周分も生きてるからか…?

そうです。

ジンくんは、人が人生をかけて1つか2つ開ける扉を、7〜10くらい開けてますきっと。ボーダー、「この先は越えられない」と人が思うボーダーを、いくつも受け入れて、受け入れて超えて、その地点で見渡した彼が言う、「直感」。

その「直感」は、人間が、社会を作り上げる上であらゆる箇所に張り巡らせた、恐れと、防御と、エゴの網、概念…

それら全てが社会に機能したまま、それでもなお、彼らが翼を持って、飛んで、輝ける為には、そこからもう一つ上の次元の概念、

現存の全てに囚われないで、

本能でジャッジをする、

「直感」が要る。

「したい時に、したいことをする」。かつてジンくんが恐ろしいレベルでそれを体現するのを、見ている方も多いでしょう。ジンくんは、「直感」で生きることが、これから先彼らが自律的に生き残る為に必要だと理解している。そして、その方法も完全に体得している。だから、「僕が連れて行ける」と言えるのだ。成績、世論、圧力、政治、何もかもに、敵対しない上に、最適解を得る方法。

それを実現する方法。

直感を得るためのキーワード。

それが、「HAPPY」だ。

幸せでいること。

もっともシンプルに、もっとも易しいことばで解説すると、要約すると、直感を得る方法は「幸せでいること」になる。幸せな状態の自分が働かせることのできる「直感」が、最適解を呼ぶ。であるから、常に、自分が幸せでいられる方を選択する必要がある。あなたもわたしも幸せでいる。それだけで、難しいことを考えなくても、理屈が分からなくても、「直感」に必要な条件は整っている。それがなぜ自分に正解なのか、知っている必要すらない。

彼らは、かつて自分たちが世界の中心のような気分でいた「HAPPY」を忘れる必要がない。そして、これから味わうのも、別のレベルの「HAPPY」なのだ。中心にいるのは、もちろん常に自分である。自分の世界の中心に自分がいて、自分の幸せを決められるのは、「幸せ」の選択をしてきたその延長線上にいる自分以外にない。

直感のままに走ればいい
太陽が去る瞬間まで愛を全うして
何もかもをかけて走れ
最後に息をつくまで
直感に従って走るんだ
愛が、僕らに捧げられたものなら
最後のひとかけらがなくなるまで走れ
最後に息をつく瞬間まで
直感のままに走ればいい

We'll be running wild
Lovin' 'til the sun is out
Running 'til there's nothin' left
'Til our last breath
We'll be running wild
Lovin' like it's made for us
Running 'til there’s nothin' left
'Til our last breath
We'll be running wild
We'll be running wild
We'll be running wild
We'll be running wild
We'll be running wild

…今、ジンくんに対して、どれだけのね、逆風が吹いてるかって、パクチーは全然分からないです。彼らの会社の評価とかね。そこに興味を持っている人たちのセンスを、わたしが持てていないから…。ただ、ものすっっっごいスピード成金で出来てる会社だから、カルメ焼きみたいに膨らんで、中がスカスカで、整ってない部分から崩壊するのは、RMくんのかつての様子などから、時間の問題かな…と思ってきた。それで適正に補正される方が健全じゃないかなあと。

ピサの斜塔のグラグラゲームみたいに、彼らはてっぺんに乗っけられたまま、ぐわんぐわん社体が揺れて…「どうなっちゃうの?!」って、ジンくんの責任じゃないけど、どうなろうとも生きて行けるのがジンくんだと、わたしは思っている。直感を信頼してたら、もう怖いものないですよ。恐れていない。恐れる必要がない。周りがどうあろうと、自分の人生を生きることになるから。誰のどんな妄言にも惑わされない。彼は目的を持っているから。その為に直感を使えるから。

Lovin' 'til the sun is out

sun」は、「時代」と意訳しましょうか。「王朝」という、その区切りみたいな感覚はアジアの風景でしょうか。陽が落ちるまで。時代が、自分たちを必要としなくなるまで。手元の一切がなくなるまで。たったひとりのARMYもいなくなるまで。そうじゃないなら、まだ終わるべきじゃない。それ以外の事情なら、考慮する必要がない。

そして、そうやって突き進む人生は、決して悪いものにならないのだと、彼は安心している。この先が、今までよりずっと良いものだ、という楽観。当然甘くて美味しいに決まってる。そういう信頼も、彼は強固にあるんですよ。

だから全体的に、全然悲痛じゃない。

希望のある、明るい話なんですこれは。MVの中で、彼がどんなに真っ黒な目、だったとしても。世界が崩壊しかかっていても、子供を囲んだ幸せな家族を横目で見ても、彼の目はストーンと冷静です。表情が、美しく、動かねえ…。でもそれは、「コンセントレーション」しているという状態で、「直感で正しく動けている」ことの表現ですから。ね!

わたしはかつてこんなことを書いていた。

ナムさんがジンくんのことを説明するとしたら、「ジンニョンは外壁がすごーく低い人です、片足で飛び越えられるくらい。でも内壁はものすごく高くて、ほとんど誰も入れません」と、言う気がする。誰も入れてくれないことを淋しく思いませんか?と問うたら、「でも、高い壁の中にジンニョンが守られているのを側で感じているから、安心しています」と、言いそうです。

ごくたまに、高い内壁の中にひとりで住む孤高の王子が、姿を現して内壁の外に一歩だけ踏み出す。その時彼が語ることばは、いつも本当のことだけだ。そういう気がする。

【The Astronaut】で苦労の末、中音域を見つけたジンくんは、その音域を完全に彼のものとした。かつての彼の良さはそのままに、『HAPPY』は、新しい彼の音色をさまざまに見せてくれているアルバムだ。だが、メディアから姿を隠した期間に、彼がフィールドに取り込んだものは、音域だけじゃない。

守ってくれる城を必要としない、自己だ。

ジンくんが、ついにその城から出て、何をするかと言うと、「ついて来い」「心配するな」と。このMVはBTSへのそういう宣言みたいだ。

画面はさまざまに、BTSへのオマージュが散りばめられているように見えた。

そして、

どんな危機も、絶体絶命の隕石すら、これを見ている第三者にすれば、全部「ショー」なんだよ。

気にするな。気を取られるな。

彼は迷ってない。不安もない。

強くて、愛がある。

全部の答えを、こんなにまとめて持ってる子が、いるかね…と思って、やっぱりすごいなと思う。『HAPPY』のスペシャル・ステージを行なって、「幸せ」であることについて、こんなにメジャーな場所で、真面目に取り上げて真剣に語れる人が、いるかね…。

だから、これは時代を象徴しているんだとも思うが、さまざまな界隈で、世界が新しいタームに入った、と、人々が言う。それは、抽象的に語ればものすごく難しいことなんだが、それを、もっともポップな言葉で、分かりやすく、カジュアルに、理解させるともなく受け取らせるのが、わたしはその時代のスターなんだと思う。

したい時に、したいことをする。そして、幸せに。しかし、それぞれの人がそれぞれにしたいと思ったことをしたら、秩序はぐちゃぐちゃになるんじゃないか。と、そういう疑問を持つ人だって必ずおられましょう。「それが問題にならないレベルまで、心の段階を上げようぜ」ってのが、今、この瞬間の人類の課題、です。なのじゃないでしょうか。それ、どうやったら心の段階が上げられるの?って言ったら、スターはそれを一言で表現される。「HAPPY」。幸せになれる方を、自分が自分に選択してあげ続けてください。それが不要な意地を削ぎ、感性を豊かに満たしていく。パクチーは、同じこと、いくらでもこうして言葉を増やして説明しようとしてしまう。スターじゃねーんだな。

…ところで、パクチーは今、日本の神話を独学しているんですが、すご〜〜く不思議なんです、日本の神話。「天皇」の謎が…これが解けたら世界がひっくり返るな…くらい…密度が濃い…。

だから、とてもパクチーにその秘密は分からないんですが、少なくとも「古事記」「日本書紀」の書かれたあたりで既に、日本は大陸の先端の成熟した文化、思想、宗教、政治システムを、かなり効率よく摂取した後だったのだ、ということは分かった。土台にあったのは日本の、かつ人類最古の文明である縄文の世界観なんですが、それがその後の時代には絶対に生き残れないことが分かっていたので、その全部を、外国産の思想と技術で、コーティングしたんです。コーティングして、中になにものかが防御された状態、見えないが壊れもしない、その状態になったものを、わたしたちは現在「和」と呼んでいる。

異文化が、星の数ほど入ってるのに、まるで孤立しないで、混ざるんです。遠くはヘブライ、ペルシア、キルギス…仏教もまるで元からあったみたいに神と同一したし、中国発の道教も、陰陽道も、神道とミックス。布、陶器、建築などは、出来上がったものが韓国からごっそりそのまま入って、すーっと国営みたいになった。でも、これらは「自然的な大いなるもの」に対する敬意があって成立している調和です。山や、川や、岩や、大木や、そういう自然に対して、畏怖があるから調和を持てた。自然に対する敬意は感覚的に持つものです。頭で考える理屈で畏怖は表れない。

感覚をオープンにする為に必要なことは、「直感のスイッチを入れる」ことです。それは、「今、この瞬間を感じる」「今、を感じて生きる」ことで入る。「今」の感覚が開かれた人には、人々との間に「和」を持つことが出来る。それはあらゆる異文化・異なる人種であってもそう。

それぞれが、それぞれのありたいあり方でありながら、調和が取れる。それぞれが「したい時に、したいことを」しながら、凹凸が噛み合うように、あなたがこの人に必要なことを、この人があの人の助けに、しようと思わなくても自然になる。

競わなくても、争わなくても、比べなくても、卑屈にならなくても、そういうどれもが必要にならない段階が来る。だから今、あらゆる分野で、あらゆる人が、「今感じることに集中する」「今を全身で感じて生きる」「今、この瞬間やりたいことをする」ということを、違う言葉で、さまざまに言うんだろう。もっとそう言う人が増えてくると思うし、次の時代に向けて、当たり前のことになっていく。

いつか、それを殊更ことばで言う必要もなくなった時、世界は争う必要がなく、戦争も分断も差別も無くなっている。

…でも、そういう大層なことを言いたい訳じゃない。

世界が平和な方がいい?

なら、「HAPPY」でいて。いつか世界の混乱が収まる日まで、わたしは生きているか、あなたは生きているか、そんなことをどうにかすることは誰にも出来ないけど、あなたが生きている限り、最後の一呼吸まで、目一杯幸せに過ごして。それがあなたが取れる、最適な解で、平和への最短で、最善だ。

スペシャル・ステージを見てると、間違いなくジンくんは、彼の最善を理解して、一挙手一投足、最適からブレずにいる。

彼をごらんよ。次の人類のネクストステージがよく見える。


それでは、また。

※もっとディープにパクチーの世界にはまりたい方は…こちらをどうぞ…。



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