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『超人ナイチンゲール』栗原康

今日は読書感想。栗原康さんの書いた『超人ナイチンゲール』という本を読みました(読んだのは何ヶ月か前ですが今ごろ書いてみたり)。とりあえず医学書院の本をちゃんと読んだのは初めてのような気がします。しかしこの本は医療や看護に全然興味なくても普通に読みものとしてめちゃくちゃ面白いのでおすすめです!

前述の通り出版社は医学書院で"ケアをひらく"というシリーズものということもあり、本屋さんでは医療系のコーナーにあったりします(伝記コーナーにも置いた方が良いような)。とにかく一人のぶっ飛んだ女性の一生を描いた痛快な物語。私がこの本を読んで一番思ったのはナイチンゲールの生命力の強さでした。とにかく強い!年取って弱ってもしぶとく強い!(笑)

そして何より栗原康さんの文体がとても楽しい!本を読むのが苦手な人でも栗原康さんの本は読みやすいんじゃないかと思います。勢いにまかせて読めるタイプの本です。272ページある本ですがほぼ一気読みしました。ちなみにこちらの本については出版社の紹介ページを読むとさらにわかりやすいかもです。

上記のホームページでは本書の部分も読めるようになっていて、そこから少し引用させていただいたり。

実のところ、わたしはナイチンゲールのことをほとんど知らなかった。ちっちゃいころ、よく伝記まんがは読んでいたのだけれど、ナイチンゲールの本を手にとろうとおもったことはなかった。

 もちろん、「近代看護の母」とか「クリミアの天使」と呼ばれているのは知っていたのだ。だけど、なんだか道徳の教科書みたいなイメージが強くてね。世のため、ひとのため。清く、正しく、美しく。ちょっと口が悪くなってしまうが、そういうのにはヘドがでる。それで敬遠していたのだ。

 しかし、どえらいひとなのはたしかだし、ただの読まずぎらいかもしれない。そうおもって、白石さんの提案にのってみた。はじめて読んだのは「カサンドラ」。ナイチンゲールの自伝的小説だ。わたしはこれを読んで、びっくり仰天。このひとぶっとんでいるよ。いい意味で、イメージがひっくり返されたのだ。

さらに実際のページの写しなどもあるのでそちらもここでご紹介。

医学書院HPより

"ヒャッハー"って…!普通、こういう本で使う??という感じだし、あと、野郎ども、やっちまいな、とか言わないでしょ、ナイチンゲールが!(笑)とか。いやー、面白過ぎました…!私はこの本を読むまで栗原康さんのことは存じ上げませんでしたが、すっかり栗原康さんのファンになりました。

てことでここからは少しだけ栗原康さんについて。Wikipediaなどによれば政治学者であり、専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 永遠のアナキズム』『はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言 増補版』『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』などがあります。

『はたらかないで、たらふく食べたい』は自分の人生をかなりぶっちゃけてて、これ、ここまで書いてしまって良いのだろうか…(笑)と思うくらいでしたし、『村に火をつけ、白痴になれ』は実は前から知っている本でした。『超人ナイチンゲール』で栗原康さんを初めて知ったと思ってましたが、『村に火をつけ、白痴になれ』の表紙だけは見たことあったのですね。

この本も読みましたが、野枝さんへの愛が溢れててとても良かったです。野枝さんの生き方が本当に好きなんだろうな、という感じ。『超人ナイチンゲール』でもナイチンゲールのことをカッコいいと思ってるんだろうな、というのがすごく伝わってきました。いや本当にナイチンゲール、めちゃくちゃカッコいいです。機会があれば是非『超人ナイチンゲール』読んでみてください!

※ちなみに見出し画像はナイチンゲールとは全然関係なく、今日(8/24)撮った雲の写真です。

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