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映画『バービー』(少々ネタバレあり)

『バービー』を初日に観に行ってきましたー!(一週間経っちゃったけどお盆で忙しく、なかなか感想を書けなかった!)。この映画を監督したのはグレタ・ガーウィグという女性。『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などの作品を手掛けています。

この作品の冒頭にはいきなり『2001年宇宙の旅』のパロディがあったりして、観にきた人に先制パンチを食らわすような映像になっています。この映画は可愛いだけの作品じゃないのよ、というか。公式の予告編として公開されてるのでどうぞ~(このデカいバービーが登場するシーン、本編ではもっと長いです)。

私は以前『glee』とか『アグリーベティ』(主役を演じたアメリカ・フェレーラは今回の作品に出演!)とかのアメリカ製のどぎつい(?)ドラマを観たことがあったので、『バービー』のノリは普通に面白いとしか思いませんでしたが、不慣れな人にはカルチャーショックかもしれません。各シーンで拒絶反応が出てしまうのも無理はないかと…しかし、部分的なことにとらわれて、本筋にある大きなメッセージが伝わらなくなるのはもったいないかもなあ、とも思います。

さて、物語の舞台はバービー人形たちが暮らすバービーランド。バービーの服を着たマーゴット・ロビーが可愛い!美しい!!キュート過ぎてあと5時間はずっと観てられる、と思いました(関係ないけど現在世界ツアー真っ最中のビヨンセがインスタで公演ごとに違った衣装を着てる写真をあげてますが、ビヨンセの着せ替え人形が出来たら売れるんじゃなかろうかと思ったりも(笑)。

そんなバービーランドは大統領に医者に工事現場で働く作業員まで活躍してるのは女性だらけ!に対して、ライアン・ゴズリング演じる細マッチョのケンなどは本当に"ただのケン"でビーチにいることが役割(ライフセーバーでもない。そもそもバービーランドには水がない)。マーゴット・ロビーの演じる"定番バービー"に恋心を寄せてるようですが、バービーの家に泊まりたいといっても今日はガールズナイトだからとけんもほろろ(ケンと掛けた訳ではない)。しかしこのケン役のライアン・ゴズリングがめっちゃ良かった!彼の出てくるシーンは笑ってばかりいました。

ライアン・ゴズリングといえば自分的に『ドライヴ』や『ラ・ラ・ランド』のカッコつけな役柄や『ブレートランナー2049』でのシリアスな演技が印象に残っていたので今回の振り切れた演技にビックリ!落差が激しいというか振り幅がすごいというか(笑)そういう意味でいうと配役の勝利と言えなくないかも?普段からコメディやってる俳優さんがこの役をやってもここまで面白くないんですよね、多分。

てことでお話の続き。バービーはとあることが原因で人間界(リアルワールド)へと向かうことになります。頼んでもないのになぜかケンもついてきます。そんな二人がそこに着いて見た世界はバービーランドとは真逆といってもよい世界。そう、リアルワールドはゴリゴリの男性社会だったのです…!驚くバービーでしたが、ケンは今まで無価値と思ってた自分たち男性が中心となって存在している世界に感銘を受け、影響を受けまくってバービーランドに戻り騒動を巻き起こすことになるが…といったお話。

ところでバービーランドでの男性の扱いを見て、こんな世界居心地悪くて嫌だな、と思った男性がいたら、いやいや人間界における女性の立場ってまさに生まれたときからこれだから…!と言いたい。多くの男性はそんなこと考えたこともないんじゃないかと思いますが、女性と男性が逆転したバービーランドを見ることで、自分たちはスタートラインから優位な立場に置かれているんだと気づいてもらえると有難い。しかし、この作品はそんな男性社会にNOを叩きつけよう、女性万歳!というだけの作品ではないと思います。

『バービー』は、男女のバービー人形たちがいろんな出会いによってそれぞれがそれぞれ新しい道を切り拓いてゆく成長物語だと思います(この"男女の"ってとこが大事かと)。ケンが持ち込んだ男性社会の仕組みからはみ出てしまった男性キャラもいますし、マーゴット・ロビー演じる美しい"定番バービー"も人間界の女の子に辛辣な言葉を投げ掛けられ号泣し、自分は何者でもない、と思い悩むのです。そうやって生きづらさを抱えた男女どちらのキャラクターに対してもグレタ・ガーウィグ監督の愛は惜しみ無く注がれています。そういう優しい作品でした。

そんな監督が以前手掛けた『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』では、女4姉妹のキャラクターの描き方が素晴らしかったことをここまで書いていて思い出しました。特に四女のエイミー(フローレンス・ピュー)がすごく魅力的だったんですよね。キャラクターの作り方、魅せ方がとてもうまい監督さんなのだと思います。監督のこれからの作品にも期待大です!

そしてそして忘れちゃいけない、『バービー』に使われた音楽もめちゃくちゃ良かった!映画を観たあとサントラのCDを買いに走った私でした(笑)レコードの仕様もカワイイのでレコードも欲しいー!!そんな『バービー』のサントラを担当したエグゼクティブ・プロデューサーはあのマーク・ロンソン。ブルーノ・マーズのこの曲を手掛けた人です。久々に観たけど50億回ってどんな再生回数よ(笑)

ちなみに『バービー』のサントラに参加してるミュージシャンはアメリカのヒットチャートをチェックしてる人ならお馴染みのLizzo、Dua Lipa、Nicki Minaj、Ice Spice、The Kid LAROI、PinkPantheress、GAYLEなどなど。私個人としては今までデュア・リパの良さを全然わかってなかったんだけど、今回の「Dance The Night」はすごく好き。MVの最後の方にはグレタ・ガーウィグ監督も出てきます。

ということで最後の最後に『バービー』の予告編をあげてみます(日本向けのやつじゃないけど)。っと、この予告編見てさらに思い出した!バービー人形を作ってる会社のCEO役のウィル・フェレルも相変わらず最高!映画『バービー』、面白いし素晴らしい作品なので是非たくさんの方に観てもらいたいです!!

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