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午前中に都電荒川線に乗った。 都電はお年寄りの乗車率が多いので普段は席が空いていても座らずに、次もしくはその次に乗ってくるであろうお年寄りのために空けておく。 その日は徹夜明けで疲れていて、席もガラガラだったので座っていた。 そもそもなぜ都電がお年寄りの乗車率が高いかというと庚申塚という駅があるからで(たぶん)、その駅は巣鴨の地蔵通り商店街と直結している。巣鴨は言わずと知れたおばぁちゃんの原宿で、地蔵通り商店街と言えばとげぬき地蔵があるお寺の前を通る商店街だ。 おばぁ
朝の通勤ラッシュもひと段落つき、乗車率で言うと70%程の電車の中。僕の向かいの席に座り、ルイ・ヴィトンのトートバッグを持った70歳前後であろう女性の話。 年配なりに着飾ってはいるがくたびれた服。ほぼ白髪で手入れのされていない髪はやつれた感があり、靴も古く薄汚れたパンプス。その風貌とピッカピカのルイ・ヴィトンが相まってなんともいえない荒廃感が漂う。何が彼女を突き動かすのか、髪や服装はどうでもよくても、バッグだけはということなのだろうか。まさに究極の一点豪華主義。もはやその