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一度も就職したことない、現役デザイナーさんのお話を聞いてきた
市が主催しているセミナーに参加してきた。
「20年間、一度も会社に就職したことない現役デザイナーさん」のお話を聞く会。
どこかの会社で経験を積まずに、20年もデザイナーを続けてることが凄いと思って、告知を見た瞬間、セミナーの参加を決めた。
私もチラシのデザインやWEBデザインをしているので、名刺の肩書は「デザイナー」と記載している。
なんだかんだデザインの仕事は新卒時から細々としているが、やっぱりまだ自分が「デザイナー」と名乗るのは、気恥ずかしい気もする。
お金も頂いてデザインしているのだから、立派に仕事してるやん!!と思う自分と、こんなんで名乗っていいのか…?と不安に思う自分がいる。
そんな自分の不安を少しでも吹き飛ばしてくれないかなぁと思いながら、セミナーに参加した。
せっかく参加したので内容をまとめてみようと思う。
デザインってなに?
お客さんがしたいことをするために、デザインを制作する。
自分の中に常に正解がなくても、お客さんの話をじっくり聞き、会話のキャッチボールをしてボールを投げ返しながら、作り上げればいい。
お客さんによって「良いデザイン」「欲しいデザイン」は変わる。
日本のデザインは「見た目」に囚われすぎている。
分かりやすく何かしらのマークなどの形で表現したがるが、もう少し設計や構想を意識して制作する必要がある。
何気ない日常を疑う
最近の出来事なら「なぜスーパーから米がなくなっているのに、コンビニのおにぎりはなくならないのか?」など身近なことに疑問を持つことが大事。
「なぜ?」を常に考える。
デザイン以外にも自分が良いなぁとかやりたいことは積極的に動いてみる。
人に言われてやるのではなく、自分からやってみたいことをやってみて、薄く長く続けてみると見えてくる風景がある。
片手は常に空けておく
仕事をするときでも、フットワークを軽く、余裕を持つ。
「これ無駄じゃない?」ということが後々どこかで何かしら効いてくる。
誰かが自分のドアをノックしてくれたときに、すぐ動けるかを考える。
動けるように、両手で運転はせずに、片手は空けておく。
週休2日、1日8時間働くことにも疑問を持っていた。
このデザイナーさんは午前中はお客様の仕事、午後は自分がやりたいことをやってるそうだ。
フリーランスだからできる働き方を実践してる。
モニターばかり見ない
どうしても私たちの仕事はパソコンとにらめっこしてしまう。
モニターの外に目を向けてみることが、今後は価値が大きくなる。
人と会う「ライブ性」が重要になってくる。
AIについて
AIの存在が仕事を奪ってくるかもしれないが、AIにも得意不得意がある。
また産業革命のときみたいに、新しい仕事も生まれるだろう。
仕事ではAIをバリバリ利用してるので、上手く活用すればいい。
無理に繋がらない
SNSが発展してきて「繋がり」を意識してしまうが、無理に繋がらなくても良いし、SNS自体は見なくても良い。
ネット上で繋がることよりも、今後は「リアル」で人と繋がることが大事になってくる。
感想
話上手なデザイナーさんで、笑いを堪えるのが大変だった。
ご本人も話していたが、市からこんなタイトルでセミナー依頼がくるなんて、時代が変わったなぁと驚いていた。
数年前は「一度も会社で勤めたことがない」と言えない雰囲気があったそうだ。
感覚としてコロナ前とコロナ後でものすごく変わったと話されていた。
私自身もセミナータイトルを見たとき「市、攻めてるなぁ」とびっくりした記憶はある。
会社に所属せず生き残れたのは、必要なときに自分の力で動けるだけの行動力が、とにかく桁違いだったからだと思う。
世代もあるかもしれないが、バイタリティが半端ない。
基本的に独立する人は、どこかしらの会社で経験を積んで独立することが多いと思う。
そんな中、自分の腕一本で最初から生きてこられたのは、体力、気力、とにかく行動が凄かったからだと思う。
あと時代の変わり目や流行りや廃りの匂いをキャッチするのが上手な印象を受けた。
良い意味でこだわりがないというか。
誰でも真似できるかと聞かれれば、ちょっと無理かもしれない。
私も話を聞いていて「すごいっ!でも私にはここまではムリだ…」と思っちゃった。
自分に合うやり方はあるよね。
お話を聞いていると最初から最後まで、デザインを制作する上で、お客さんや周りの人間とのコミュニケーションを大事にしている印象を受けた。
手掛けてきたデザインの紹介があったが、どれも、お客さんとの繋がりが感じられるデザインが多かった。
自分も仕事をしていて、デザインを作ること自体よりも、どれだけお客さんの考えや気持ちを引き出せるかが大事だということは身にしみて思う。
とにかく人が大好きなんだと思えるデザイナーさんだった。
デザインの仕事をするには自分の中に、誰にも負けない発想力が必要ではないのかと思っていたが、相手の中から情報を探し出して、何かしらのカタチを作るような考え方で良い。
「一緒に作り上げていく」を意識を持つ。
もちろんお客さんの要望をカタチにできるように、自分自身の中にアイデアの引き出しはたくさんあったほうが良いが、あくまで相手の中から探す。
どの仕事でもそうだと思うが、やっぱり最後は「コミュニケーション」が大事になってくる。
人にできるだけ会わず、黙々と仕事をしていたいと思っている自分には耳が痛い話だが…。
話すのがとにかく苦手なので、できるだけテキストでコミュニケーションを図りたい。
それでも仕事をする上では誰かと関わることは避けられないし、実際に会って話したほうが得れる情報量は大きい。
「苦手だ」と言いながら避けるだけじゃなくて、とりあえず外に出てみることはしようかなと思った。
将来に向けて、できることからコツコツと真似していこうと思う。
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