MBWAしていますか?
今、稲盛和夫氏の「こうして会社を強くする」(PHPビジネス新書)とジムコリンズ氏の「ビジョナリーカンパニーZERO」(日経BP社)を読んでいるのですが、たまたま同じタイミングで「MBWAが大切」という言葉に出くわしました。
MBWAとは?
MBWAとはマネジメントバイウォーキングアラウンド(Management by Walking Around)の頭文字を取った呼び名で、組織のマネージャーやリーダーが定期的にオフィスや作業現場を歩き回りながら、直接従業員とコミュニケーションを取り、情報収集や問題解決を行うマネジメントの手法です。要はマネージャーは現場を歩き回れということです。
MBWAのアイデアは、1970年代にトム・ピーターズとロバート・ウォーターマンによって提唱されました。彼らは「エクセレント・カンパニー(優れた企業)」の研究を通じて、成功している企業の中には、マネージャーが現場で直接従業員と対話し、情報を収集することで組織のパフォーマンスを向上させているという共通点を見つけました。
MBWAの主な目的は、以下のような点を達成することです。
目的①コミュニケーション促進
マネージャーが直接従業員と対話することで、コミュニケーションの壁を取り払い、組織内の情報フローを促進します。従業員は直接意見や問題を伝えることができ、マネージャーも現場の状況やニーズを把握することができます。
目的②問題の早期発見
マネージャーが現場を歩き回ることで、問題や課題を早期に発見し、迅速に対処することができます。これにより、問題がエスカレートする前に解決策を見つけることができます。
目的③モチベーション向上
マネージャーが直接従業員と関わり、彼らの業績や貢献を認めることで、従業員のモチベーションを向上させる効果があります。また、従業員がマネージャーに直接フィードバックを提供できることも、彼らの関与感と満足度を高める要素となります。
MBWAを実践する際のポイントは以下の通りです。
実践ポイント①頻度と継続性
マネージャーが定期的にMBWAを行うことが重要です。一度だけでは効果が薄くなる可能性があります。一定の頻度で続けることで、従業員との信頼関係を構築し、効果を最大化することができます。
実践ポイント②関心とフレンドリーな態度
マネージャーが現場を歩き回る際には、従業員に対して関心を持ち、フレンドリーな態度で接することが重要です。従業員はオープンに意見を述べることができる環境を感じる必要があります。
実践ポイント③聴くこととフィードバック
マネージャーは従業員の意見や問題を真剣に聴き、フィードバックを提供することが求められます。ただし、フィードバックは建設的かつ具体的であることが重要です。
実践ポイント④問題解決と行動
MBWAによって発見された問題や課題に対しては、迅速かつ適切な行動を起こすことが重要です。従業員は、自分たちの声が反映されることを実感することで、より高い意欲と協力を示す可能性があります。
稲盛和夫氏もジムコリンズ氏もどれだけ会社が大きくなろうが、現場を回ることが大切だと言っています。経営は現場で起きている。意識していきたいですね。
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