見出し画像

経営改善のツボ④資金不足の改善法【短期的措置】

今回は、資金不足の改善方法をお伝えします。今回は、短期的に実施出来ることをご説明します。まずは出血を止めることです。
資金不足の要因を把握する方法はこちらからご覧ください。↓↓


【短期的措置①】
不良在庫の現金化

商品在庫の内、特に不良在庫は仕入れた商品や製造した商品に係る経費、現金が眠っていることと同じです。早期に現金化しましょう。セールや値下げをする等で赤字であっても現金化することの方が優先です。

【短期的措置②】
売掛金の早期回収

売掛金の内、滞留しているもの、未回収のものがあれば早急に支払いのお願いに行きましょう。お客様だから回収に行きにくい、嫌われたくない等で未回収のままになっていることが多いです。売上を上げて、資金を回収するまでが営業(社長)の仕事です。

【短期的措置③】
保険の解約や無駄な経費の見直し

生命保険などの固定的に掛かる経費を早急に見直しましょう。固定費とは売上の変動に関係なく発生する経費のことです。役員報酬や人件費はもちろん固定費ですが生活に直結するので、即効性には欠けます。いずれ見直しは必要ですがそれよりも毎月サブスク的に支払っている経費を見直しましょう。多いのが、生命保険料です。景気がいい時に節税のために加入する経営者も多いですが、資金繰りが厳しい時は別です。
また「雑費」も特定しずらい項目ですが、販売管理費の内多くを占めていることが多いです。この中で無駄な経費は無いのかを見直してみましょう。

【短期的措置④】
税金の分納を依頼する

消費税や法人税、固定資産税等の税金や社会保険料等の負担も大きいです。いずれ支払う必要がありますが、一括で支払うのを分割で支払う(分納)をお願いすると短期的な資金繰りは軽減されます。まずは税務署や自治体窓口、社会保険事務所に行って分納が出来るかどうかを相談しましょう。必要に応じて分納計画を提出します。
注意するべきなのは、支払い期限が来ているけど、窓口に相談せずにほっておくことです。ほっておくと、差し押さえ(預金・売掛金・不動産等)が来て経営が継続できなくなる可能性があるので、こまめに窓口に相談することが大切です。また期限を過ぎて支払う部分には基本的に延滞税が掛かります。

【短期的措置⑤】
借入金の元金返済を一時的に猶予してもらう

金融機関への借入金の返済を一時的に猶予してもらうという方法があります。これは元金のみで、金利の支払いは原則的に猶予できません。一般的には半年間程度の期間で猶予をお願いするケースが多いです。
ただ複数銀行取引があるのであれば、メイン行を始めとして全銀行同じタイミングで猶予してもらうようにお願いするのが公平です。
この返済猶予をしてもらうことは資金調達をしたことと同じになります。例えば月20万円の返済を6カ月間猶予した場合には20万×6か月=120万円の調達をしたことになります。

猶予する代わりに、その後の事業計画や収支計画、返済計画等の経営改善計画を求められることがあります。その際には、顧問税理士や中小企業診断士等の認定支援機関にサポートを受けることをお勧めします。計画を策定する費用の補助が受けられる中小企業庁の「経営改善計画策定支援事業」を利用する手もあります。↓↓
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/05.html

経営改善計画策定支援事業の利用イメージ

いかがでしたでしょうか?短期的に資金繰りを改善する方法をお伝えしました。そのほかに、金融機関からさらに借り入れをするという方法もあります。またビジネスローンや親族からの借り入れも考えられます。しかし、借り入れはいつかは返済をしなければなりません。一時的に資金繰りが楽になりますが結局返済負担が増えるため、さらに資金繰りが厳しくなる可能性があります。

資金繰りが厳しい要因を明らかにし、根本的に経営体質を改善することが大切です。

いいなと思ったら応援しよう!