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【私的Disc Review-005】上田正樹 ‎– HUSKY

毎年一回、夏になると大阪に赴き四天王寺の盆踊りと寄席に行くのが恒例行事となっていた。
しかし今年は行けなそうだ。四天王寺の盆踊りは河内音頭の河内家菊水丸が3時間ぶっ通しで歌い切るという熱唱ライブだ。太鼓とギターが左右の櫓の上で演奏し、真中の櫓で菊水丸が熱唱。いつも正面の境内に座って楽しんでいる。
寄席は天満にある上方落語協会が運営している「繁昌亭」に行っていたが、去年は動物園前の「動楽亭」と言う米朝事務所が運営している小さな寄席に初めて行ってみた。
小さい寄席なので高座との距離が近く噺家さんの表情までよく見えるので噺に没頭できる。
ここへはある落語家さんが目当てて行ったのだ。
「桂りょうば」最近注目している噺家さんでまだ二つ目(野球でいうところの2軍)でありながら落語は上手いと思う。
それもそのはず。彼は名人と言われた桂枝雀(故人)の実子であり小さい頃から父親の稽古を見て少年時代に少し落語をやっていたからだ。
その後、中島らもの劇団に参加したりSHAMEというバンドのドラマーとしてメジャーデビューしたりするも、40代にして落語に目覚め桂ざこばに弟子入りする。そこからは落語一筋で今も修行中だ。
毎夏大阪に行くのが楽しみなのだが盆踊りも中止、落語はかろうじてやってるみたいだがこのコロナ禍で行く事を躊躇っている。
河内音頭と落語。この二つにはDJと共通する感覚が入っていると思う。
演目も決めずにお客さんの前に出てきてから、その日のお客さんの状態を見て持ちネタの中から演じる。まるでDJと同じだ。というか、DJが河内音頭的であり落語的であると言った方がいい。

上田正樹 ‎– HUSKY

レーベル : CBS/Sony
フォーマット : LP
国 : Japan
Year : 1983

大阪の曲といえば?なんてベタな質問にはベタな回答。
BORO -「大阪で生まれた女」
上田正樹 -「悲しい色やね~Osaka Bay Blues」
になるんじゃないだろうか?

で自分的にはどちらが好みか?というとやはり上田正樹である。
ブラックミュージックをベースとしていち早くレゲエやファンクを取り入れたのもこの人だ。
1984年にはジャマイカのSLY & ROBBIEとのLIVEアルバムを出している。
84年にスラロビを大阪に呼んでバックにしたがえライブやるなんてなかなか洒落ている。

1983年のリリース。A面出だしから3曲がDJとしてはよく使う。
A-1「Jamaica In Your Eyes 」レゲエ経由シティポップ行き
A-2「City Junction 」AOR経由シティポップ行き
A-3「Just Dance The Night」エレクトリックブギー経由シティポップ行き

A-3「Just Dance The Night」

サウンド的には今流行りのDISCO BOOGIEサウンドでこの当時の海外の最新DISCOサウンドを意識した音だ。
この辺のサウンドは今かなり流行っていて軒並み12インチシングルなどが高値で取引されているし、新たにこのサウンドを取り入れるアーティストも出現している。海外のそういった動きとともに山下達郎など日本人アーティストも再発掘されレコードの中古市場で高値で取引される要因となっている。
幸いなことにこのアルバムはそんなに値段はついていないが、いつ高騰するかわからない。曲が素晴らしくアルバム収録曲も良いだけに、、、。
ちなみに去年は1000円台で見かけたが今年に入ってから2000円台でしか見ない。

この曲をかけると必ず二、三人は「この曲なんですか?」と聞いてくる人がいる。
今やシャザムとかそんなので、すぐ曲名がわかるらしく一人完結してしまうがこれシャザムにはないのかよく聞かれることが多い。
やっぱそうやって一つの曲でコミュニケーション取る方がいいと思うんだけどな。すぐになんの曲かわかる便利さに引き換えて、人とのコミュニケーションの機会は奪われている。人と人の繋がりってどこでミラクルが起きるかわからないしそういう方が大切と思うんだが、、、。

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