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【NYY】ノンテンダーとBauers放出【Short】

先日、2023年シーズンのアワードが発表されましたが、大谷翔平とRonald AcuñaがMVPを受賞。これ、逆張りなのかもしれませんが、いまだにポッと出のAcuña ”Jr.”という呼称には抵抗があります。そして犬谷も強烈でしたね。あれだけストイックな男が、無邪気イッヌを前にすればあのデレデレですからね。俄然、親近感がわきました。
NYYからは大方の予想どおりGerrit Coleがサイヤング賞を満票受賞。大型契約4年目にして、ヤンキースの偉大なレジェンドに仲間入りを果たしました。

となれば、いよいよ本格的にストーブリーグの火蓋が切られるわけですが、11月17日にはテンダー・ノンテンダーの期限がやってきました。ヤンキースの動向は以下のとおり。

◎ノンテンダー(3名)
RHP Albert Abreu
LHP Anthony Misiewicz
RHP Lou Trivino

来季1MM程度予想でオプション無しのAbreu、最低年俸のMisiewiczについては飽和したロスター・ブルペン整理の意味合いが強いですが、今季全休に終わり、来季の復帰も遅れる見込みであるTrivinoをノンテンダーにしたことで4MM程度の削減に成功。昨季TDL後の彼はなかなかに楽しみな転身を見せていただけに残念ですが、HolmesとKahnleの次に高年俸のブルペンアームに位置するのはさすがにリスキーだったか。

注目が集まっていたとすればKyle Higashiokaの動向でしょうか。予想どおりノンテンダーにはならず、この冬の放出を目指していく形にまとまりそうですね。Higgyは調停にて2.2MM程度を受け取る予定。

そしてノンテンダーの期限直前には1件のトレードが成立しています。

☆NYY獲得
OF Jace Avina 20歳
OF Brian Sanchez 19歳

★MIL獲得
OF/1B Jake Bauers 28歳

来季1.5MM程度を受け取る予定であったBauersがブリュワーズへトレード。その対価としてLowerクラスの若手外野手2名の獲得に至っています。

Bauersは昨季よりNYY傘下3Aに加入すると今季は対右投手相手のプラトーン要員として活躍。実際RHP相手に限れば12HR OPS.720と当社比であればそこそこの働きを見せてくれました。
一方で、Everson Pereiraのデビューや来夏のJasson Dominguez復帰を加味すれば外野デプスはすでに満杯になることは必至であり、上記の3名に加えてBauersのノンテンダーは既定路線でありました。

 そんな中、ミルウォーキー・ブリュワーズでは話題をかっ攫う大ニュースが。ここ数年、トップTier投手として君臨していたBrandon Woodruffがノンテンダーに。シーズン終盤に怪我が発覚し、2024年全休が決まっていたことや、その2024年オフにFAとなることを考慮すれば、来季11.6MM程度が予想されているWoodruffを手放す判断は妥当といえます。
そして共にブリュワーズからノンテンダーとなったのが一塁手のRowdy Tellez。彼も半ばRHP相手の長打力を期待されているパワーバットであったものの、昨年から成績が急落。それに対して来季年俸予想が5.9MM程度であったことで、ノンテンダー筆頭候補となっていましたよね。
そんなブリュワーズにとっては来シーズンのポストTellezを確保する必要があった訳で、4.0MM以上も格安かつ同じ役割を期待できるBauersはうってつけの選手。ノンテンダーとなって他球団に横取りされる前に、若手有望株を放出してBauersを確保したという見方ができます。

一方のヤンキースとすれば、はなからノンテンダー前提であったBauersから若手有望株2枚をゲットできたことは願ってもない僥倖。らしくないソリッドな動きであったといえます。(Tellezのノンテンダーを嗅ぎつけてMILへコンタクトを取ったのであればCashmanナイス。MILに持ちかけられたものならば、縦に首振っただけだろうから、Cashman全然すごくない)

◎獲得した若手有望株

・Jace Avina

2021年14巡目にてドラフト指名された右投右打の外野手。すでにネバダ大学にリクルートされていたものの、ブリュワーズが6巡目相当額のスロットを充てて獲得した大器。昨季ACLでデビューすると、19歳ながら10HR OPS1.066 ISO.336を記録しMVPに輝く活躍を見せました。今季もLow-AにてBA.233 14HR 10SB OPS.815 134wRC+という成績を残しており、チーム傘下でもTop30入りを果たしていたプロスペクト。勿論、ACLですら30%前後を記録した三振の多さはリスク大ですが、今季Low-AにてBB%=14.0を記録していることからも、単なるフリースインガーにはならなそうなのがGood。

Rule5イリジブルは2025年オフという若さからも分かるように、ここから2年もの時間がある点、NYYのデプスに高卒外野手(もっといえば中堅手)が皆無な点を踏まえれば、「こんな選手もろてええんですか…?」となります。

先ほども書いたように、K%は危険水域であるものの、今季7月1日以降に限ればK%を24.3%まで押さえ込んだ上でBA.310 8HR BB%=14.1 ISO.290 OPS1.035 wRC+187というリーグ最高クラスの成績を残しており、既に自身の中で答えを見つけているのではといったところ。
やはり彼の最大の魅力は年20-30HRを記録できるようなPowerツールでしょうか。FB%やLD%が高くGame Powerが秀でており、Kris Bryantのような強くも柔らかいリストワークによって右方向にも長打を放つことも。

Runツールは中堅手としては平均程度であるものの、Jump・Root共に良好でBaseball Prospectus算出のRDAにおいてはCF±0、RF+0.9、LF+0.3を計測。Armも元来より高い評価を受けており、低く見積もってもプラスをたたき出せる両翼に落ち着けるかと思います。

繰り返しになりますが、本当にBauersでAvinaを貰えたのは驚き。Kevin AlcantaraがCHCへ移籍していなければここまで歓喜していなかったんですが、如何せんCFのDepthが薄いのでフィットも完璧です。

・Brian Sanchez

さらに驚きであったのがこのトレードが1対1でなかったこと。DSLのティーンエイジャーであるものの、NYYが大好物の6'3''級の高身長外野手をゲット。昨年のIntFAクラスにしてはすでに来季20歳と高齢であるものの、Avina同様に枯渇した外野手プロスペクトを補填する上では全く異存ない選手かと思います。(先週まとめたように内野手プロスペクトは逆に飽和している

DSLにてBA.297 OPS.860を記録しており、HRは0本ながら2塁打が7本、3塁打が4本とパワーレスではなさそう。K/BBも非常に優秀であり、Game Powerの修得よりもピュアヒッターを目指すのは全然ありかと。Rumfieldみたいに急に転身することも有り得そうだけど…。

Instagram等で本人の映像を探しましたがなかなか見つからず。来季FCLにてアメリカデビューするのを楽しみにしたいと思います。

そもそも”brewers brian sanchez”というサジェストで11/18以前にヒットする検索結果が全然ないのよ…。

総括

ノンテンダーとトレードによってNYYが7MM程度のコストカットに成功。また、Rule5プロテクトによって満員となっていた40manロスターについても4枠を空けることができました。ここをどう埋めていくかについては12月に明らかになるでしょうか。

あまり他球団からプロスペクトをもらう側の球団ではないため、不思議な感覚。直近でもIndigo Diaz、Caleb Durbin、Clayton Beeter、TJ Rumfield、Joel Valdezくらいしか思いつきませんし…。
Durbinみたいに思わぬ産物も産まれていることから、大いに期待して来季を迎えたいと思います。


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