読み手によってかなり印象が変わってくる書簡対小説。まさに大どんでん返し!!
ルビンの壺が割れた:感想
ただただ、呆然とさせられる。と言うのが正しいのでしょうか、、、
読み終わって直ぐに今感想を書いているのですが、初めての読後感過ぎて感想文をどの様にまとめたらいいのか考えあぐねています笑
と思いながらも、つらつら綴っていきます。
まず、この小説の進行が「書簡体小説」であるのが一つのポイントです。
現代に於いてこの形式(ジャンル)で展開している作品はそう多くないので、ほとんどの読書は新鮮な読み心地と衝撃を覚えたはずです。
偶然なことに、僕は去年読んだ辻堂ゆめさんの【あの日の交換日記】で既にこのタイプの作品に触れていたので、既読感と共になるほどそれが今回はメッセンジャーでのやり取りか、巧いな、と言うのが読み始めの印象でした。
交換日記や手紙だと、ある程度文体や文章に厳かさを求めて、固い表現や柔い文章だけどぎこちない感じになるものです。
勿論、それが小説という作品で展開するとなればその辺は自由自在なんですけど笑
メッセンジャーだとより、私欲的というか、私情を乗っけやすい気がするんです笑
最早現代日本に於いてSNSを使ってない人なんてほとんどいないでしょうから、僕が言わんとしてる事は何となくわかって貰えるはずですが、SNSでのやり取りって結構危ういんですよね😂
それぞれのSNSでの特色は勿論変わってくるのですが、個人的なやり取りの本質はどれも同じだと思います。
何でも気兼ねなく送れてしまう。
手紙やメールだと一拍置いてから、送信出来るのですが、個別メッセージだと一拍置かなくてもいいのです。
直ぐに訂正が出来るから
「ごめん、さっきの間違い!」とか、「あ、今の文はそう言う意味じゃなくて」とか、何とでも言えるのです。
いやほんと凄いですよねSNSって笑
つまり、多少の欲が混ざった文章でも簡単に送れるのです。
それを踏まえて、この作品を読んで行くと、メッセージのやり取りを重ねるにつれてどんどん滲み出てくるお互いの(特に水谷一馬の)[欲]がまさしく現代的に描かれていて、素晴らしかったです。天晴れ
読んでいくにつれて明かされる一馬と美帆子の過去と本性。
そして読者の心をグッと掴む一つのポイントとなる、お互いの家庭環境と大学時代の友人関係。
誰しもが、一つや二つは抱えてる誰にも言えない「秘密」をこの2人だけしか見てないメッセンジャーのやり取りでお互いに曝け出し始める様子を見せられたら、さすがに「釘付け」になっちゃいます😇
ズルいですッ笑
そしてクライマックスに近づくに連れどんどんエスカレートしていくやり取りですが、最後の最後の終着点に、冒頭に書いた様に呆然とします。編集の西山さんも付記で書いてましたが、まさしくその通りです笑
いいね👍100回くらい押したいです笑
勿論ただ呆然としてるワケではなく、あーなるほど…そう言う展開なんだ、いやでも結局そちらはそちらで、、という色んな考察が混じってますが、衝撃を受けてる事は間違いないですね😂
素晴らしい作品でした。
170頁と短く、サクッと読めるので、小説にハマりかけている人は是非読んでみてください😊
それではまた!あでゅ〜♪