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倫理観とは

北里先生の最新作をついこの間やっっっっっっっと読み終わった。購入してからなんだかんだで1ヶ月くらい経過した気がする……😭

北里先生の作品は主人公とその相棒(大体男女)のツーマンセルがひょんなことから医療関係の事件に関わる事になり、まあ事件解決に向かって奔走していく流れが常なんですけど、今回はその事件がかなり特殊なものでした。

医療ミスを巧みに利用した完全復讐劇

ミステリ小説って読んでると、大どんでん返しがあったり、巧妙なアリバイ工作があったりして、「うぉーー、やられたわコレは」ってなる事が多いのですが、この作品はそれよりも「なるほど…そうか、、確かにそう言うやり方があるのか…。」と寧ろ神妙な反応をする場面が多かったです笑

多分自分自身が医療従事者だからっていうのも関係してると思うのですが、やはり医療ミスについてここまで禍々しく描かれるとかなり刺さります笑

そしてそれぞれの医療職らしい人間性の描き方がとってもリアルでより親近感が湧きます笑

確かに看護師さん同士での噂が広まるスピードは異常だし、Dr.のお互いに突っかかるワケではないけど常に冷戦状態、みたいなのも凄い分かるし、解剖医はいい感じにどこかネジが飛んでる気がします😂(いい意味でです笑)

そしてこの医療職的人間性の病院内での描写がまた良かったです。
もう正に!!それ!!って感じでした。

看護師長の指示、Dr.に沼ってしまう看護師達…。
そしてここに患者も加り、超絶起こり得る状況に思わずシリアスな気持ちで読んじゃうくらいのストーリー展開。

本当、シリアスに面白かったです

特に僕が好きなシーンが、最後の相沢Dr.が元看護師長の高梨倫を殺そうとして呼び出したにも関わらず、そこで突然陣痛が始まってしまい、結局相沢Dr.がしっかりお産を手伝ってあげたところです。

あのシーンは素晴らし過ぎました。


結果的に高梨さんは亡くなってしまいましたが、相沢Dr.の葛藤そして選択、からの楠衣春に詰められ、憤怒してから脱力していく流れに相沢Dr.の人間らしさが如実に表れていて、良すぎました。

自分の婚約者にほぼ見殺し同然の対応をした元看護師長

殺そうと思えば、殺せる。そう思って呼びだしたのに、いざ土下座をされると虚しくなる、どうでも良くなる。

自分に心の底から許せない相手がいて、三年越しに高梨倫のように土下座をされたら同じようにどうでもよくなるのだろうか。

いざ同じ状況になってみないと自分がどんな感情、対応をするのか分からないっていう場面は多いけど、この時相沢Dr.の感じた「むなしさ」は少し分かる気がしました。

医療ミスを題材にした新作、とても面白かったです。

そして多分、楠衣春先生は僕のタイプです😌(どうでもいい情報)タヌキ顔の小柄な女子。そして解剖学者と来た。つくづく陽山承が羨ましい😤と読みながら思ってました笑すいません。

是非、気になった方は呼んでみて下さい〜!!
それではまた!あでゅ〜♪

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