化学物質過敏症の診断と病院
注釈
化学物質過敏症の診断
化学物質過敏症の社会的な認知度は上がりつつありますが、化学物質過敏症の診断が可能な医療機関は未だ多くはありません。
化学物質過敏症の診断をしている病院が少ないため、専門医の診察に、半年以上かかることもあります。
また、専門医に掛かれず、原因不明のまま、さまざまな病院を転々とすることもあります。
化学物質過敏症の急性的な症状で、救急受診することも少なくありませんが、そこで化学物質過敏症の診断に至ることは稀です。
別の病気と誤診されていることも少なくなく、総じて、診断に至るまでに相当の時間がかかることもあります。
化学物質過敏症が重症化してしまって、病院に通えなくなる場合もあります。重症化患者へのオンライン診療や訪問診療など、医療的な救済措置が必要な病気でもあります。
化学物質過敏症診断基準
化学物質過敏症の診断は、下記の症状を呈するかを基準として診断されています。この基準は、アメリカの国立衛生研究所にて定義された基準で、今日まで、日本の臨床研究の中でも改良が重ねられています。
1.慢性疾患である
2.再現性をもって現れる症状を有する
3.微量な物質の曝露に反応する
4.関連性のない多種類の化学物質に反応する
5.原因物質の除去で改善または治癒する
6.症状が多臓器にわたる
この他に、化学物質過敏症の診断に、眼科運動検査、平衡感覚診断、自律神経機能検査が診断に利用される場合もあります。
化学物質過敏症とアレルギーの合併は優位に多いとされていますが、化学物質過敏症は、現状のアレルギーの血液検査では、異常が確認されないとされています。
診断基準として、化学物質過敏症以外の疾患が、他診断において除外されていることが前提となります。
化学物質過敏症診療医療機関
適切な診断に辿り着けますように
化学物質過敏症診療医療機関(一部)
●渡辺一彦小児科医院 (北海道札幌市、院長:渡辺一彦) TEL:011-865-8688
●札幌でむら小児クリニック (北海道札幌市、院長:出村 守) TEL:011-826-5525
●そよ風クリニック (東京都杉並区、院長:宮田幹夫) TEL:03-5335-5135
●日野厚生クリニック (東京都日野市、担当医:坂部 貢) TEL:042-506-2130
●東京女子医科大学附属足立医療センター (東京都足立区、担当医:平久美子) TEL:03-3857-0111
●ふくずみアレルギー科 (大阪府大阪市、院長:吹角隆之) TEL:06-6940-2702
●典子エンジェルクリニック (大阪府堺市、院長:船越典子) TEL:072-254-8875
●国立病院機構高知病院アレルギー科 (高知県高知市、担当医:小倉英郎) TEL:088-844-3111
「化学物質過敏症を見落とさないために」より抜粋