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短編小説04「魔法少女マジカルセミタ」
――ガラスが、粉々に砕ける音が聞こえた。
同時に、向かって右手のガラスがパラパラと雪の結晶のように舞い、人影が飛び込んできた。
その人影は、目に痛いほどの極彩色の法衣――とでもいうのだろうか、長いマントのようなものを体中に巻きつけ、両手には手袋、足にはブーツらしきものを履いている――を纏った女の子だった。その娘が、風呂から出たばかりで腰にタオル、右手にこれから飲もうと思ってた牛乳のために持ってきたグラスを持った僕に言う。
「私、魔法少女セミタ。これから私と一緒にそのタオルを守って!」
――がしゃん、と
僕は聞いた。運命が割れる音を――
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