二代目社長奮闘記③ 私が「バックオフィス」という道を選んだ理由
このnoteでは、ベンチャー企業に入社した“バックオフィス系女子”が、「二代目」として事業を引き継ぎ、仲間と一緒に会社を運営するなかで感じた気付きや想いを、インタビュー形式で発信しています。
今回は、そもそもなぜ“バックオフィス”という領域でキャリアを描くことになったのか、その原体験の物語です。
生きる道を探すなかで出会った「バックオフィス」の世界
—— 先日は、スタミナの回復速度が上がる「緑花の指輪」を入手されたそうで、ますます仕事のタスク処理が捗りそうですね。
そもそも、土屋さんがバックオフィスという領域でキャリアを描き始めたキッカケは何だったのでしょうか?
土屋:
そうなんですー!これ TORCH TORCH ってアパレルブランドなんですが、この古びた質感のディテールがたまらなくて、繊細さと重厚感を併せ持つ造形が……
……って、なに言わせるんですか!前回のゲームネタをまだ引っ張ったうえに、質問への入りが雑!(笑)
私、実はリケジョ(理系女子)なんですよ。そして、学生時代には医療系を目指していた時期もあったんです。
—— そうだったんですか!理系とバックオフィスとはあまり縁がなさそうなイメージですが、どうキャリアが繋がっていったのでしょうか。
土屋:
学生時代、勉強は好きだったんですが家庭の事情などもあって、なかなか夢を追いかけられない時間を過ごしていました。高校時代には、塾代を稼ぐためにアルバイトしたりしてましたねー。
大学は奨学金をいただけて化学系の学部に進学したんですが、いろんな事情で途中で諦めざるを得なくなって。それで、就職先を探していたときに初めて「バックオフィス」という世界を知ったんです。
でも当時は、クラウド会計の「ク」の字もない時代ですからね。就職先が昔ながらの会社だったこともあり、Excel すら使ってなかった。手書きの伝票をひたすら電卓たたいて計算してました。2009 年のことです。
—— そうか、freee や マネーフォワードは設立が 2012 年だから、2009 年だと “クラウド会計” や “フィンテック” というワード自体がまだ日本に存在しないんですね。iPhone 3GS が出たころか…なんだか懐かしいです。
土屋:
アナログなお仕事をしていたのは、「私自身、当時はまだ PC スキルがぜんっぜんなかった」っていうのもありますね。入社試験のタイピングの課題がクリアできなくて、何社も落ちたくらいなので(笑)
そのあと、結婚・出産でいったん仕事から離れることになるんですが、予定日が近づくにつれて「将来、再就職しようとしたときに、どうなるんだろう」っていう不安が募っていくのも感じていました。
学歴は途切れてしまっているし、社会人歴も長くない。それでも食べていくために自分はどうすべきだろうって。
そこで、なにか事務系で役に立つ資格はないかと “事務職で役立つ資格 30 選” みたいな雑誌記事を眺めていて、見つけたのが簿記だったんです。
—— ここで簿記との出会うわけですね。学生時代に医療系を志していたのであれば、例えば “医療事務” という選択肢もあったんでしょうか?
土屋:
そう!それも考えました。でも医療事務の場合、資格学校に通わないと就職で不利になるので「独学が難しそうだな」というのと、私は飽きっぽいので「より汎用性がある資格の方が合ってそうだな」という思いがあって、簿記を選んだ感じですね。
理系だったので数字を扱うのにアレルギーはなかったですし、独学もできそうだから「これ、良いじゃん」と。
臨月の大きなお腹を抱えてまず 3 級を受験しました。そしたら意外にも簿記にハマってしまって。経理って、まるでパズルみたいだな!って。
—— “簿記にハマる” って、なかなかのパワーワードですね。「経理はパズルみたい」というのは、どういうことでしょう?
土屋:
経理の “仕訳” の業務って、貸借を付き合わせてお金の出入りのデコボコを消していくじゃないですか。それが「パズルみたいだな」って思ったんですね。
私、もともとパズルが大好きで、コツコツと “仕訳” というピースを組んでいき “決算” という結果を出すというのが、何ともパズル的だなって。
—— なるほど。もし当時、医療事務を選んでいたら、そうして簿記にハマることもなかったし、今こうして社長になることもなかったワケですね。
土屋:
そうですねー!さっき私は飽きっぽいタイプだと言いましたけど、もう少し具体的に言うと「常に、何か新しい要素を求めている」って感じなんです。
そういう意味では、バックオフィスは経理や労務など幅広い領域に関わることができますし、法制度やツールもどんどん新しくなるので覚えなきゃいけないことも尽きません。私のタイプにピッタリ合ってるなって思いますね。
未来は自分の力で切り拓く
—— 土屋さんが出産後の再就職を考えて資格勉強したり、今こうして事業を引き継いでお仕事をしたり、実際に “行動” を起こせている原動力はどこにあるんでしょうか?
土屋:
そんなにカッコイイもんじゃないんですよー!なんだろうなぁ、私のなかの “くやしさ” が原動力になっている気はしますね。
—— “くやしさ” ですか。
土屋:
学生時代、自分じゃない誰か・何かのせいで夢を諦めなきゃいけなくなって、その経験から「結局のところ、人生は他人に頼っていちゃダメだ。自分で何とかしなきゃいけない」という想いを強く抱くようになりました。
特に、私は周りより比較的はやく結婚・出産をしていたので、「学歴のない自分がどうやったら食いっぱぐれず、子どもたちを養っていけるのか」ということをずっと考えていたんです。
だからこそ、他人に頼らず自分のアタマで考えて、先を見据えて準備できることをできるだけしておきたいっていう気持ちは、常に持っていますね。
—— なるほど。「先を見据えて準備をしておく」というのは、「毎月業務の〆切が決まっていて、それを見据えて日々の業務を滞りなく行う必要がある」というバックオフィスにおいても、大切なマインドセットな気がします。
土屋:
そうですね。バックオフィスに限ったことではないですが、仕事って自分の仕事の成果が誰かの仕事に繋がっているじゃないですか。だから「自分のせいで誰かが何かをできなかった」ということにならないようにしたいんだと思います。
そう考えると結局、「先を見据えて準備する」っていうのも自己満足的かも知れないですね。自分のためにやっていることが、巡り巡ってたまたま誰かのためになっているだけかも知れないなぁ。
—— 自分のポリシーと自分の仕事にまっすぐ向き合うことが、巡り巡って誰かのためになるって、とてもステキな気がします。“この先” を見据えたときに何かやりたいことはありますか?
土屋:
今は本当に良いお客様に恵まれているので、月並みですが、さらにお役に立てるようにスキルアップしていきたいですね。
このシリーズのタイトルは “二代目社長” ですが、当社内のポジションとしては「社長だぞ!デデーン!!」というわけではないですし、お仕事上は現場でメチャメチャ手を動かしているので、できることや知識の幅をもっともっと拡げていきたいです。
あと、個人的に 30 代のうちに成し遂げたいなーという目標があって、少しずつ取り組んでいるところです。個人的な目標なので、詳細は内緒です(笑)
—— 気になる(笑)では目標を達成した暁には、ぜひ教えてください!
◀前回のお話(奮闘記②)はこちらで読めます👇
◀◀前々回のお話(奮闘記①)はこちらで読めます👇
【PR】Brownies Works のご紹介
私たち Brownies Works は、シード期〜シリーズA後のスタートアップ企業を中心に、バックオフィスの構築・運用を支援するサービスを提供している会社です。
私たち自身はスタートアップではありませんが、社会課題の解決やイノベーションを志し、成長を目指すスタートアップ企業の皆さまをバックオフィスという領域で支えることで、より良い未来を創るお手伝いをさせていただきたいと考えています。
特に、シード期〜シリーズ A 後の「これからの事業成長に備えて、体制を作っていかなければならない」というフェーズにおいて、もっともお役に立てるのではないかと思います。
これからも弊社一同、お客様のお役に立てるよう努めてまいりますので、今後とも Brownies Works をよろしくお願いいたします。
もしも、「バックオフィスの専任メンバーを雇いたいけど、なかなか見つからない…」「CxO がバックオフィスを見ているけれど、もっと本業に集中できる体制を作りたい…」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。ご相談はもちろん無料です。
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