喉元すぎれば
ようやく喉の痛みが治まってきた。
喉元すぎれば、忘れるのは熱さだけではない。
あの切れるような痛みも忘れてしまえば、寝込んでいた間に恨んでいた己の不摂生を、悔い改めるという誓いも、半日もせずに忘れ去られているようだ。
快方へ向きはじめ、自由になった身体の開放感。
それと、予想以上にベッドの上で無為に費やしてしまった時間への焦り。
そんなどうでもよい気持ちに駆られて、普段以上に空回りを始めるのだ。
既に短いとはいえない人生のうち、もう何回こんな病み上がりを繰り返しているのだろう。
経験を重ねると、次はいくぶんマシに出来るよう、人は何かを学ぶものではないのか。
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