browneyes

【関心】写真/ナスタアリーク書道/南亜細亜のイスラーム圏、主に🇵🇰/アフリカの仏語圏、主に🇨🇩/音楽と文化と言語と食【音楽】ローカル向け現代・古典・宗教音楽(欧米向け「ワールドミュージック」ではない)/ヒプホプ・ソウル/ https://linktr.ee/qtbrowneyes

browneyes

【関心】写真/ナスタアリーク書道/南亜細亜のイスラーム圏、主に🇵🇰/アフリカの仏語圏、主に🇨🇩/音楽と文化と言語と食【音楽】ローカル向け現代・古典・宗教音楽(欧米向け「ワールドミュージック」ではない)/ヒプホプ・ソウル/ https://linktr.ee/qtbrowneyes

マガジン

  • 叙情叙事にっき

    作文のれんしゅう

  • スナップ

    選択のれんしゅう

最近の記事

  • 固定された記事
+4

OrdinaryDaysから

    • 子烏

      屋上のすぐ脇に繁っている、名前のわからない実をつける木。 犬は屋上に落ちたその実を齧るので毒ではないらしい。 その枝には大抵、烏が止まっている。 他の烏も行ったり来たりはするが、主にある烏の親子がそこを縄張りにしている。 親子と言っても、私がここに来た夏には充分に成長していた。 やや小ぶりなだけで、すっかり烏だ。幼鳥の面影はほぼない。 たいてい母烏は、子烏をそこに置いて、餌を取りに行く。 子烏は枝からはほとんど動かず、母烏が戻るまで、ただただ鳴き続ける。 十数分で母烏

      • カラフルな羽根

        居候先にはインコが4羽か5羽いる。 いた。 末っ子がどこかで気まぐれに買ってきて、実際面倒をみるのはおばあちゃん。 よくある話。 この鳥誰の? 僕、おばあちゃんに買ってきてあげたんだよ。 私はもらってないよ、あんたのだよ。この鳥誰の? ……僕の。 この家同様、立派な大きさの鳥かごに近づいて中を覗き込む。 あれだけお喋りをしていた鳥たちが一斉に静まる。 この鳥たちは誰かには懐いてるんですか? 誰も面倒をみないんだから懐くわけないじゃない。 私がこうして毎日少しだけ籠を日

        • 鳶柱

          マグリブの時間の空を見るのが大好きだ。 半分はそのためにここに居ると言ってもよい。 マグリブ時間はまさに日没時間。 陽の落ちる時間。 ここではそこに祈りの時間を告げる無数の声が響き渡る。 声はほぼ同刻とはいえ、バラバラと始まる。 それぞれの抑揚も長さも異なる。 声の主も異なる。 そのため、声の溶け合い方も常に異なる。 はじめは遠くから小さな声が聞こえ始める。 声が重なり合うにつれ、声の集合体は大きくなる。 告げ終わった声が徐々に消えていき、やがてまた遠くの遅れた声も消え、

        • 固定された記事

        OrdinaryDaysから

        +4

        マガジン

        • 叙情叙事にっき
          5本
        • スナップ
          1本

        記事

          夜香木

          普段は水差しは夕食後には部屋に持ってくる。 今日はすっかり忘れていた。22時。 手元にある水差しに残った水はグラスに半分もない。 この家の夜は早い。 遠いダイニングルームまで、そっと取りに出る。 広くて長い廊下は誰もおらず、ひっそりとしている。 ところによりぼんやりと灯りがついている。 ところにより暗闇が広がっている。 8年前に印度で買って愛用している手縫いの室内履き。 最近になって歩くたびにキシキシと音を立てるようになった。 縫製はしっかりしていたので残念だ。 廊下か

          喉元すぎれば

          ようやく喉の痛みが治まってきた。 喉元すぎれば、忘れるのは熱さだけではない。 あの切れるような痛みも忘れてしまえば、寝込んでいた間に恨んでいた己の不摂生を、悔い改めるという誓いも、半日もせずに忘れ去られているようだ。 快方へ向きはじめ、自由になった身体の開放感。 それと、予想以上にベッドの上で無為に費やしてしまった時間への焦り。 そんなどうでもよい気持ちに駆られて、普段以上に空回りを始めるのだ。 既に短いとはいえない人生のうち、もう何回こんな病み上がりを繰り返しているのだろ

          喉元すぎれば

          Hello world なのです。

          Hello world なのです。