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【MD'#7】 はっぴいえんど / 暗闇坂むささび変化

MIDWEEK DIGGIN' #07
はっぴいえんど / 暗闇坂むささび変化 (風街ろまん / 1971)


風街ろまん / 1971

- ABOUT -
大瀧詠一、細野晴臣、鈴木茂、松本隆による日本の音楽シーンの一つの転換点を作ったロックバンド。メイン活動期間は69-72年とわずか3年ながら、その後にもたらした影響は計り知れない。詳しい情報は山ほど出てるのでここでは触れない。

そんな日本語ロックの金字塔、風をあつめて の次にくるこの曲。1964東京オリンピック以降の東京をテーマにしている今アルバム。蝉の鳴き声をバックグラウンドに、畳の部屋から入道雲浮かぶ晴れた空を眺めている情景を思い浮かべるような空気の曲が多く、紹介すべきはそっちな気もするがどうもこの曲に惹かれピック。

- MUSIC -
なんの話だというような内容の歌詞が次から次へと流れてくるこの曲は、実在する麻布にある暗闇坂に由来する。実は都内には同じ読みのクラヤミザカと名乗る坂はいくつかあるのだが、この麻布のものはその中でも一番暗いのだとかなんとか
(タモリ倶楽部調べ)
この暗闇坂は昼間でも暗いほど樹木が茂り、暗く見通しの悪いためか、妖怪・幽霊が出没するなどといった伝説が生み出された。これを元に書かれた曲らしく、ももんが・むささびはそのことだとわかる。カントリー調の陽気な曲調と不思議な詩が混ざり、なんとも言えない心地よさがありつい口ずさんでしまう。

細野晴臣のボーカルの1歩後ろに寄り添う、大瀧詠一の美しいコーラスワークが素晴らしい。メインを支えつつもラインをずらしハモりを生んでいるが、そのバランスがなんとも絶妙。そしてその裏で控えめにストーリーを作る鈴木茂のギターと松本隆のリズム。名曲風をあつめての影に隠れ、まさに暗闇坂だがこれもまた名曲。

残暑が抜けきらないじめっとした晴れた昼間に、蚊取り線香を焚いたバルコニーで口癖のようにあちいと言いながら聴いていたいアルバム。

余談で。はっぴいえんどは作詞した本人が歌うスタイルを取っているのもまたユニークで、個人的には細野晴臣がメインのものは音程を取りやすく歌いやすく好き。


1973年9月21日に東京・文京公会堂で行われた解散記念コンサートにて、大貫妙子・山下達郎・伊藤銀次

※2020/8/12に投稿した内容に加筆しています。


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