私が飲食店を退職し、コーヒーを選んだ理由 -前編-
はじめまして。清末圭史といいます。
初めての記事は何を書こうか少し迷いましたが、今自分がコーヒーをやることになった経緯やきっかけなどについて自己紹介していこうと思います。
打っていたら長くなりすぎた(本当に予想外)ので、前編と後編に分けて公開します。笑
今の自分の味覚を形成した料理人時代
私はワインを扱うフレンチのビストロで約7年間を過ごしました。
本当に今の自分の味覚や臭覚、コーヒーに行き着くまでの全ての要素はここで得たと言ってもいいくらい。
自分の成長にとっても、そして人生においてもとても貴重な時間を過ごさせてもらったことは言うまでもありません。
飲食店といえば長時間労働のイメージが世間的にもついているんじゃないかと思います。
自分がいたお店はオーナーも優しく、俗に言うブラック企業などとは程遠いすごく働きやすい環境でした。
休憩時間もしっかり確保する。従業員のスタッフにある一定の決定権を与え、皆のことを信頼してくれているとてもいいオーナーの元で仕事をしていました。
それでも自由な時間はなく長時間拘束が現状
ですが私自身お店の運営・管理を任されていたこともあり、お店の利益、売り上げの事を考えると初めのうちは現実的には少数で運営したり、少し早めに出勤して仕込みをしたり、アルバイトのシフト優先でお店のシフトを組むと自分たち社員が穴を埋める他ない状況も多々ありました。
いわゆる飲食店の労働環境を変えつつ、お店としてもしっかり利益が残せるやり方を常に模索していました。
俗に言うブラック企業のやり方は絶対にやりたくなかったし、そんなめちゃくちゃな人の使い方で人件費を落として利益を出すのは正しいと思わなかったし、それで利益が出ても成功ではない気がして。。
とはいえ、なぜ飲食店が基本的に長時間労働を強いられるのかも分かります。
本当に利益を出すのがすごく難しい業種だと改めて感じました。
飲食店の生存率は他業種と比較しても著しく低く、3年以内の廃業率は70%と恐ろしく高いことからも沢山の課題があることは明白です。
その事業構造からも、利益を出すための難易度が高すぎる。
その上さらに営業利益は良くて10%という構造です。
それでも、マネージャーと可能な限り自由なスタイルを追い求め続けました。
当時絶賛子育て中だった私は、娘の保育園の行事やイベントに参加できない事に残念な気持ちでいましたし、それでもお店の責任者として仕方がないことだということも理解していました。(言い聞かせてましたが正しい?)
妻にも、「仕方ないやん」と言いながら、仕方なくはねーよなーと心の中では葛藤していました。
「だって子育てって今しかできんやん!」と本気で思っていました。
自分が思い描いていたテーマはドラクエの作戦風にいうと『自分大事に!』でした。笑
しかし、子育て世代が他に全くおらず。その点に関しては周りに理解を得るのは不可能だろうと思いながらの強行突破でした。
仕事をすること自体が目的ではなくて、仕事はあくまでも自分を輝かせる為の手段であってほしかったし、自分というモノには別の目的があってそれを叶える為に仕事をしていたかったし、働くスタッフにもそうであって欲しかった。
最終的には、出勤時間も以前より遅く、拘束時間も減らし、希望の休みも比較的取れるというスタイルが確立しました。
今のお店をより良くするか、起業か
その後、結果的に自分で事業をすることを選択した私ですが、時間が欲しかったはずなのに起業を選択すること自体矛盾しているのは自分でも分かっていました。
それでも、後戻りが出来ないずっとワクワクする世界に飛び込みたかった。
でも、子どもたちとの時間は絶対に確保しようと決めていました。
とても小さく、リスクを最小限に、スモールビジネスから始めよう。
甘い考えだったかもしれない。
それでも、雇われたままのこの世界から飛び出したいという気持ちは止められませんでした。
そこから全て逆算して考えました。
子育てをする為の時間が欲しい。
その為にはお店の営業時間、営業日数はこうでなければならない。
その中で利益を出すには、減価率はいくらで固定費はいくらで、必要な売り上げはいくらで…。
そんなふうにして約7ヶ月の準備期間を経て期間限定店舗、ローストビーフ丼の専門店『WAGYU TOKYO』を間借りでオープンさせました。
今となれば、会社に雇われているという事がどれだけ恵まれているのかがめちゃくちゃ分かる。
そりゃ、大変なことももちろんあるけれど与えられた時間働いて、与えられた仕事を全うすれば毎月決まって給料が貰える。
休みの日は、スイッチを完全に切ってオフモードで休日を満喫できる。
これが、どれだけすごいことか。。。
起業しようとしている人がいたら、まず全力で伝えたい。
それ今の仕事しながらできんか!?って。笑
自分の事業をやってる方なら、基本的に自分の事業のことで頭がいっぱいだと思う。
立ち止まったらそこで終了。まじで終了。
店舗が休みの日も頭の中は自分のお店のこと、事業のことでいっぱい。
頭が休まる時は殆ど無いし、いつも仕事のことを考えている。
それは多分正解ではないし、慣れているスーパー経営者レベルの人はちゃんとスイッチ切るんだと思う。
でも自分はそれが心地よかったんです。居心地がいいというか、それこそ毎日ワクワクしてるというか。
コロナで想定外の事態に
という見出しではじめましたが、コロナのせいにはしたくありません。
全て自分の考えが甘かった。
それに尽きます。
実はお店のオープンを迎える少し前からこのコロナ騒動は始まっていました。
2020年1月にコロナウイルスが日本に入ってきたちょうどその頃、オープン準備を着々と進めていました。
オープンは3月。まさにコロナ禍が始まるその時にオープンを迎えました。
2020年4月7日。緊急事態宣言が出されたその日は、オープンから僅か3週間ほどしか経っていませんでした。
覚えている方もいるでしょうが、緊急事態宣言が出された直後の街はほんとに人がいなくなりました。
周辺の飲食店も、営業自粛の嵐。
すぐに、猛スピードでテイクアウトやオンラインでの販売ができるようにしましたが、相当苦しめられました。
これがどれくらいの期間続くのか。1年か2年か、、それとももっと長い間、、。
あの当時は、今後どうなっていくのかが予測が出来ませんでした。
また、間借りしていた元の店舗の方も、このコロナ禍で既存の営業時間や運営方法を変える必要が出てきたため、これ以上迷惑はかけるべきではないし、私自身も出血が少ないうちが良いと判断を下した私はすぐに撤退しました。
ー後編へ続くー
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