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心に届くと信じて、労力を惜しまず、ひたすらモノづくりに向き合う。

ある眼鏡職人が放った一言に、ショックを受けたことを今でも鮮明に覚えています。

「うららは(僕らは)、機械化する眼鏡づくりに ついて行けんかったから、今でもこんなに時間がかかる眼鏡づくりしか出来ん。注文は減ったし、みじめやなぁ。…もう自分の代でたたむ覚悟はとっくにできてるんや」

当時この言葉に衝撃を受け、悲しさと悔しさが入り交じった感情が込み上げてきたことを覚えています。


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私たちが携わっている眼鏡の市場は、長い歴史の中で大きく変化していると感じています。

数十年前、大量生産のマーケティングが急発展し、鯖江の眼鏡メーカーは
 ”より安く、より早く、大量に" 眼鏡を生産するにはどうしたらよいかを日々追い求め、試行錯誤し続けていました。消費者意識もだんだんと移行し、価格の安い眼鏡が売れる時代となり、この波に乗ることのできない眼鏡工場の倒産が後を絶ちませんでした。

BROS JAPANが創業したのは、実はそんなあおりを受けかねない真っ只中の時代でした。

冒頭の職人の言葉は、BROS JAPANを立ち上げ、眼鏡の世界で生きてゆくと決意し、職人のもとを訪ねた時に交わした会話の中の一言でした。

最先端の技術とは到底言いがたい、手間も時間もかかる技法で、1本の眼鏡に魂を込めるように一生懸命作り上げる職人の姿に、感動していた矢先の一言。そのさらっと放ったさりげない言葉の裏側からは、寂しさや喪失感、それに仕事に対する心残りな様子が隠し切れずに滲み出ていたのです。

この想いをおざなりにしてはいけない。
一人の職人が発した言葉の重みは、鯖江で眼鏡職人として生計を立てる全ての職人の想いがつまったものだと感じました。

労力をかけて手作りで仕上げる一本の眼鏡には、機械では表現できない美しさがあり、物や商品というより作品に近い価値があると確信していました。もちろんこれからも継続して欲しいし、この職人が作る眼鏡を身につけたいと、純粋に心から思いました。気が付けば、この貴重な職人技、そしてそこから出来る眼鏡の価値を今こそ世の中に認知してもらいたい思いで溢れていました。

この瞬間、BROS JAPANの理念である「自分たちの信じるモノだけを作り続ける」という思想が確立されました。

眼鏡職人としてのモノづくりを継続できること。
企画メーカーとして価値のある物を見い出し、創造し世の中に広めること。
お客様に選んでいただき、その眼鏡の良さが伝わり価値を存分に味わっていただくこと。

作り手、売り手、買い手 共に幸せな状態の継続を、BROS JAPANとして目指し続け、時代の波に逆らうかのように信じるモノだけを発信し続けました。

今年で創業から20周年を迎えます。今ではBROS JAPANのパートナーとして、鯖江の眼鏡職人と毎日のようにコミュニケーションを取りながら、共に良いモノづくりをさせていただいています。

当初は「なぜこんな時代遅れの技法に価値があるのか」「分かってくれる人はいるのか」と半信半疑だった職人たちでしたが、私たちは信念だけを頼りにしっかりと向き合い続けてきました。
有難いことに、その想いを受け止め理解してくださるお客様も少しずつ増え、たくさんの方に鯖江の眼鏡の良さを認知していただける機会も増えてきました。冒頭の言葉を残した職人もしっかりと後継者を育て上げ、今では私たちの専属職人として共に良い眼鏡づくりに力を注いでいます。

僭越ながら、これからも鯖江の眼鏡職人が継続して良いモノづくりができる状態、環境をブランディングの力で担っていきたいと思っています。
全ては、あの時に感じた「良いモノを世の中に広めたい」という根底にある想いが原動力として動かしてくれているのだと感じています。




BROS JAPAN(ブロスジャパン)株式会社

〈取り扱いブランド〉
■BJ CLASSIC COLLECTION(ビージェークラシックコレクション)
■SUNSHIFT(サンシフト)
■American Optical(アメリカンオプティカル)

 

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