伝えたい気持ちを「セルロイド」にのせて。
ファストファッション、ファストフードが主流になった今、完成品が目の前にあることに慣れてしまい、モノが生まれる背景や想いの真髄を深く考えることが少なくなってきていると感じることがあります。
短時間で欲しいものが手に入ったり、思いついたら直ぐに実行できたり。その時間の流れのスピード感や思考の簡略化は、今を生きる私たちにとってはとても便利でありがたいことです。でもその一方ですこし物足りなさや寂しさ、違和感などが生まれるとしたら、私たちはその気持ちを大事にしてほしいと願います。
私たちの会社がある福井県鯖江市は、眼鏡の生産地として全国の約95%を占めています。
鯖江の眼鏡づくりの歴史は古く、かつて農業しかなかった地元の暮らしを向上させるため、雪深く長い冬の副業として1905年に始まりました。
現在でも、鯖江の産業として深く根付いています。
眼鏡のもととなる生地は、当時「セルロイド」が主流でした。
硬く、弾力性があり、眼鏡になってからも変形や型崩れを起こしにくい材質です。また、美しい艶が特長で磨くほどになめらかで肌当たりの良い眼鏡に仕上がります。セルロイドほど機能性と高級な材質を備えた生地はありません。
しかしながら、「発火温度」が170度と低いことや、硬く加工がしにくいなど、機械での製造が難しいことが唯一の欠点です。
低コストで生産性を求めるような時代の流れの変化により、取り扱いに技術や知識が必要とされるセルロイド生地は、だんだんと使用されなくなり、現在ではほとんど使われていません。
BROS JAPANは、あえて取り扱いが難しいセルロイドのモノづくりにこだわります。
理由は簡単で明確です。
セルロイドで作る眼鏡はかっこよくて美しいからです。
セルロイドは最も眼鏡に適した材質だからです。
そして、今ではほとんど使われていない優れた職人の技術を継承し、再現していくためです。
セルロイドの形状保有力、艶めき、フィット力、肌当たりは、ほかの材質とは比べものにならないくらいの上質感を持っています。
その上質感は、熟練の職人だけが出せる技でもあります。
セルロイドフレームは、まさに職人技の代名詞と言えるのです。
手間を惜しまず、大量にも、安くもできないモノづくりにあえて私たちは挑んでいます。
服はかつて、身につける人の身体のサイズを細かく測り、生地を選び、一着ずつ仕立てていました。それは全てが一点物であり、出来上がるまでの時間や作り手の想い、こだわりがその一点に宿り、身につける人にとって特別なものになります。
5000円程の低価格でレンズ付きの眼鏡が買える時代に、あえてその逆を行く考え方でモノづくりをする理由は、その一本に想いを宿らせるためです。売れるための商品ではなく、職人が生み出す作品として、身につける人の身体の一部となるような、次の世代にも受け継がれるような一本をつくりたいためです。
私たちはこの気持ちを、「セルロイド」に込めて表現しているのです。
余談ではありますが、弊社の眼鏡を愛用しているスタッフには、共通点がひとつあります。
毎朝、眼鏡を掛ける瞬間に、「この眼鏡かっこいいな」と感じることです。
BROS JAPAN(ブロスジャパン)株式会社
〈取り扱いブランド〉
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■American Optical(アメリカンオプティカル)