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#ハマった沼を語らせて/テイラー・スウィフト沼
【テイラー・スウィフトの沼にハマったお話】
存在は知ってたし、アルバムも一作品だけウォークマンに入ってたからそれは聴いてた。でも大ファンって訳では無かった。それが変わったのは、約2年前の春。
暇で、億越えの洋楽MVを見漁っていた時に、テイラーのMVを発見し再生してみた。
それは、幼馴染の男の子に片思いをする内気な女の子の曲だった。でもその男の子には彼女がいるけど全く幸せそうじゃない。でも女の子は内気だから告白する勇気がない。
「ずっと隣にいるのに、何で分からないの?あなたは私と一緒になるべきなのに」
それがちょうど気になる人がいた当時の自分に刺さりまくった。
この曲、You Belong With Meを皮切りに私はどんどんテイラーのMVを見漁りまくった。曲を聴き、和訳を見て、どんどんテイラー・スウィフトの沼にハマっていった。
キラキラして可愛いMV、オシャレなMVが多い中で私に衝撃を与えたものがある。
それはLook What You Made Me Do。
先程までプリンセスだったテイラーが急に、ゾンビになったのだ。(これは比喩ではない)
調べてみると、テイラーの過去の「ある事件」に繋がった。
要約すると、テイラーがまだ新人で、ある賞を取った時に、ある大物アーティストがやってきて「他の候補者が賞に相応しい!」とステージ上でマイクを奪って主張したのだ。
まだ新人だったテイラーには大きな傷になったに違いない。でも彼女はそれを引きずるどころか、どんどん人気を集めてトップスターへと登り詰めたのだ。
しかしそれで終わりでは無かった。数年後に、その大物アーティストがMVでテイラーを侮辱したのだ。作った本人はテイラーの同意があったと主張。でもテイラーは否定。食い違う意見で2人が対立する中、世間はテイラーが嘘つきであるとみなした。
彼らはヘビの絵文字を使ってテイラーを非難し、ついにテイラーは表舞台から姿を消した。
テイラーの負けが確信されたように思われていた2017年。彼女は、戻ってきた。
「昔のテイラーは電話に出られません。なぜかって?彼女は…死んだので。」
まさに死から甦り、新しいテイラーとして音楽界に不死鳥の如く舞い戻ってきたのだ。
MVの中にはテイラーヘイトの象徴となった「ヘビ」のモチーフを多用。自らが悪にされるのなら、それを覆すのでは無く、もはや悪になってしまおう、と言っているかのように。
このMVの中でテイラーは昔の自分が助けを求めている人間ピラミッドの頂点に立ち、その命乞いを無惨にも無視し、昔のテイラーたちを蹴落として殺す。
まさに、新生テイラーの誕生だった。
この曲を収録したアルバム、reputationは大ヒットし、テイラーはまたトップスターの座へと返り咲いた。今となっては、ヘビの絵文字は、テイラーファン別名「swifties」の中でreputationを表す絵文字として使われている。
私が感動したのは、ここだ。
自分に向けられたヘイトに負けるのではなく、それを利用して更に強くなったのだ。これこそ本当のアーティストではないだろうか。逆境に負けるのでは無く、自分の経験を活かして(人聞きは悪いが)お金を稼いだのだ。
彼女を批判していた人たちは、青ざめたことだろう。まさか、自分たちが彼女を奮い立たせ、さらに大金持ちにするインスピレーションを与えてしまったのだから。
彼女を批判するために使われていたヘビの絵文字は、今となってはswiftiesの大好きな絵文字になっている。
こんなにも逆境に強い人がいるものかと驚いた。私のテイラーへの愛は、ただ彼女が作った曲だけではなく、彼女の人間性にも向くようになった。
テイラーが2023年から今年まで開催したツアー「The Eras Tour」は、歴代ツアー興行収入の第一位に輝いた。私も、東京公演に幸運な事に行けることができた。あの夜は、私の人生最高の夜といっても過言では無かった。そして、さらにテイラー愛が深まった夜でもある。
この時に私が感動した点のひとつを紹介したい。ある曲の中で、テイラーが観客に「一緒に歌って!」と呼びかけるシーンがある。その時に、毎回テイラーは「Do you know the lyrics〜?」と聞いていた。(ぜひThe Eras Tour Filmで確認してみて欲しい。)
しかし、この夜、テイラーは「Do you know the words〜?」と聞いたのだ!
「lyrics(歌詞)」という単語が難しいから故に「word」という簡単な単語に変えたのかもしれないと思うと…優しすぎると思いませんか??
ちなみに、炎天下の中行われた南米公演などでは、テイラーがステージ上から暑さのせいで倒れたファンに気づき、それをマイクで警備員に報告する、というようなこともしばしばあった。
彼女の歌詞は年々詩的になっているように感じる。言葉遣いが、もはや詩人レベルなのだ。
例えば、
「From summer to winter(夏から冬まで)」
というフレーズ。テイラーは、
「From the sprinkler splashes to fire place ashes(スプリンクラーの水飛沫から暖炉の中の灰まで)」
と表現する。 (曲-You're on your own, kid)
こんなにも単純なフレーズでさえ、テイラーにかかれば、スプリンクラーで、芝生の上に撒かれているキラキラ輝く水飛沫から、寂しげに暖炉に残った灰、という情景を思い描ける文へとなってしまうのだ。
そして歌詞だけで無く、テイラーは声も更に良くなっている。
テイラーは、いくつか、(Taylor's Version)というアルバムを持っているのだが、それは再録バージョンになる。これは権利の問題のためで、reputationまでの作品は原盤権がテイラーにないのだ。これは、曲をどこかで披露する時に好きなように曲を決めることができなかったりするという大変な問題であった。だから、テイラーは2021年から再録プロジェクトを始めている。
これを聴き比べると彼女の声の変化はとても分かりやすい。明らかに、(Taylor's Version)の方が、歌が上達しているのだ。ぜひ、聴き比べていただきたい。
テイラーの魅力についてだったら、いくらでも語れるし、語りきれていないが、ここら辺で止めておこうと思う。ぜひ、気になった方には彼女のMVや曲をチェックしてみてほしい。どんな年齢、どんなシチュエーションにも合う曲が必ずあるからだ。恋、失恋、性的差別やマイノリティーの苦悶、リベンジ、感謝…
(もし、こういう曲が知りたい、などあればコメントなどで教えていただければ、回答させて頂きます!お気軽にどうぞ!)
ぜひ皆さんもテイラー・スウィフト沼に足を踏み入れてみれば?
読んでいただき、ありがとうございました!