小谷温泉 大湯元山田旅館
2014年は雪の多い年であった。
雪のシーズンがそろそろ終盤を迎えるころ、「小谷村」(おたりむら)へブロンプトンで日帰りで行ってきた。このあたりは特別豪雪地帯に指定されている日本で有数の豪雪地帯で、冬期の積雪はなんと4メートルを超える。『雪国の真打ち』と言っても良いだろう。
目的地は小谷温泉。信州と越後の国境(くにざかい)、標高850メートルの山中にある。弘治元年(1555年)、川中島の合戦の折りに、武田信玄の家臣、岡田甚一郎が薬師如来の夢のお告げで発見したと伝えられている。爾来、信玄の隠し湯のひとつとして人々に親しまれるようになった。創業四百有余年といわれる老舗旅館『大湯元山田旅館』が伝統の湯を守り続けている。
[走行データ]
小谷温泉へ行くには南小谷駅からバスだ。しかし、冬期は途中の大凪下(おおなぎした)までしか行かない。そこからはブロンプトンで登り道だ。
大凪下についた。冬の間はバスはここまで。ここから自走である。
さすが小谷村。素敵な雪道だ。
しかし急坂である。
あの道を通って何とかここまで登ってきた。
期待通りの大雪だ。美しい。しかし、あまりの雪の量に恐怖感も多少ある。
近づいてきた。
ようやくついた。江戸時代に建てられたという本館を始め、1914年(大正3年)完成の新館、敷地内の土蔵など木造建築6棟が文化庁の登録有形文化財になっている。
山田旅館には元湯と新湯がある。それぞれ泉質の異なる源泉で、山田旅館が数百年守り続けてきた「元湯」源泉の内湯は、浴場も古びていて素晴らしい。
一方、外湯は10年以上前に廃業された太田旅館の新湯源泉を山田旅館が引き取り「新湯」として供している。尚、小谷温泉には別に熱泉荘の「熱湯」(あつゆ)源泉というのもある。
まずは伝統の「元湯」へ。
旅館の中心に位置する元湯は100年以上変わらぬ浴槽で、2メートルの滝となって湯が落とされている。古えから続く伝統の湯は素晴らしいの一言だ。(この写真は山田旅館公式ページより拝借させて頂きました。)
そして、旧・太田旅館の新湯のほうには、眺望のよい外湯がある。
60年前まであった新湯(当時共同湯だった)の外湯の場所に薬師堂の建物を利用して建てられたとのこと。
極楽極楽。
大雪の中、最高の雪見風呂となった。
尚、以前は雪見風呂を楽しめたのだが、残念ながら現在は冬期(11月4日〜4月20日)は縮小営業のため外湯は閉鎖するとのこと。ご注意ください。