文字が追えるようになった喜び
晩夏の折、いよいよ秋の足音が近づいてまいりましたね。厳しい暑さも徐々に落ち着きを見せ、過ごしやすい日々となってまいりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
私はというと、すっかりと精神を崩し、学校には行けなくなってしまいました。ただ、服薬が攻を為したのか、最近は文字が読めるようになりました。鬱病を煩ってからというもの、あれだけ好きだった読書からは、すっかり心が離れ、寝てばかりの自堕落な生活を送っておりました。しかし、この一週間程は、文章を読めることが嬉しくて、活字の海に深く身を沈め、紙の上に刻まれた言葉を追い続けていました。
昨日は、部屋に山積みにされた未読の本から、二冊ほど抜き取って、近所の喫茶店へ出かけました。喫茶店で、煙草を喫みながら珈琲を嗜み、文学を摂取するというのは、いまの私にとっては大きな贅沢でした。
三島由紀夫の「花盛りの森・憂国」という、自選短編集を読んだのですが、これはとても良かったです。特筆すべきは、最後に収録されている「月」という一篇で、個人的には最も気に入りの物語です。やはり、私はドラッグ文学(薬物中毒者が登場する文学作品、私は勝手にそう呼んでいる)が大好物みたいです。同じドラッグ文学でいうと、中島らもの「バンド・オブ・ザ・ナイト」も最近読了したのですが、これもとても良かったです。皆様も、気が向きましたら是非、ご一読ください、本当におすすめです。
ともかく、どんな形でも、回復の兆しが見えつつあるのは、非常に良いことだと考えております。このまま、無理せず、気楽にいきたいですね。
いつかドラッグ文学のまとめでも書いてみようかな、と考えてみたり。