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時にはシネフィルな夜「Uボート:235 潜水艦強奪作戦」

そんなに連日連夜ホラー映画ばかり観ていると、ただでさえ少々イカれているという噂のオレのオツムの具合がいよいよ危険水域かと周囲の多くの方に心配されるのも如何なものかと思うので、昨夜ちょいとばかし趣向を変えて観たのはベルギー製作の戦争映画。

物語のベースは、広島に落とされた原爆の原料は、当時ベルギー領コンゴのウラニウム鉱山からアメリカに運ばれたものだという史実を元にしているようです。

第二次大戦当時のベルギーは、1940年にドイツに侵攻されて以降、ノルマンディー上陸から北フランスとベルギーを舞台としたバルジの戦いを経て連合軍に解放される1945年12月まではナチスドイツの勢力下にあります。

そんな状況下で、原爆開発をナチスドイツに先を越されたくない連合国側は必要な鉱石をコンゴから北米へ大西洋を横断して輸送するために独軍から鹵獲したUボートを使う作戦を立て、その極秘任務に着くのが、英軍からも射殺命令が出ているほど過激なベルギーの対ナチレジスタンスの荒くれ者たちという設定の軍事アクション作品。コンプラ配慮なのか、女性と後に黒人もそのメンバーにちゃんと含まれています。

はてさて、そんな寄せ集めのメンバーで当時最新鋭のドイツ潜水艦を無事に動かせるのか? その突貫の操艦訓練には捕虜となっている現役のドイツ人Uボート艦長が当たります。

このあたり、ベルギーの公用語は未だにオランダ、ドイツ語、フランス語の3カ国語ですから、ベルギー人にとってドイツ人相手に流暢には話せなくても基本的な会話に不都合はないようです。

さて、世に言う「潜水艦映画に駄作なし」の法則は、本作にも通用するのか?

過去の潜水艦映画のオマージュも随所に散りばめつつ、時おり変化球を混ぜ込みながら、緊迫感のある作品には仕上がっていますので、確かに駄作ではないでしょう。ベルギー映画に触れること自体も貴重な経験ですしね。観て損はないと思います。

ただ、日本人として、広島県人として、本作のラストシーンは悲しい怒りのような複雑な想いが湧き上がってきて、すごく微妙でした。とだけ申し添えておきましょう。

https://eiga.com/movie/92299/


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