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うつ病になった私は、もう技術者にはなれないのだろうか

誰もあきらめた方がいいよとは言わない。
けど絶対叶いますよとも言えないのだ。

二年働いた建設コンサルタントでは、うつ病で余儀なく休職し、
その後、人手不足もあって配慮が難しいと伝えられ、復帰せず退職した。

検査で発達障害も判明した。ASDと軽度のADHDだ。
障碍者手帳の発行を勧められ、障碍者枠での就職を目指すことにした。

一人前の土木技術者になることは、研究者の夢が破れた私の新しい希望だった。
仕事は確かに過酷だったが、図面の一つ一つの意味を学んでいくことや、
自分が調査したことを形にしていくことは、とても面白かった。
たった二年間で、たいした仕事はできていないのかもしれないけれど、設計の仕事が好きだった。

もう同期たちは、どんどん道路やダムの設計を担当し、若手技術者へと順調に成長している頃だろうか。

障碍者枠では、事務職の募集がほとんどだ。
一番近くてCADオペレーターだが、その求人も決して多いわけではない。
土木技術職の募集なんてゼロに等しい。
あるとすればITの技術職(SEとかプログラマーとか)だけだ。

IT系に転向することも考えて、少し勉強してみたが
残念ながら自分には向いていないと感じた。

いろんな人が別にあきらめなくてもいいのではといってくれる。
でも具体的な道すじは見えない。
とりあえず障碍者枠で事務系かCADの仕事に就けたとして(就けるかどうかは置いておいて)何年か勤めてから、転職して技術職を目指すとする。
34,5歳の、ほぼ未経験に近いしかも障碍者枠の人間を、土木系技術職として雇ってくれる会社なんてないように思える。

せっかく技術士補の資格を頑張って勉強して取った。
技術士の資格も取りたかった。
技術者として胸を張って仕事がしたかった。
もういちど、設計の仕事がしたかった。


前に本で読んだ言葉を思い出した。

”夢をあきらめないなんて簡単。
あきらめる方が数百倍つらいものだ”

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